専門家がアドバイス! 女性を精神的に追い詰め、経営幹部から遠ざける「見えないタスク」から自由になる方法

頭を抱える女性

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  • ジョージ・メイソン大学の経営大学院で経営学を教えるオリビア・オニール(Olivia O'Neill)教授は、長年にわたって、なぜ女性が組織のトップに付けないのか、その理由を研究してきた。
  • オニール教授の研究は、女性は男性に比べて与えられるタスクが多く、ストレスや早期のバーンアウト(燃え尽き症候群)に直面しているとの考えを支持している。
  • オニール教授は、女性の負担となっている「目に見えないタスク」の原因について、Business Insiderのインタビューで語った。

オリビア・オニール教授のオフィスには常に、人生相談をしたい人が集まってくる。

アメリカのバージニア州にあるジョージ・メイソン大学の経営大学院で経営学を教えるオニール教授は、求められれば力を貸すのは構わないと、Business Insiderに語った。だが、"共感してくれる耳"を求める同僚が増えれば、その分、オニール教授の負担も増える。

「同僚の問題に耳を傾けたり、メールに返信しない時間が本当に必要になることもあります」とオニール教授は言う。そして、この気付きが教授にもう1つの気付きを与えた。男性の同僚に精神的なサポートを求める人はいない、ということだ。

オニール教授は、これがまさに「目に見えないタスク」の一例だと言う。男性にはまず課されることのない、女性が担うことを期待されるタスクだ。打ち合わせの議事録作りからキッチンのコーヒーポットの片付けまで、こうした小さなタスクの積み重ねが、経験を積んだ女性が同僚の男性よりバーンアウトを経験しやすい原因となっている。

「目に見えないタスク」が負担増に

2019年に入って、世界保健機関(WHO)は仕事によるバーンアウトを医学的な疾病として認め、雇用主による従業員の仕事量の管理のあり方に警鐘を鳴らした。男性に比べて、女性の方が仕事でバーンアウトに陥りやすいと研究が示していることからも、これは女性従業員にとって特に重要だ。

オニール教授は、カリフォルニア大学バークレー校出身のMBAを取得した女性が同じくMBAを取得した男性に比べて、キャリアを途中で断念する確率が高い原因は、バーンアウトだと見ている。

クラスの中でも最も積極的な男女が自信を必要とする負担の大きい、リスクの高い、見返りの大きな仕事に就き、高額の給与を得ていた。大学院を出た4年後、こうした業界へ就職した女性は得てしてうまくいっていた。

だが、その4年後となると、状況は変わっていた。キャリアを途中で断念し、バーンアウトの症状を見せる割合が高くなっていたと、オニール教授は言う。

「女性が経営幹部になるには、ものすごいプレッシャーがあります」と教授は語った。「彼女たちを取り巻く社会的な要素を考えずにその背中を押すことは、間違いなくバーンアウトにつながる」という。

プレッシャーを小さくする最良の方法は、職場のストレスについて話すこと

女性たちは日々の生活の中で、すでに数多くの目に見えないタスクを経験している。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同議長を務めるメリンダ・ゲイツ(Melinda Gates)氏は4月、Business Insiderのインタビューで、女性は合計して7年分相当の無給労働を主に家庭でしていると語った。

「わたしたちの経済は、こうした無給労働の上に成り立ってきたと認めることが、本当に重要なことです」とゲイツ氏は言い、「こうした無給労働は、時に目に見えないこともあります。アメリカでは、女性が家庭で担っている約90分の労働について、ほとんど考えられていません」と語った。

こうしたタスクが職場に影響を及ぼし始めると、女性は負担が大き過ぎると感じ始め、これがバーンアウトの兆候だと、オニール教授は指摘する。

上司はシンプルに従業員の話に耳を傾けることで、こうした症状を和らげる手伝いができる。ギャラップ(Gallup)の調査によると、仕事上の悩みを聞いてくれる上司を持つ従業員がバーンアウトする確率は、そうでない従業員に比べて62%少ないという。

だからこそ、従業員がバーンアウトを感じ始めた時が、上司との会話をスタートさせる良いタイミングになる。話を聞くだけでなく、上司はその従業員が意味のある仕事をしていることをきちんと伝える時間を持つべきだ。ギャラップによると、自身の強みが生かせるタスクを与えられている従業員は、バーンアウトを頻繁に経験する可能性が57%低いという。

自分の行動を見直そう

手に余るほどのタスクを抱えていると感じたら、オニール教授は女性に自身の行動を見直すようアドバイスしている。

自分がもっと積極的になることを妨げているのは何か?

オニール教授は「目に見えないタスクには、穏やかに、思いやりをもって『ノー』と言いましょう」とし、「もしくは、手がふさがっていることを態度で示しましょう —— やさしく、相手が理解できるように」と言う。

また、バーンアウトを回避するもう1つの方法として、オニール教授はユーモアを挙げている。女性がつっけんどんにならずに、積極的になれるからだ。ただ、女性がこの戦術を使う場合は気を付けなければならない。2019年のある研究は、ユーモアを使う女性はそうでない女性に比べて、低く見られる可能性があると示している。

どのようにバーンアウトと戦い、自分のキャリアを築いていくかにかかわらず、オニール教授は心に留めておくべきことが1つあると言う。「誰もが、驚くような強みを持っている」

[原文:Women are taking on 'invisible tasks' that lead to burn out and keep them from the C-suite. Here's what they are — and how to stop them]

(翻訳、編集:山口佳美)

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