山本太郎語るれいわの今後「ポピュリスト上等」「100人の“当事者”でシンクタンクのような党に」

「放送禁止物体」から一転、連日メディアに取り上げられ、「ポピュリスト」と呼ばれているのが、れいわ新選組の山本太郎代表だ。山本氏は参院選・比例区の候補者として最多の99万票を獲得するも、重度障害者の2人を優先的に当選させる「特定枠」に指定し、自らは落選した。ネットにあふれるバッシング、4億円の寄付の使い途、野党共闘、衆院選に向けて話を聞いた。

事前の調査でも200万票予測

山本太郎

旗揚げから3カ月余りで2人の議員を国会に送った「れいわ新選組」。山本太郎代表に今の思いを聞いた。

撮影:今村拓馬

BI:選挙が終わって、少し休めましたか(取材は7月31日)。

山本:全く休めてません。逆に言ったら現役議員のときよりも忙しいですね。落選して4日以内に議員会館事務所を、1週間以内に宿舎を撤収しないといけないので引っ越し作業に追われてました。引っ越しの日は決まっているのにどこに運ぶかは決まっていないという酷い状況で、今も住まいは決まっていません(笑)。それに加えて、選挙事務所からの撤収も迫っています。

あとは、ちょっとした根回し的なことですね。これが時間が掛かる。当選した2人が議員活動できるよう合理的配慮をしてくださいという、ペーパーづくりとか連絡とか。事務所がないので、昔の同僚の森裕子さんとかにお願いして参院議員会館の会議室を借りてもらって、そういうことをやっていました。世の中で何が起こっているかもほとんど追えないままです。

あとは党の体制作りや選挙後の処理関係など……夏の終わりまで掛かりそうです。

BI:かつての同僚というと、森裕子参院議員や小沢一郎衆院議員は今回の選挙結果についてどんな反応でしたか。

山本:まだちゃんと話せてないですね。

れいわ新選組

議場に入る、れいわ新選組の木村英子(左)、舩後(ふなご)靖彦(左)議員。

Reuters/Kim Kyung Hoon

BI:山本さん自身は、今回の選挙結果をどう受け止めていますか。

山本:山本太郎としては負けました、けれどもれいわ新選組としては躍進させていただいたというのが一番わかりやすい受け止めだと思うんですね。衆議院を狙ってわざと落ちたんだみたいな話もありますけど、全く違います。私は受かるつもりでいたので。だってややこしいじゃないですか、落ちた方が。引っ越しとかやらないといけないことも増えるし(笑)。

落選したのは投票率の低さも関係したかもしれないですね。(※投票率は48.80%で、衆院選を含め全国規模の国政選挙としては戦後2番目の低さだった)

民間企業に依頼して、2月と6月に「もしも山本が新党を立ち上げて山本が比例に回ったら投票するか」という調査をしてたんです。結果は山本太郎という名前で恐らく200万票はいくんじゃないかと。200万票は今の時点で確実なんだから、まずは特定枠を重度障害者の2人に譲って、そこからは運動量でさらに2人3人と新たに送れるかどうかという考えだった。ふたを開けてみたら2人だけでしたね。結局は調査結果と同じでした。(※れいわ新選組は228万票を獲得した)

BI:その調査結果で特定枠に自分以外の2人を据えるというのは、なかなかできない決断だと思うのですが。

山本:いやーでも、なんだろうな。恐らく手持ちのお金はこれだけあるから、これはあなたにあげて、新たに稼ぎますからという感じですね。そんな大したことはしてないですよ。

意外?東京では世田谷・目黒の投票率が高い

れいわ新選組

選挙活動期間中、れいわ新選組の街頭演説にはいつも寄付をする人の列ができていた。数百円を寄付していく若いスーツ姿の男性も。

撮影:竹下郁子

BI:4億円を超える寄付も大きな話題になりました。約3万3000人からとのことでしたが、全て個人献金ですか。

山本:そうですね。企業からの寄付を断るつもりはないです。いただけるものはいただくんですけど(笑)。政党への寄付の上限は2000万円までなんですけど、選挙時のれいわ新選組のような政治団体は150万円まで。上限いっぱいまで入れてくださった方もいらっしゃいます。150万、50万、30万、10万という方も。でも圧倒的に数が多いのは小口ですね。4億円分のお金をいただいたというか、4億円分の悲鳴だと思っています。なんとかしてくれっていう。

BI:投票された方、支持者の方はどういう方が多かったと分析していますか。

山本:いま首が締まっている、生活に苦しんでいる方たちがいらっしゃる一方で、生活はそれなりに安定しているけれども、政治がこのままじゃまずいから風穴を開けてくれそうなグループに託してみたい、という人たちもいらっしゃると思います。

