気候が変動するにつれ、異常なまでの暑さ、寒さ、雨、干ばつがより強烈になっている。
Gus Trompiz and Joan Faus/Reuters, Dylan Buell/Getty Images
- 異常気象と自然現象は常に注目されているが、近年荒天と自然災害は激しさと頻度を増している。
- 科学者はこの増加を気候変動と関連付けている。
- こうした新たな環境下で、異常気象は以前にも増して被害を引き起こしている。
- 異常気象と自然災害が激しくなっている様子を見てみよう。
豪雨や干ばつといった極端な気象は気候変動と関連している。これには気温、降水量、そして自然災害が含まれる。
Jason Weingart/Barcroft Images/Barcroft Media via Getty Images
だが、山岳地帯や沿岸地帯は、長期にわたる厳しい気候の増加による影響を特に受けやすいことが分かってきている。1980年、天候と気候に関連した災害は291件だったが、2014年には904件だった。
洪水が以前よりも起こりやすくなっている。
Jonathon Nachman/Reuters
とはいえ、専門家も気候変動が荒天や災害の根本的な原因と考えているわけではない。
Jason Weingart/Barcroft Images/Barcroft Media via Getty Images
気候変動はこうした自然災害の頻度の増加と激しさに関連付けることができる。
Jason Weingart/Barcroft Images/Barcroft Media via Getty Images
その一例が海面の上昇。気候変動は氷河の溶解と関連がある。氷河が溶けた結果、海面は上昇する。海面上昇自体は自然災害ではないが、洪水などの自然災害につながる可能性がある。
南極のアンドボード湾(Andvord Bay)に浮かぶ氷山。
Alexandre Meneghini/Reuters
グリーンランド氷床は、グリーンランドの80%を覆っている。2019年7月には、気温の上昇によって、その約1600億トンが溶けたとロイターは報じている。
グリーンランド氷床は、雪が数千年かけて圧縮された氷から成る。
Tom Miles/Reuters
出典:Reuters
溶けた氷は海になり、海面を上昇させる。海面上昇は沿岸部の洪水を引き起こす。写真はグリーンランドの住居地区。
グリーンランドの海面上昇。2019年。
Tom Miles/Reuters
出典:Reuters
専門家は、気候は今後数年間変動し続け、海面が今世紀終わりまでに25~80cm上昇し、ハリケーンなどの荒天はさらに猛烈になると予測している。
2018年、海面上昇の脅威により、カリフォルニア州はニューポート・ビーチ(Newport Beach)の防波堤を9インチ(約23cm)高くした。
Mario Tama/Getty Images
ハリケーンや台風のような猛烈な荒天が、文明にさらなる被害を及ぼすだろう。
台風による被害。2013年、フィリピン。
Megan Rowling/Reuters
最近では2018年に超大型台風が中国に甚大な被害をもたらした。ナショナルジオグラフィックによると、この台風は最大風速が時速165マイル(約270km/h)で、香港ではここ60年で最強の台風だった可能性もある。
台風による被害。中国。
Tyrone Siu/Reuters
中国の新聞、環球時報によると、この地域で竜巻は滅多に見られない。そのため、政府の気象予報士はこの出来事を、他の異常気象と同様、気候変動と関連付けた。
竜巻による被害は中国では珍しい。
David Stanway/Reuters
出典:Reuters
ナショナルジオグラフィックによると、世界の平均降水量も上がっており、これも気候変動と関連している。
雪を伴った突風。ニューヨーク。
Gary Hershor/Getty Images
ゲリラ豪雨はここ10年で使われるようになった言葉だ。海からの湿った空気が、高く密集した建物に囲まれた暖かい空気とぶつかって雲が発生し、短時間で激しい雨が降る。これは東京で増えているとガーディアンは報じてる。湿った海風が、東京の高層ビルに囲まれた暖かい空気と接触して嵐が生じる。
日本の雨。
Jae C. Hong/AP Photo
出典:The Guardian
専門家によると洪水と干ばつの発生頻度も上がっていて、より強烈で、より被害が大きくなる傾向にある、とナショナルジオグラフィックは伝えている。
中国の洪水。
Beijing Monitoring Desk/Reuters
海水温の上昇は風速の上昇を引き起こす、とYale Climate Connectionsは伝えている。
中国の台風。
China Stringer Network/Reuters
ロイターによると、ノースカロライナ州の洪水は、2018年に起こった気候関連の災害のワースト10に入る。
ノースカロライナ州の洪水。2018年。
Sonia Elks/Reuters
出典:Reuters
2019年半ば、中国の湖南省では大雨の後に大洪水が起きた。
中国の洪水。2019年。
Yang Huafeng/China News Service/VCG via Getty Images
出典:China Daily
バングラディッシュも同時期に大洪水を経験し、甚大な被害に見舞われた。
バングラディッシュの洪水。2019年。
Zakir Hossain Chowdhury/Barcroft Media via Getty Images
出典:weather.com
アメリカ森林局のグローバル・チェンジ・プログラムが出資した調査によると、アメリカでは2039年までに、最大11の州で年間焼失面積が500%増加する可能性がある。
スペインの山火事。2019年6月。
Juan Medina/Reuters
出典:The US Forest Service Global Change Program、Business Insider
山火事は、アメリカ西部の生態系から切り離すことはできないが、火災シーズンは過去数十年で3カ月増加している。
ハワイ・マウイ島の山火事を上から撮影したところ。2019年。
Jolyn Rosa/Reuters
出典:NPR
気候変動が山火事を引き起こすわけではないが、そのリスクを高め、起きた被害が拡大する一因となることは確か。
ロシア・サハ共和国の山火事の煙。
Tom Balmforth/Reuters
アメリカでは、山火事で毎年400~500万エーカー(約1.6~2平方キロメートル)の土地が破壊されているとナショナルジオグラフィックは伝えている。
山火事の直後。2003年、ペルー。
Rafael Marchante/Reuters
熱波は見た目では分からないかもしれないが、致命的になり得る。2019年7月半ば、西ヨーロッパでは4日にわたる熱波で、7人が命を落とした。
熱波に覆われたヨーロッパのビーチ。2019年7月。
Gus Trompiz and Joan Faus/Reuters
出典:Reuters
世界気象機関(WMO)によると、温室効果ガス排出は異常な気温の一因となっている可能性が高い。
水浴びで暑さをしのぐ男性。2019年7月。
Gus Trompiz and Joan Faus/Reuters
出典:Reuters
2019年初め、その渦が南下しアメリカ中西部へ。その結果、気温はマイナス30℃まで下がり、体感ではマイナス45℃近い寒さになった。
シカゴ。2019年1月。
Adam Gray/Barcroft Media via Getty Images
出典:Weather
極渦が北極の南まで来ていることは、気候変動に関連している可能性がある。
氷雨を伴う暴風を経験したシカゴ。2019年2月。
Adam Gray/Barcroft Media via Getty Images
温室効果ガスによって大気中に閉じ込められた暖気が極渦に流れ込むと、渦が乱れ、風が弱まってうねることがある。
氷雨を伴う暴風を経験したシカゴ。2019年2月。
Scott Olson/Getty Images
懐疑的な人は異常な寒さに襲われると気候変動とは関係ないとは思うかもしれないが、専門家によるとこの誤解は天候と気候の混同から来ているとBusiness Insiderは伝えている。気候とは長期間の天候の平均である。
ウィスコンシン州ケノーシャのミシガン湖。2019年1月30日。
Dylan Buell/Getty Images
[原文:36 photos show how extreme weather and natural disasters have gotten more intense over the years]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)