2019年7月、問題山積みの「決定的瞬間」10カット。リストラ1万人に「英国版トランプ」誕生

パリで観測史上最高となる42℃を記録するなどヨーロッパを熱波が襲い、イスラム教徒の女性服ブルカを「郵便ポストみたい」と言い放つ失言王、ボリス・ジョンソンが英首相に就任。世界で三本指に入る自動車大手の日産が大リストラ計画を発表……。

日中貿易戦争に加えて、日本と韓国の緊張拡大が表面化し、世界の雲行きが怪しくなってきた2019年7月。地球上で撮影された「決定的瞬間」10カットをお届けする。

飛べない737MAX、駐機場が足りない……

ボーイング 737MAX

米シアトルのボーイング駐機場。

REUTERS/Lindsey Wasson

7月1日、米シアトルの駐機場に整然と並ぶボーイング737MAX。2回の墜落事故を起こした同機は、全世界で運航停止中。ブルームバーグなど海外メディアによると、1機当たりの駐機コストは月2000ドルで、2020年初までこの状態が続く可能性があるという。

Business Insiderの既報どおり、ボーイングが各地に有する駐機場は737MAXの在庫でふくれ上がり、従業員用駐車場にも駐機させる事態になっている。

「英国版トランプ大統領」女王の前ではかわいい孫のよう

エリザベス女王 ボリス・ジョンソン

英バッキンガム宮殿にて。エリザベス女王の前で頭を垂れるボリス・ジョンソン新首相。

Victoria Jones/Pool via REUTERS

7月24日、バッキンガム宮殿でエリザベス女王と会見し、正式にイギリス首相となったボリス・ジョンソン保守党党首。

就任後、警官の増員や光ファイバーブロードバンドの拡充、法人税減税など意欲的な(しかし相当無理のある)公約を次々に打ち出した豪腕の新首相だが、偉大なる女王の前ではしおらしい子どものようにも見える。

氷河は守れても地球は守れない

スイス 氷河

REUTERS/Arnd Wiegmann

7月5日、スイス中部アンデルマットにあるゲムスシュトック(標高2961メートル)の山頂付近。グルシェン氷河を覆うターポリン(防水シート)。夏季に氷河が融け出すのを防ぐための試み。USAトゥデーによると、他の氷河では2010年から同様のシートで覆ったところ、融解量を5割から7割抑えられたという。

氷河目当ての見物客やスキー客、つまりは観光収入維持のための措置で、氷河の融解を一時的に抑えても地球温暖化の対策としてはまったく役に立たないと専門家は指摘する。

ロシア「反プーチン」大規模デモの恐るべき代償

ロシア デモ プーチン大統領

REUTERS/Shamil Zhumatov

7月27日、ロシアの首都モスクワで公正な市議会選挙を求めて大規模なデモが発生。1000人以上が警察に拘束された。市の選挙管理委員会が、プーチン大統領を批判する野党の有力候補の立候補届けを複数にわたって拒否したことがきっかけだった。

ちなみに英BBCは、デモを呼びかけた野党の指導者が「第三者から化学物質を浴びせられた可能性がある」を報じている。写真に見られるような警察の手荒さから類推すると、「可能性」では済まない気もしてくる。

営業利益は前年比99%減、リストラ1万人超を計画中

日産自動車 西川広人 社長

REUTERS/Issei Kato

7月25日、2019年度第1四半期決算を発表した日産自動車。営業利益は前年同期比で約99%減の16億円という厳しい内容だった。西川広人社長は「2022年度末までに合計1万2500人以上」のリストラ計画も同時に発表。プレゼン資料と西川社長の身振り手振りがシンクロする「右肩下がり」カットが、ロイターを通じて全世界に報道された。

神々しいほどに美しい、水を味方につけた女性たち

世界水泳 プラスチック 光州

REUTERS/Stefan Wermuth

韓国・光州で開催された世界水泳。7月16日に行われた女子デュエット・フリー予選で撮影された、奇跡的に美しいワンシーン。イギリスのケイト・ショートマン/イザベラ・ソープ組。

実は、ふたりは世界水泳に先立つ2019年3月、イギリスで開催された若者たちのための科学イベント「ビッグバン・フェア」に登場。海洋汚染問題に目を向けてもらおうと、プラスチックごみだらけのプールで世界水泳と同演目を披露している。

あまりにも美しい本番のパフォーマンスに、ごみだらけのプールの記憶を思い起こした人も多かっただろう。

深センで巨大スタジアムの屋根が崩落、3人死亡

深セン スタジアム

REUTERS/Stringer

7月8日、中国広東省・深センで大規模スポーツ施設「深センスタジアム」の屋根が崩落。地元メディアによると、用途変更のための解体工事を行っていた作業員3人が死亡、3人が負傷した。

「西洋的価値観による中国文化への干渉」との見方も(笑)

湖南省 スパイダーマン

Yang Huafeng/CNS via REUTERS

7月4日、中国湖南省・郴州にある九龍江国立森林公園で行われたイベント中のワンシーン。小川を走り抜けるスパイダーマンたち。

決定的瞬間を報じたロイターのTwitterには、「スパイダー(クモ)は水が苦手だってこと、彼らは知ってるのか?」「西洋的な価値観を吹き込み、中国文化に干渉しようとする深刻な犯罪であり、破壊行為だ」といった謎のコメントと、8000件を超える「いいね!」が寄せられた。

記者にも働き方改革を

欧州委員会 記者 ブリュッセル

REUTERS/Yves Herman

7月1日、ベルギー・ブリュッセルにある欧州連合(EU)の主要機関、欧州委員会の本部ビル(ベルレモン)にて。ジャン=クロード・ユンケル委員長の後任を選ぶ特別欧州理事会(EU首脳会議)が開かれた。写真は理事会の決定を待ちくたびれ、床で寝る記者。

このEU首脳会議、6月20日から始まったにもかかわらず、後継人事で各国首脳が対立。結局この記者が飛び起きた瞬間であろう、7月2日にドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン国防相が候補に指名された。同16日には初の女性欧州委員長として、このライエン氏が欧州議会の承認を得ている。

1946年7月1日、ビキニ諸島のすさまじい光景

ビキニ環礁 核実験

U.S. National Archives/Handout via REUTERS

2019年ではなく、1946年の7月1日。いつまでも忘れてはならない、ビキニ環礁(当時はアメリカの信託統治領、現在はマーシャル諸島共和国)の光景。広島、長崎での核爆弾投下に続き、第二次世界大戦後初めての核実験が行われた。島の住民たちは他の環礁に移住させられた。

なお、2019年は同じビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験でマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくしてから65年。アメリカは2月に核爆発を伴わない臨界前核実験を実施している。世界はいまだに核の呪縛から逃れられていない。

(文:川村力)

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