東京都内の投票の分布では、世田谷とか目黒とかどちらかというとアッパー層ですよね、そういった区の投票率が高かったと聞いています。実はこれは2013年に私が東京選挙区から出たときの分布、得票が高かったところと大きく違いはなさそうなんですよね。

狙うのは無党派、消費税5%減税できる野党と共闘したい

山本太郎

撮影:今村拓馬

BI:無党派層でれいわ新選組に投票した人も多かったです。今後の狙いはこうした無党派層や与党支持者の取り込みですか。

山本:そうですね。より無党派層が増えたと思いますから、今回。半分は空いてるんだったら、そこ狙いにいくだろうと。よく野党側から削ったと言われるんですけど、そもそもその削ったと言われる人たちが今回投票に行ったかどうか、分からないですよね。

BI:野党共闘がギスギスしているようにも見えてしまいますが、今後はどうしていくつもりですか。

山本:れいわ新選組が目指しているのは政権交代です。私たち単独ですぐに政権を取るのは容易ではないので、まず政権交代を目指すためにも野党と手をつなぐ、協力していく必要があると考えています。

BI:次の衆院選の争点は「消費税」、野党共闘の条件は「5%減税」と直近のインタビューでおっしゃってました。それは変わりないですか。それで野党共闘できそうですか。

山本:そうですね。例えば立憲主義に基づいた政治をって、申し訳ないんですけど興味のある人にしか響かないんですよ。そのスローガンとか合言葉みたいな話は、おっしゃる通りなんですけどね。やっぱり目の前の生活が一番重要なので。みんなが自分ごととして捉えられるテーマというのは、毎日払っている消費税が入り口としては広いだろうと思いますね。5%減税に納得できないんだったら、できるところとやるしかないなという話です。

「消費税増税」と「凍結」、「減税」と「廃止」がそれぞれ同じグループ。「凍結」と「減税」ではベクトルが全く違う。「減税が必要ない」という判断は、あまりにも現実を見てなさすぎるんじゃないかということです。人々の生活の地盤沈下、20年以上続いたデフレへの処方箋として、あまりにも間違った選択じゃないかと思います。

広がる世代間格差への懸念は、資産状況を把握してからでも

れいわ新選組

党のHPには「ロスジェネを含む、 全ての人々の暮らしを底上げします」の文字が踊る。

撮影:竹下郁子

BI:れいわ新選組は将来的に消費税の廃止を政策に掲げています。若者からすると、たとえ所得税の累進性が強化されても、リタイアして所得税を引かれることもなくお金を貯めている高齢者が得をするのではないか、世代間格差が広がるのではないかという思いもあります。

山本:それは消費税を増税したい人たちのロジックの1つですね。現役世代以外からも取れる税の1つが消費税なんだぞと。所得税は現役世代からしか取れないじゃないですかと。

自分が死ぬまでは安泰で孫にもいっぱい残してあげるね、みたいな高齢者の方々から税を取る方法は、財政状況を細かく把握できる状況を担保してから検討すればいいと思うんですよね、私は。

それぞれがどういう資産状況にあるのか国が本気になれば調べられる。マイナンバーもあるわけですし。

消費税廃止に関して、財源はどうするんだと言ってくる人がいますが、それは消費税の導入前に戻ればいいんじゃないかと。お金が無いところから取らず、あるところから取る。所得税の累進性を強化したり、分離課税をやめる。法人税は累進制を導入したり。儲かってるときには税率も高くなるけど、儲かってないときには低くなるんだよってことです。税制に景気安定装置を埋め込むって話です。このような税制改革で29兆円の財源が担保されるという試算もあります。

これによって一番救われるのは誰か? 中小企業です。中小零細が息を吹き返す。消費税廃止と税制改革が日本経済復活の道です。

消費税を廃止する際の財源として、私は新規国債の発行も提案したいと考えます。

異端の経済理論「MMT」の実験は半分できている?

