クックパッド、1〜6月期は営業利益7割減。国内利用者「3年間で1000万人減」の正念場

クックパッド 決算

ロシア語版クックパッド。厳しい決算が続くなか、海外での人材投資が同社の再成長のカギを握りそうだ。

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クックパッドが2019年1〜6月期の連結決算を発表。営業利益が前年同期比7割減、純利益は同5割減という厳しい数字が並んだ。

売上収益 57億8600万円 前年同期比 △2.6%

営業利益 4億5600万円 前年同期比 △71.2%

純利益 2億8900万円 前年同期比 △52.3%

売上収益もマイナス成長続く

クックパッドの売上収益は、2016年の168億円をピークに、2017年、2018年と2ケタのマイナス成長が続いている。

クックパッド 決算 推移

クックパッドの四半期決算の推移。

出典:クックパッド2019年第2四半期決算説明会資料より

上のグラフからわかるように、2016年に50%前後をキープしていた営業利益率は減少基調。同年以降は毎年、国内外の子会社の再編のために数億〜数十億円の減損を計上していることも、利益率を押し下げる要因となっている。2019年もここまで10.1%、5.6%と苦しい状況だ。

同社は営業利益率の低下について、決算説明会で「採用を積極的に行っていることが要因でコストが増加している」としている。下のグラフから人件費・業務委託費の推移を見ると、2017年に38億円、2018年に51億円、2019年もここまで前年を上回る増加が続いている。

クックパッド 決算 販管費

クックパッドの四半期販売管理費の推移。人件費・業務委託費が増え続けている。

出典:クックパッド2019年第2四半期決算説明会資料より

採用サイトを見ると、インド、バングラデシュ、インドネシア、タイ、ベトナム、ポーランド、ハンガリー、中国、イギリスなど、多様な国々(サービス展開は72カ国)でコミュニティマネージャーやエンジニアを積極採用しており、コスト増も容易に想像がつく。

ただし、これだけの先行投資を続けている海外では、クックパッドの主な収入源である会員事業をまだ始めていない。広告事業も「現時点で予定していない」(決算説明会での質疑応答)とのことで、マネタイズのタイミングが見えないまま人材投資を続けている状況だ。

国内利用者数は減少、海外は成長の踊り場

動画を含むレシピサービスの競争激化で、利用者数も落ち込んでいる。

国内の月間利用者数は2019年4〜6月期の平均で5483万人。6400万人超に達した2016年に比べると1000万人以上減っており、現在は2015年とほぼ同水準。

クックパッド 決算 利用者数

クックパッドの国内平均月間利用者数の推移。

出典:クックパッド2019年第2四半期決算説明会資料より

海外の月間利用者数は2019年4〜6月期の平均で3864万人。2015年に1000万人を突破してから拡大が続いてきたが、2018年以降は踊り場が続いており、昨今の人材投資が結実するかが再成長のカギを握るだろう。

クックパッド 決算 利用者数

クックパッドの海外平均月間利用者数の推移。

出典:クックパッド2019年第2四半期決算説明会資料より

こうした状況を背景に、主な収入源であるプレミアム会員(月額280円、税抜き)の売り上げも伸び悩んでいる。2016年の89億円をピークに、2017年は88億円、2018年は85億円。2019年はほぼ前年並みで推移。会員数は2018年10〜12月期に204.8万人を記録したものの、2019年4〜6月期には202.5万人へと2万人超減った

クックパッド 決算 会員数

クックパッドのプレミアム会員数の推移。2018年10〜12月期をピークに減ってきている。

出典:クックパッド2019年第2四半期決算説明会資料より

広告事業の売り上げは2ケタ減と回復の兆しが見えないなか、ヤフー傘下に入った「クラシル」やKDDIからの出資を受けた「デリッシュキッチン」といったレシピ動画サービスとの競合は激しさを増している。クックパッドはいま正念場を迎えていると言っていいだろう。

(文:川村力)

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