マネックスが始めた仮想通貨等の格付けデータベース「LOOKBLOCK」とは何か

福島健太さん、安廣哲秀さん

データベース「LOOKBLOCK」の開発・運営を担う福島健太さん(左)、安廣哲秀さん(右)。

撮影:小島寛明

ネット証券大手マネックスグループのマネックスクリプトバンクは2019年8月6日、仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーンに特化した情報データベースサービス「LOOKBLOCK」の提供を始めると発表した。

仮想通貨やブロックチェーン、トークンに関連する企業やメディアについての情報を収集し、法人向けに提供する。

サービスの開発・運営を担うのは、仮想通貨のシンクタンクを目指すとしてエストニアで活動していた、Baroque Street(バロック・ストリート)のメンバーだ。

マネックスクリプトバンクが、4月にバロック・ストリートを吸収合併していた。

新サービスの報道関係者向け説明会で、マネックスグループの松本大社長は「ブロックチェーンに関わる企業がどういうプロジェクトをやっているのか。いっぱいトークンやコインがある中で、実際にどういう違いがあるのか。情報やデータベースが世界的に足りないと考えて、そういったものをしっかり提供していくことがエコシステムの発展にもつながる」と話した。

スタートアップをマネックスが買収

マネックスグループの松本大社長

「LOOK BLOCK」の狙いを説明するマネックスグループの松本大社長。

撮影:小島寛明

バロック・ストリートは、同じメガバンクの同期だった福島健太さん、安廣哲秀さんらが2017年10月に立ち上げた。

2017年から2018年にかけて、世界中で仮想通貨で資金を集めるICO(Initial Coin Offering)が実施され、さまざまなトークン(電子的な引換券に相当)が登場した。

詐欺まがいのICOが多発していたため、同社のメンバーは、多くのブロックチェーン関連企業の集まるエストニアに移り住み、ICOの格付けサービスについて研究・開発を進めていた。

一方、マネックスクリプトバンクはグループの中で、仮想通貨やブロックチェーンに関する調査、研究を担う会社という位置づけだ。

4月の合併以降、バロック・ストリートのメンバーは、マネックスグループの社員として、法人向けのデータベースの開発を続けることになった。

仮想通貨・トークンの格付けも収録

「LOOKBLOCK」の画面イメージ

「LOOKBLOCK」の画面イメージ。同じマネックスグループのコインチェックが紹介されている。

提供:マネックスクリプトバンク

今回発表したサービスは、国内の300社余りある仮想通貨・ブロックチェーン関連企業のデータベースだ。

企業の時価総額や資金調達額などの情報や、仮想通貨やトークンの格付けも収録している。

トークン・仮想通貨については、プロジェクトがこれまで、どんな経過をたどってきたかなどの情報も掲載する。

林立する仮想通貨関連メディアについても、どんな情報を発信しているかなどの情報を整理している。

10月末までを試用期間として、法人ユーザーに無料でサービスを提供する。ユーザーからのヒアリングを基に利用料を決めるという。

福島さんは「業界全体がダークなイメージで見られているというのがいまも続いている。マネックスのような大企業がこういったプロダクトを出していくことで、いい空気感を盛り上げていければ」と話す。

(文・小島寛明)

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