れいわ新選組

8月1日には選挙後初の街頭記者会見を開いた。集まった市民からのぶっつけ本番のガチ質問に山本代表が答えるのが、定番スタイルだ。

撮影:竹下郁子

BI:話題の「MMT(現代貨幣理論)」ですか。

山本:日本はMMTの実験がすでにできていると言う人もいますけど、それは半分合ってて半分合ってないと思います。大量の国債発行でも金利は高騰しないことが実証されているのが日本です。政府は借金が増え過ぎれば国が破綻する可能性もあると言いますけど、本当にやばい状況だったら金利が上がるはず。普通、お金を貸すときに返済が見込めなかったり収入の不安定な人からは金利を高く取りますよね、闇金とか街金とか。だけど日本はこの30年は金利は下がりっぱなしなんですよ。マイナスなんですね。どうやって破綻するんですかっていう話なんです。

どの国も借金をして投資しているし、だからどの国も成長してゆるやかなインフレになっている。けど日本はそうじゃない。20年瀕死の状態。デフレのときには政府が借金して人々に大胆な支出をして、景気を軌道に乗せることが必要だということなんですね。これ政府の借金と言われるけど、政府が借金することで民間の貯蓄は増えるんですよ。例えば政府が20兆円借金して、その20兆円を社会保障に投資する。誰かの借金は誰かの資産、という常識の話。それを財務省は意図的なミスリードで、1人1人の借金だとすり込んでる。そこらへんのからくりを全員でシェアしたときに、前に進んでいくんだろうと。

山本太郎

撮影:今村拓馬

ただ、いくらでも金を刷っていいというわけじゃないんです。リミットはあります。インフレをちゃんと制御しなきゃいけないというルールつきですね。景気のいいときには税を分配しながら、景気が悪いときには国がお金を刷って、極力、好況・不況の波を大きくしないようにする。こうしたコントロールができるのは国だけなんですよ。

それをしてこなかった、というか失敗続きだったから今みんなが苦しい状況にある。こんな状況にした政治家は誰も腹切ってないですからね。

BI:消費税廃止以外にも奨学金をチャラにする「奨学金徳政令」や安い家賃で住める公的住宅の拡充など、若者に刺さる経済政策も多かったと思います。立命館大学経済学部の松尾匡教授とはこれまでも勉強会などを重ねてこられたようですが、今回もブレーンとしてアドバイスなどあったんですか。

山本:政策をつくる上で直接相談したわけじゃないですけど、ずっと何年か話し合ってきた中で出たものをいくつか入れてるってことです。

BI:政策以外でも、選挙のやり方などでアドバイスをもらった政治家はいるんですか。

山本:いろいろ教えてくださる方はいらっしゃいますよ。「まずは東京から自分が出て勝つことを担保しろ」とか。でも私の今回の戦い方は永田町のやり方とは違うので。アドバイスが当てはまらなかったかなと。

れいわ議員当選で広く知れ渡った、障害者雇用の落とし穴

れいわ新選組

木村、舩後両氏の初登院日、見送りに駆け付けた市民と取材のマスコミで国会前は人だかりが。

撮影:竹下郁子

今回特に注目されたのが、「特定枠」の使い方だ。政治学者の水島治郎さんは、「もともと特定枠は自民党が合区対策で比例区に回る候補者を救済するため、党利党略でつくった制度です。それを逆手にとったのは見事としか言いようがない」(朝日新聞8月2日)と述べている。

その特定枠でれいわ新選組から初当選したのが、木村英子氏、舩後(ふなご)靖彦氏だ。2人は重度の身体障害者。本会議場の議席を改修したり、介助者が同行できるようにしたりと、参議院では急ピッチのバリアフリー化が進んだ。

一方で、解決していない問題もある。両氏は長時間ヘルパーを派遣してもらえる国の制度「重度訪問介護」を利用しているが、通勤や就労時にはその利用が認められていない。「重度訪問介護」は利用者の自己負担の上限は1割で、それ以外を公費で賄っている。厚労省は利用の対象外となっている就労時は、必要な措置を職場が判断して負担するよう運用で定めており、両氏についても当面は参議院などが負担することになった。

しかし、れいわ新選組はこの運用自体を見直し、職場ではなく公費で負担するよう求めている

れいわ新選組

国会前には車いすの人、ヘルプマークをつけた人も複数見かけた。2人の当選に勇気づけられたという声も(写真は2人の初登院日)。

撮影:竹下郁子

山本:24時間介助・介護が必要な人たちが、通学や通勤、就労では公的サービスを受けられない。これって障害者は社会に出るなということですよね。一応、仕事中に介護者やヘルパーをつけられる補助金も用意されていますが、4分の1の負担は事業者なんです。その負担ができない企業は雇用しないですよね。障害者の社会進出を阻むようなハードルをいくつも設けてるのがこの国ということです。

日本は「障害者権利条約」を批准しています。ザックリいうと、働く上で健常者が掛からないコストを障害者が負担するのはNGって趣旨の条文もある。日本はパラリンピックのホスト国でもあります。加えて今回、重度の障害者が2人も国会議員になった。大きく前進させるため、変わるためのきっかけを有権者のみなさんにいただいたと私は思ってます。

