アクティブファンドは手数料が高いのにパッシブ運用に勝てない。最新レポートで比較

ウォール街のイメージ

映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート 』より

Paramount Pictures

個別銘柄を選んで運用する「アクティブ運用」マネジャーには厳しい状況が続いている。だが、自業自得だろう。

インデックスファンドやパッシブ運用と比較したとき、アクティブ運用のパフォーマンスが下回っていることは、ここ数年、さまざまな文書で述べられてきた。市場平均指標などと比べたとき、アクティブ運用のパフォーマンスが大きく下回っていることは致命的だ。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは4月13日木曜日(現地時間)、最新のSPIVAレポートを発表した。レポートではさまざまなアクティブ運用ファンドを各種のベンチマークと比較しており、「アクティブ運用対パッシブ運用についての通知表」となっている。

レポートによると、アクティブ運用は、金融危機後の短期間のみならず、過去10年以上の期間のさまざまな局面で見ても、パッシブ運用を下回っている。

「アクティブ運用のパフォーマンスが市場サイクルに依存すると仮定するなら、新たに得られた15年分のデータはより確固とした事実を示している。2016年12月までの15年間で、大型株では92.15%、中型株では95.4%、小型株では93.21%の運用マネジャーがそれぞれのベンチマークを下回った」とレポートは述べた。

またレポートでは、アクティブ運用をより種類の似たベンチマークと比較した場合、特に厳しい結果となった。例えば、小型株でのアクティブ運用は、S&P小型株インデックスと比較された。つまり、データはまさに同一条件での比較結果となっている。

短期間で見ると、アクティブ運用のパフォーマンスは多少改善するが、それでも悪いことに変わりはない。

「2016年12月31日までの5年間では、大型株の88.3%、中型の89.95%、小型の96.57%がそれぞれのベンチマークを下回った」

アクティブ運用のパフォーマンス比較図

S&P Dow Jones Indicies

アクティブ運用はベンチマークとの比較のみならず、パッシブ運用と手数料で比較しても、そのパフォーマンスの低さは致命的だ。

アクティブ運用は、上場投資信託(ETF:株価平均などの指数に連動した運用を目指す投資信託)よりも高い利回りを狙うため、手数料も高い。こうした手数料がアクティブ運用マネジャーの稼ぎとなる。よって高い利回りを確保できなければ、重大な問題となる。

そして、今がまさにそのときだ。金融危機以降、アクティブ運用から1兆ドル(約108兆円)が流出した。一方、ETFには1兆7000億ドルが集まり、その傾向は加速している

レポートは、現存するファンドのみならず、過去15年間に存在した全てのファンドを対象としている。レポートを公正なものとするためだ。

アクティブ運用のパフォーマンスの低さを考えると、レポートが調査した期間中、十分な成果を上げてきたファンドは、極めてわずかであることは驚きに値しない。

「アクティブ運用ファンドは急速に姿を消している。過去15年間で、国内株式ファンドの58%が統合または閉鎖された。同様に、国際株式ファンドの52%、債券ファンドの49%が統合または閉鎖されている」

レポートは、パッシブ運用あるいはインデックスファンドにのみ投資すべきであると明確に述べてはいない(多様性は重要で、短期間でみれば優れた成果を上げているファンドもある)。しかし、アクティブ運用からの大規模な移行はもはや疑いようがない。

source:Paramount Pictures、S&P Dow Jones Indicies

[原文:This is one of the most devastating reports we've seen for the future of Wall Street stock pickers

(翻訳:Satoru Sasozaki)

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