年齢は障壁にあらず ── シニア起業家の方が成功する確率が高い

まだまだ働く意欲を持つ人が、年齢を理由に雇ってもらえない。

まだまだ働く意欲を持つ人が、年齢を理由に雇ってもらえない。

Ocskay Mark / Shutterstock

  • シニアにとって引退は、コンピューターを学び、スモールビジネスを始める機会にもなる。実際、ニューヨークのシニア・プラネットでは、それが行われている。
  • MITテクノロジーレビューによると、シニア・プラネットはコミュニティセンター兼コワーキングスペースで、グーグル・ハングアウトのようなコンピュータープログラムの使い方から、オンラインショップの開き方まで、さまざまな講座を開講している。
  • シニア層は労働者として重要な存在になってきている。アメリカ労働省によると、2024年までに、労働者の中で55歳以上が占める割合が最大になる。

退職者のコミュニティでゴルフやシャッフルボードを楽しむシニアもいれば、シニア・プラネット(Senior Planet)に行ってテクノロジーを学びたい、スモールビジネスを始めたいというシニアもいる。

科学技術情報サイトのMITテクノロジーレビューが、トム・キャンバー(Tom Kamber)氏が2006年に創設したリタイアメント・コミュニティ兼コワーキングスペース、シニア・プラネットを紹介した。

ニューヨークのマンハッタンにあり、コンピューターの電源ボタンの見つけ方からウェブサイトの作り方まで、あらゆることを学べる。これらのスキルはシニアにとってかつてないほど重要になってきている。シニア起業家がアメリカ経済において重要な存在になってきたからだ。

シニア・プラネットの常連の一人、マイケル・テイラー(Michael Taylor)氏は、アンティークショップを経営していた。しかし店舗の賃料が上がって閉店せざるを得なくなった。

事業を失ってしまったものの、彼はリタイアしたいとはまったく思わなかった。それどころかニューヨーク・スクール・オブ・インテリアデザイン(New York School of Interior Design)で修士号を取得。すでに立ち上げているスモールビジネスのためのウェブデザインについて学ぼうとシニア・プラネットに通うようになった。

シニアのビジネスオーナーの方が成功していて、働き続けることはメンタルにもよい影響があるという

バブソン大学の2016年の調査「アメリカにおけるスモールビジネスの状況(State of Small Business in America report)」によると、50歳以上の人が経営するスモールビジネスは全体の51%で2007年の46%から増加している。

さらに若い世代が経営するビジネスよりも長く継続する傾向にあり、開業から3年後も営業しているスモールビジネスは、シニア世代で70%、一方、それより若い世代ではわずか28%だった。

かつてないほど多くのシニアが働いている。現時点ではミレニアルが労働者の中で最も多いが、シニア層も追いついてきている。アメリカ労働省によると、2024年までに、55歳以上の労働者は全体の24.8%を占める最大のグループとなる。

テイラー氏は現在71歳。父親が84歳でリタイアすると急激に老け込んだとMITテクノロジーレビューに語った。

「リタイアしてそうなってしまうのなら、私はリタイアなんてしたくない。だから神に召されるまで、あるいは仕事ができなくなるまで働き続けるつもりだ」

いつまでも活動的で、老化による悪影響を防ぐ最善の方法は、決してリタイアしないこと、という専門家もいる。

イギリスのシンクタンク、経済問題研究所(Institute of Economic Affairs)が2013年に行った調査によると、退職した高齢者は働き続ける高齢者よりも、うつ病になる可能性が40%高い。これは働くことがシニアのメンタルヘルスによい影響を与えることを示唆している。

起業精神は、年齢差別へ立ち向かう助けともなる

多くのアメリカ人シニアは、働く意欲はあるものの、年齢差別により仕事を見つけられずにいる。ジョブサイトのiHireが行った調査によると、ベビーブーマー世代の53%が、仕事をする上での条件を満たしているのに雇ってもらえないなど、仕事での年齢差別を感じたことがある。

テイラー氏も年齢差別を経験した。「20代、30代、あるいは40代半ばまででなければ、仕事を得るのは難しい」とMITテクノロジーレビューの記事で語っている。

シニア・プラネットの目標は、高齢者はテクノロジーを使いこなせない、新しいことを学べないといった固定観念をなくし、年齢差別を過去のものにすることだ。シニア・プラネットの創設者、トム・キャンバー氏は、加齢にはいろいろな影響があるが、歩みを遅らせるようなことはない、とMITテクノロジーレビューで語った。

「シニアに残された時間は短い。夢の実現はより重大で緊急性の高いものとなる」

年齢は起業や成功の障壁ではないが、テクノロジーは時には障壁になる、とキャンバー氏は考える。

「あなたがシニアで、何かアイディアを思いつき、それを実現したい時、誰かが手助けしてあげられるといい」

[原文:Forget retirement: Senior citizens are founding small businesses, and research shows more of them are likely to succeed than young entrepreneurs

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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