できれば彼らが登院するまでに制度の運用を変更するところまで、国会には踏み込んで欲しかった。結局スロープをつけたり国会のハード面は整えられたけれど、障害者目線での合理的配慮には達しなかったですね。コストを増やしたくない厚生労働省が参議院と押し付け合いをした結果ということですね。

これまでの制度の不備が、2人が入ることによってあぶり出されたということだと思います。

生活苦からバッシングしている人もいるのでは

れいわ新選組

同じく2人の初登院日。花束を持って駆け付けた人も。「行ってらっしゃい」「頑張って」、祈るような声援が響いた。

撮影:竹下郁子

BI:2人については「障害者に国会議員が務まるのか」「山本太郎に利用されているだけ」「バリアフリー化に必要な費用は党が負担すべき」「税金の無駄遣い」「(参議院が負担するなど)議員にだけ特例を認めるのはおかしい」という趣旨の批判や中傷が政治家やSNSなどでの一般人の投稿にも数多く見られます。

山本:昭和のおっさんメンタリティからアップデートできていない人たちが露わになったと思っています。もう時代は大きく動いてるし、世界を見てくださいと。というか世界から見られていることを意識していますか?と。

恐らくこれだけバッシングが起きるのは、1人1人の生活が厳しい状況に置かれているからだと思うんです。自分自身でさえも生きるのが精一杯だという人たち。厚労省の国民生活基礎調査では生活が苦しいという世帯は57.7%。シングルマザーでは8割を超える。子どもの約7人に1人、高齢者の5人に1人が貧困で、1人暮らしの女性20歳から64歳までは3人に1人が貧困。

ここまでの状況に陥っていなくとも、やっと今月乗り切ったって生活をされてる方々も多い中で、国会議員として沢山の給料もらってんだから、介助者が必要なら自費で出せばいいだろと、背景や経緯、それによる影響を全くわからずに結びつけてしまう人がいても不思議ではありません。

誰一人切り捨てられない社会へ

れいわ新選組

撮影:竹下郁子

山本:もちろん今回批判した政治家の中には、お金は持ってるけど、心が貧困という側面もあるでしょう。俺は自分の力でのし上がってきた、障害者であろうが、国に甘えず努力しろ的な。昭和を通り越して、石器時代みたいな弱肉強食論です。

どのようなハンデを追っていても、スタートラインをフラットにする努力が行われるのが、本当の先進国ではないかと。そのような整備が進まない国や社会によって、社会的弱者が生み出されている、と思うんです。

障害は誰しもが負う可能性があります。いま勝ち続けている人も1時間後は、明日は分からない。そのときにあなたはどういったサービスが受けられる状況がいいですか? と。その希望を政治で受け入れられる状況にしていくことが重要なんです。重度障害者が人間の尊厳を失わずに暮らせる社会は、誰一人切り捨てられない社会だ、ということです。

「ポピュリスト上等です」

山本太郎

撮影:今村拓馬

BI:選挙後の報道やSNSではれいわや山本さんを指して「ポピュリズム」「ポピュリスト」という言葉がよく使われます。既得権益層から大衆の利益を守るという意味でポジティブに使っている人、短期的な政策で大衆を煽っているとネガティブに使っている人などさまざまですが、どのように受け止めていますか。

山本: 先ほどあげた国民生活基礎調査からも分かるような、生活苦。 この状況を救いたい、この状況を救うために旗をあげてこれから変えて行くんだという気概を持ったものをポピュリズム・ポピュリストというんだったら、私はポピュリズムであり、ポピュリストというしかないですね。上等です。

この国の将来を考えたときに、(新規国債の発行などをしてしまうと)さらなる負の遺産がという話もありますけど、一体何の話してるんだってことです。今この状況を放置すること、借金がどうしたとかいう話でこの人たちを救わない選択をした方が、悲惨な社会を後世に引き継ぐことになる。それこそ間違いなく負の遺産になると私は思います。

「また借金するのか」みたいな声が聞こえてきますが、じゃあそれをしないで人々がさらに倒れていくような将来を、座して死を待つというような将来を人々に与えるのかということですよ。

BI:確かに、生活は「待った無し」という人も多い。

山本:2議席とって政党要件を満たしたからと言って、全身で喜びを表現できないです。はっきり言って、全然足りない。当然、政治は数なんですね。自分たちの政策を実現するためには、数にこだわる動きをしていかないといけない。でも数ではないところで動かせることもあるんだというのが、当選した2人を見て感じた部分ですね。

