累計販売10万本を超えるシチズンの名作「AT8040」。
デザインに「自分だけのストーリー」を。老舗ブランドが2週間で仕上げるカスタマイズ腕時計
ビジネスカジュアルが普及するにつれて、服装の自由度が増している。ノーネクタイやポロシャツなどが浸透し、過ごしやすくなったのは嬉しい時代の流れ。ただ、服装が軽やかになる一方、悩ましいのが腕時計ではないだろうか。トラディショナルなデザインはカジュアルな雰囲気と合わないし、華美な装飾は目立ち過ぎる。品がありながらも、どこか抜けの良さを感じる一本を目指したい。
「スポーティでありながら、エレガントである」──。今回紹介する腕時計は、まさに欲しかったスマートさをデザインテーマに掲げた腕時計。シチズンの「ATTESA(アテッサ)」シリーズだ。中でも2012年に発売され、定価10万円を超えるにも関わらず、累計販売10万本を超える名作が「AT8040」。すべての“ほどよさ”が調和した選択肢と言っていいだろう。
このAT8040で始まったユニークなサービスが、腕時計に「自分らしさ」をプラスできるというもの。そこで、実際にカスタマイズを試してみた。
ビジネスにも、遊びにも。ライフスタイルに合わせて選べるデザインは4万通り
腕時計のケースや文字板、時分針、秒針、バンドといった腕時計の各要素をカスタマイズできるシチズンの新サービス。組み合わせは4万通りにもなる。
CITIZENが7月から提供を始めた「FTS(ファイン・チューニング・サービス)」は、AT8040をベースにケース、ベゼル、文字板、時分針、秒針、リング、バンドといった腕時計の各要素をカスタマイズし、ウェブサイトからオーダーできるサービスだ。組み合わせは4万通りというから、限りなく「自分だけの時計」に近い。2019年7月から東京のGINZA SIXに構える「シチズン フラッグシップストア 東京」に展示されている、 AT8040のFTSエディションを見てみよう。
店内に設けられたFTSのコーナーには、選べる文字板や針などがずらりと並ぶ。
基本のデザインが同じでも、文字板の色が異なるだけで、時計の印象は大きく変わる。
海外渡航の多いビジネスマンに必須の機能も充実
実際にFTSのカスタマイズを施したAT8040。シックな組み合わせを選べばスーツやジャケットに合う上品なデザインに。遊びごころのあるカラーを選べばカジュアルな普段使いでも目を引く仕上がりになる。
時分針をブルーにすると、抜け感が出る。
AT8040のFTSエディションは、外観のカスタマイズを楽しめるだけではない。ビジネスパーソンにも嬉しい充実の機能も搭載されている。
例えばりゅうずを引いて、都市を選ぶだけで針が自動で動き、世界の都市の時刻とカレンダーに修正できる「ダイレクトフライト」。さらに、太陽光や室内のわずかな光を動力に変える「エコ・ドライブ」機能、時刻やカレンダーを自動修正する「電波時計」といった腕時計に求められる基本性能を完備しているのも魅力だ。
また、ステンレスより約40%軽く、肌に優しく、さびにくく、耐摩耗性に優れている「スーパーチタニウム™」を採用。シチズンが独自に開発した仕上げの美しさを保護する表面硬化技術「デュラテクト」など、身に付け続ける腕時計だからこそ必要な堅牢性も十分だ。
早速、オリジナルの時計を作ってみよう
まずは腕回りのサイズを確認。
では、腕時計のカスタマイズをするには、どうすればいいのか? 実際に編集部でもオリジナルモデルを作ってみた。カスタマイズで押さえておくのは、以下の3点だ。
1. オーダーは公式ウェブサイトから
2. ケースとバンドの一部は追加料金
3. オーダーから通常2週間程度で発送
FTS/CITIZEN
公式サイトの「カスタマイズする」を押すと、まずは基本のモデルが表示される。あとは、画面右側の「SELECT ITEMS」を選んでいくと、中央のイメージに結果が反映されていく。
FTS/CITIZEN
cookieの利用による「KEEP」機能もあるが、会員登録をしてログインしておけば、仕上げたデザインを「お気に入り保存」することもできる。悩み抜いたデザインを保存して、一晩アイデアを寝かせて注文、という買い方も可能だ。
FTS/CITIZEN
早速、オリジナルモデルの制作に着手。文字板にはトラディショナルグリーンを選択。カーキグリーンも惹かれたものの、ビジネスユースにより合いそうな深めの色味を選んだ。
FTS/CITIZEN
一つ前の画面のキャプチャと同じように見えるが、時分針を白から黒に、秒針をオレンジからゴールドに変更。
FTS/CITIZEN
最終的に選んだデザイン。今回は追加料金がかからず11万円(+税)で決定。仕上がりイメージでは「装着している腕元」も確認できる。あとは配送先を入力して、支払いを済ませれば、届くのを待つだけ。支払いは、クレジットカード決済、コンビニ決済、Amazon Payを使用できる。
自分なりのストーリーを腕時計のデザインに込める
今回のオリジナルモデルは、秒針をゴールドにすることで「時は金なり」「1秒を大切に」というメッセージを込めた。
完成。
トラディショナルグリーンを文字板に据え、リングを黒にすることで印象が締まってビジネスシーンにも合いやすくなった。また、時分針も黒に揃えてシックに。
今回のオリジナルモデルは、カスタマイズにあるテーマを設けている。それは「1秒を大切に」。日々の仕事を効率的に進め、成果を挙げ、自らの望むライフスタイルを実現すること。それは毎日の1秒をいかに大切に使うか、という積み重ねに他ならない。そのテーマを体現したのがゴールドの秒針だ。
「時は金なり」———。「1秒」の大切さを時計を目にするたびに思い出すように、秒針にはゴールドを選んだ。
シチズンのFTSで腕時計をカスタマイズしてみて感じたのは、利用シーンを想像しながら自分好みに仕立てることの楽しさだ。さらに、腕時計に自分なりのストーリーを込められるというのも大きな魅力だ。
腕時計一つひとつには、開発者やデザイナーの思いが込められている。ただ、そこに「自分だけのストーリー」を重ね合わせることで、大げさに言えば「腕時計をつける意味」を付加することができる。
自分なりのストーリーをもとにカスタマイズした腕時計をきっかけに、会話が始まることもあるだろう。時計のデザインにこだわり、選ぶという行為には、ビジネスやライフスタイルへのこだわりも表れるかもしれない。腕時計が、単なる「時間を確認する」という存在を超えて、自分自身をより表現するツールに高まったと感じた。
腕時計のカスタマイズをしたことで、「時間を確認する」ための時計が、自分自身をより表現するツールに高まった。
10万円の時計は、決して安くはない買い物。実物を見たいという方は、記事でも紹介したGINZA SIXのフラッグシップストアや、順次開店予定の取扱店舗、期間限定のポップアップストアで、実物に触れてみてはいかがだろうか。その瞬間から、腕時計と、あなたをつなぐストーリーが動き始めるはずだ。
シチズンの名作「AT8040」のカスタマイズサービス「FTS」について、詳しくはこちらから。
“ライフハッカー[日本版] ”より転載(2019年7月26日公開の記事)