Danish Siddiqui/Reuters
人口13億人を超えるインドは、世界有数の経済大国だ。
国内総生産(GDP)で見ると現在世界7位だが、今の成長トレンドが続けば、さらに順位は上がるだろう。
一方、政府の汚職やまん延する暴力が、インドの急速な経済成長の妨げになっている。実際、この2つの問題がなければ、インド経済はもっと繁栄していただろう —— エコノミストたちは、暴力が原因でインド経済は2017年だけで1兆ドル(約110兆円)以上を失ったと見ている。
それでもインドは世界有数の輸出大国であり、農業大国だ。世界で最も急速に成長している都市トップ10は、全てインドの都市だ。
インド経済に関する、驚くべき9つの事実を紹介しよう。
1. インド経済は20年弱で約6倍に成長
Getty Images/Keith Bedford
世界銀行によると、1999年のインドのGDPは約4590億ドルだったが、2018年には2兆7260億ドルだった。
2. インドは2020年、GDPでフランス、イギリスを上回る見込み
REUTERS/Ahmad Masood
世界銀行によると、インドの2018年のGDPは2兆7260億ドルと、フランスのGDP(2兆7780億ドル)にもう少しで手が届かず、世界7位だった。
だが、これも長くは続かないだろう。
エコノミストたちは、2020年にインドがフランスとイギリスを上回り、世界5位の経済大国になると見ている。
3. それでもインド経済は、カリフォルニア州経済よりも小さい
Unsplash/Igor Ovsyannykov
米商務省経済分析局によると、カリフォルニア州の2018年のGDPは約2兆9680億ドルで、インドのGDP(2兆7260億ドル)をやや上回った。
4. インド経済は世界で最も急速に成長している
Towering Goals/Shutterstock
専門家たちは2019年のインド経済の成長率を7.4%と予想していて、これは中国の6.3%、アメリカの2.5%を上回っている。
5. 2019年の総選挙で、当局は少なくとも5億ドル相当の賄賂を没収
インドのモディ首相(2014年)。
REUTERS/Amit Dave
2019年春、インドでは総選挙が行われた。5月19日に投票が終わったこの選挙では、有権者の票を買うための賄賂として、5億ドル相当を超える金(ゴールド)や薬物、アルコール、現金などを警察および関係当局が没収した。
6. 「暴力」は2017年、インドにGDPの約9%を失わせた
Adnan Abidi/Reuters
数百件もの住民間の暴力やカシミール地方での攻撃、中国との膠着状態などが毎年、インド経済の潜在的価値を大幅に失わせる要因となっている。エコノミストたちは、暴力がインドに2017年だけで1兆2000億ドルを失わせたと見ている。これはGDPの約9%相当で、国民1人あたり約600ドルの損失に等しい。
7. 平均年収では、インドは世界69位
REUTERS/Danish Siddiqui
2015年、インドの労働者の平均年収は1790ドルで、世界69位だった。これは月収にしてわずか149ドルだ。
なお、70位は隣国のパキスタンで、平均年収は1580ドルだった。
8. インドでは、雇用の50%は農業が占めている
REUTERS/Vivek Prakash
インドは世界最大の牛乳生産国で、果物と野菜の生産でも世界2位だ。また、海産物の取り引きも盛んだ。全体として、農業生産がインドの全雇用の半数を占めている。
9. 「燃料」がインドの輸出品1位で、全輸出の15%を占める
Rupak De Chowdhuri/Reuters
多くのインド人は農業に従事しているが、輸出で最も多くの収益を生み出しているのは鉱物燃料だ。2018年、 インドは約483億ドル相当の石油製品を輸出した。
[原文:9 incredible facts about India's economy]
(翻訳、編集:山口佳美)