衆院選には100人の候補、10億円

れいわ新選組

選挙後初の街頭記者会見。人波は演説ステージ目の前にあるデパートの中にも溢れていた。

撮影:竹下郁子

BI:数といえば、次の衆院選では100人くらいの候補を立てるとおっしゃってますね。

山本:政権を目指すからには100人規模で擁立しないとダメだと思ってます。ただ、恐らく今のままじゃ選挙には臨めない。寄付でいただいた4億円のお金から、残ったのはたぶん9000万円くらい。候補を100人立てるとしたら最低でも10億円以上は必要なんですよ。供託金、入場料だけで普通に重複立候補も含めて考えたら6億円いるんですね。

候補を100人立てて衆議院の全国選挙をやると考えた場合に、党のスタッフも10人じゃ足りないくらいなんですけど、それでどのくらい持つだろうと。人件費だけで年間1億円はみなきゃいけない。政党助成金は入ってきますけど、その額では全然足りないんですね。

10億円以上集めようと思ったら、皆さんからの寄付という話になる。それが集まらなかった場合には、それなりの数でやらないといけない。その場合は臨機応変に、数ではないところで政治を変えることを追求していくしかないと思ってます。

当事者がいるだけで党はシンクタンクになる

れいわ新選組

演説エリアに入りきらない人のため、スタッフが少し離れた場所からパソコンでネット中継を見せていた(8月1日の街頭記者会見にて)。

撮影:竹下郁子

8月1日、れいわ新選組が東京都・新宿区で行った街頭記者会見には、選挙期間中をはるかに超える人波ができていた。中には自身も「立候補したい」という人も。入党資格をたずねる質問には「れいわ新選組は国会議員と国会議員の候補者で構成」すること、また地方議員については、「無所属の方に推薦を出すことはある」が、党として地方議員を選出するつもりはないことなどを山本代表が説明した。

BI:れいわ新選組をきっかけに初めて政治献金した人、初めて政治に興味を持ったという人の声を多く聞きました。その中には将来は政治家に……という人もいるかもしれない。100人擁立するとしたら、どういう人に候補になって欲しいですか。

山本:一般公募もしようと思っています。重要なのは何かしらの当事者であること。

衆議院は参議院とは戦い方が全然違うんです。今回、参議院は1人区が32ありましたよね。1議席を争う戦いなので、野党は共闘した。衆議院は1人区が289カ所できるんです、小選挙区ですね。もともと地元で熱心に活動をしていて支持が集められる人、もしくは知名度がある人じゃないとなかなかこの1人区は勝てない。

その中でどんな戦い方をしていくか、よく考えなきゃならないでしょうね。でもやっぱりこだわりたいのは、当事者であること。

当事者や当事者と関わってきた人は、その分野のスペシャリスト。そういう人たちがいっぱいいる党って、それだけでもうシンクタンクになりますよね。あとは捨て身の人ですね(笑)。当事者であり、捨て身の人。

BI:捨て身というのは戦う覚悟ということですか。

山本:そうですね。保身に走らない人。

イチバン話題になる選挙区から立候補を

山本太郎

撮影:今村拓馬

BI:衆院選、山本さん自身はどの選挙区からという展望はありますか。

山本:難しいですねぇ。まぁ一番話題になるところから立たないと意味ないだろうなと思ってます。とにかく自分というカードを最大化できる方法を選びます。この先、政治の状況も変わっていくかもしれないので、そこで判断します。ただ次に落ちたらシャレにならないので(笑)。BI:小泉進次郎議員の神奈川11区から出たら面白いという見方もあるようですが。

山本:たぶん面白くなるでしょうね。ただそこで重複で立候補してなかったら、落ちちゃう可能性もあるでしょうね。親の代からやってきた強固な地盤ですから。そこは甘く見れないですよ。

BI:SNSでは、衆院選に向けて寄付のお金を貯めておこうという呼びかけもあります。今回の4億円の寄付の裏側を疑うような投稿に呼応して、「#れいわ新選組のバックは私」「#私も黒幕の1人です」などのハッシュタグで寄付したことを打ち明ける人も。

山本:ありがたいですね。すごいな、それ。今回の寄付だけでも大変だったはずなのに……。もしも官邸が野党側を潰したいんだったら、選挙期間を早めるはずですね。お金も立候補者も整えるのは時間がかかりますから。いつやるかは、向こうにしか決められないので、いつでもやれる準備を進めます。

9月くらいから冬の前くらいまで、全国を回って緩やかにみんなとつながるアクションを、しつこくねっとりやったろうかなと思ってます。多分それが一番いやだと思うんですよ、向こう側は。

(聞き手・構成、竹下郁子)

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