香港に隣接する深センに向かう武装車両。12日に公開された動画より。
Screenshot/People's Daily
- 中国政府は8月12日、「過激なデモ参加者」とその「錯乱した」暴力行為を強く非難した。
- 香港マカオ事務弁公室の楊光(Yang Guang)報道官は、デモ参加者は週末の衝突で警官を攻撃して負傷させたと述べ、「情け容赦ない」処罰を求めた。
- 同じタイミングで中国国営メディアは、人民武装警察部隊が深センに移動する様子を撮影した動画を公開、移動は演習のためと思われる。
- 人民日報は、人民武装警察部隊の任務について、「反乱、暴動、深刻な暴力事件および違法な事件、テロ攻撃およびその他、社会の安全を脅かす事態に対処する」と具体的に説明した。
中国政府は8月12日、「過激なデモ参加者」とその「錯乱した」暴力行為を非難、中国メディアは武装警官と武装車両が近くに集結している映像を公開した。
香港マカオ事務弁公室の楊光(Yang Guang)報道官は12日、記者会見でデモ参加者について、警官を攻撃し、他の暴力行為にも関与していると非難し、「テロリズム」と述べた。チャイナデイリーが伝えた。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、「過激なデモ参加者は警察官を攻撃するために、極めて危険なツールを使っていると聞いている」と楊報道官は述べた。
楊報道官は「結果を考えずに、無秩序で重大な犯罪行為」に関わった抗議者に対して「情け容赦ない」処罰を求めたと伝えられた。
週末、警察とデモ参加者は香港の街路で再び衝突。警察が催涙ガスとゴム弾をデモ参加者に向けて発射すると、一部のデモ参加者はブロックや他の武器 ── 当局は火炎瓶と煙幕弾が含まれていたと発表 ── を警察署に投げ込んだ。
デモ参加者がどれほどの暴力行為を行っているかは不明。だが、地元警察がデモ参加者に対して武力を行使している画像は多数存在する。
催涙ガスを発射する警官隊。8月11日。
AP Photo/Kin Cheung
楊報道官は12日、「香港は重大な局面を迎えた」と警告し、香港の未来を憂慮する者は、暴力の集結と、法と秩序の回復を求めるべきと強調した。
楊報道官がデモ参加者を「断固として」取り締まるべきと当局に要請したのと同じタイミングで、中国国営メディアは武装車両に乗った武装警官が深セン近くに集結している映像を公開した。
「人民武装警察部隊が香港の隣の深センに集結している。おそらく大規模な演習に備えたもの。グローバルタイムズ(Global Times)が入手した映像が示している」
人民日報は、人民武装警察部隊に関する中国の法律を引用し、部隊は公安部の管轄ではなく、中央軍事委員会の管轄下にあり、「反乱、暴動、深刻な暴力事件および違法な事件、テロ攻撃およびその他、社会の安全を脅かす事態に対処する」とその任務を具体的に説明した。
今回の展開は、1万2000人の警官、武装車両、ヘリコプター、水陸両用車両が参加した先週の演習に続くもの。
中国政府は、香港に直接介入する計画をまだ明らかにしていない。
楊報道官は12日、記者会見で香港の地元警察は秩序維持のためのキーであり、「バックボーン」と強調した。だが、国営メディアが公開した動画は、厳しい警告と受け取るべきだろう。
(翻訳、編集:増田隆幸)