AP Photo/Ben Margot
アマゾンはアメリカのeコマース市場を独占している。そして、同社はここ数年、積極的に海外事業を拡大してきた。
トルコ、オーストラリア、メキシコ、ブラジル、インド…… アマゾンが過去2、3年以内に進出したこれら5つの市場は、同社にとって極めて重要な市場だと、RBCキャピタルマーケッツは考えている。
RBCの分析によると、この5カ国における売り上げは2023年までに250億ドル(約2兆7000億円)を超え、2021年までに海外における成長が北米における成長を上回る見込みだ。これは2009年以来、初めてのことだ。
マーク・マヘイニー(Mark Mahaney)氏の率いるアナリスト・チームは、「これら5つの国は、アマゾンに非常に大きな、拡大の余地がある市場機会を提供している」と、顧客向けのメモの中で述べた。「我々は、こうした市場のポテンシャルを投資家たちが正しく評価していないのではないかと考えている」
RBCによると、アマゾンは2018年、海外で650億ドル以上を売り上げた。北米では1240億ドルだった。マヘイニー氏は、アマゾンの海外における成長率が北米における成長率を下回ってきたことは「やや驚き」だが、メモで名前の挙がった5つの市場がそれを変える助けになるだろうと述べている。
結果、RBCはアマゾンの2021年の収益見通しを約50億ドルから4060億ドルに引き上げた。
アマゾンの海外事業の拡大にとって極めて重要な5つの市場をそれぞれ見ていこう。
トルコ
Murad Sezer/Reuters
アマゾンがトルコのeコマース市場に参入したのは2018年9月、マーケットプレイスをスタートさせた。
RBCによると、トラフィックではアマゾンはトルコで2番目に人気のeコマースサイトだ。
RBCは、アマゾンが2018年、トルコで3500万ドルを売り上げたと見ていて、この数字は2023年までに3億4500万ドルに急増すると予想している。
ブラジル
Dominic Ebenbichler/Reuters
アマゾンがブラジルに参入したのは2012年、オンラインでキンドル(Kindle)と電子書籍を売り始めた。
今では15のカテゴリー、12万の商品を提供していて、RBCによると、アマゾンはブラジルで3番目に人気のオンライン小売業者になった。
オーストラリア
Reuters
RBCは、オーストラリアにおけるアマゾンの2018年の売り上げが3億ドルに達したと見ていて、その数字は2023年までに24億ドルに伸びると予想している。
RBCによると、アマゾンは現在、オーストラリアで2番目に人気のeコマースサイトだ。アマゾンは2009年、キンドル製品を通じてオーストラリアに参入し、2017年12月にマーケットプレイスをスタートさせた。
メキシコ
Flickr/LWY
アマゾンがメキシコに参入したのは2013年、ブラジル同様、電子書籍とキンドルの販売を始めた。
RBCによると、オンライン売り上げではアマゾンはメキシコで1位だ。その2018年の売り上げは、5億ドルだったとRBCは見ている。この数字は2023年までに29億ドルに伸びると予想されている。年間成長率は43%だ。
インド
Pradeep Gaur/Mint via Getty Images
アマゾンがインドに参入したのは2013年、アマゾンでの販売とアマゾン・プログラムによる通販代行を始めた。
RBCによると、インドだけで180億ドルの売り上げ機会をアマゾンに提供している。その売り上げは2023年までに、アマゾンの海外での売り上げの13%、アマゾン全体の売り上げの4%を占めるようになるだろうとRBCは見ている。
RBCはユーロモニターのデータを引用した上で、アマゾンが2018年のインドのeコマース市場の約3分の1を占めていたという。アマゾンを上回ったのはウォルマートのみで、その市場シェアは44%だった。
マヘイニー氏は、「アマゾンが進めているインドへの投資によって、同社はインドのオンライン小売りの35%(2018年は30%)を占めるようになると、我々は見ている」と述べた。
[原文:These 5 key markets could help Amazon's international retail business explode (AMZN)]
(翻訳、編集:山口佳美)