「旅しながら働く」岩佐大輝が語る快適な移動の秘訣

岩佐大輝さん

日本のイチゴは糖度が高く、海外でも評価が高い。百貨店で1粒1000円の値がつくブランドイチゴ「ミガキイチゴ」も、東アジアを中心に大人気だ。

IT起業家からイチゴ生産者へと転身し「ミガキイチゴ」のブランド化を成功させた岩佐大輝さんは、さらなるグローバル展開を視野に入れ、インドやマレーシア、ヨルダンでの現地生産を始めている。東京と岩元町(宮城県)で2拠点生活を送り、さらに年間60~70日の海外出張をこなす岩佐さんは、どのような生活を送っているのか。移動の多いビジネススタイルを効率的に過ごすための工夫を聞いた。

勘と経験に依存しがちな「匠の技」をITで再現可能に

岩佐大輝さん

岩佐大輝さん。1977年宮城県生まれ。株式会社GRA代表取締役CEO。大学在学中にIT分野で起業。2011年の東日本大震災後に、被災した故郷・山元町(宮城県)の復興を目的にGRAを設立。先端施設園芸でイチゴビジネスに構造変革を起こす。1粒1000円の「ミガキイチゴ」のブランド化に成功。この生産技術を生かし、国内外の農業支援にも力を入れている。

——岩佐さんは宮城県山元町の主要産業だったイチゴの生産に参入し、「ミガキイチゴ」としてブランド化することに成功しました。単一の品種ではなく、その時期にいちばんおいしいイチゴを選び、ITを活用して最適な環境でイチゴを育て、それをブランド化した点がユニークです。「ミガキイチゴ」はアジアや中東でも人気で、すでに海外でもイチゴの生産支援を始めています。そもそもイチゴの生産を始めたのはどうしてですか?

岩佐大輝さん(以下、岩佐):きっかけは2011年3月の東日本大震災でした。当時、私は東京でシステム開発の会社を経営していましたが、故郷の山元町が甚大な被害を受け、毎週のように帰郷してボランティアで農地の泥かきをしていました。そのとき住民の方から「泥かきは自分たちでもできる。あなたは起業家なのだから、地元に雇用を作って」と指摘され、農業生産法人GRAを立ち上げました。

事業としてイチゴを選んだのは、山元町の主要産業だったからです。とはいえ、震災前に斜陽化していたイチゴ産業を元に戻すだけでは、安定的な雇用につながりません。やるからには、世界に通用する強い産業にする必要があります。そこでこれまで職人の勘や経験でやっていた部分を形式知化して、サイエンスで再現することを考えました。「ミガキイチゴ」が甘くておいしいのも、農家の匠の技をITで制御しているからです。

アジアの高原地帯でも「ミガキイチゴ」の生産を開始

インタビューに答える岩佐さん

イチゴのブランド化にあたって考えたのは、糖度といった機能(味)だけではなく「エモーショナルな価値」も大事だということ。デザインやネーミングには徹底的にこだわった。

——「ミガキイチゴ」は、百貨店で1粒1000円で売られる高級ブランドになりました。その価格設定でも話題になりましたが、どのようにブランドを作っていったのでしょうか?

岩佐:イチゴの味や大きさは、東京の大田市場に通って百貨店のバイヤーさんたちに試食してもらいながら決めました。ただ、ブランド化するには、糖度の高さといった機能的な価値だけでなく、これを買うとテンションが上がるといったエモーショナルな価値も大切。デザインやネーミングには徹底的に懲りました。

リテールにも力を入れていて、現在、ミガキイチゴを使ったスイーツを楽しめるストロベリーカフェを東京中心に5店舗展開しています(2019年8月現在)。2019年中にあと3店舗を出店予定。さらに加速させて、ミガキイチゴを多くの方に身近に感じてもらいたいと考えています。

いちびこ三軒茶屋店

岩佐さんが今、力を入れるのがカフェ業態「いちびこ」。今後は駅ビルなどへの出店も計画している。写真は「いちびこ三軒茶屋店」(東京都世田谷区太子堂4-18-1 エコービル1階)。

いちびこ太子堂のケーキ

カフェ業態の「いちびこ」には、スイーツやジャムなど「ミガキイチゴ」を使った商品が並ぶ。

——海外でも引っ張りだこだとか。

岩佐:すでに香港、台湾、タイ、マレーシア、UAEの百貨店に「ミガキイチゴ」を置いてもらっています。ただ、1パック800円のイチゴを向こうに持っていくと、輸送費などで3000円になってしまう。それでも売れるくらいに評価いただいていますが、サステイナブルなビジネスにするなら、もっとお求めやすい価格がいい。そう考えて、いまマレーシアとヨルダンで現地生産の実証実験を始めています。

じつはすでにインドで生産の実績があります。ある縁でインドに視察に行ったら、農村地帯の住民は、震災でダメージを受けた山元町と変らないくらいの厳しい生活を強いられていた。その様子を見ていたら何かお手伝いせずにはいられなくなり、現地法人を立ち上げてイチゴ生産を始めたのです。

インドやマレーシア、ヨルダンはイチゴ栽培に向かない印象があるかもしれませんが、高原地帯は気候が穏やかで日本に似ています。“メイド・バイ・ジャパン・テクノロジー”で、世界においしいイチゴを広げるために日々頑張っています。

東京と宮城で2拠点生活、年間60〜70日は海外へ

岩佐さんの出張用の荷物

とにかく移動が多いので、荷物はつねに出張仕様という岩佐さん。必要最低限のものをバックパック1つにまとめ、身軽に動けるようにしている。

——海外出張が多そうですね。普段はどのようなワークスタイルですか。

岩佐:海外出張は年間60〜70日です。出張先は現地生産している国やマーケットとなるASEAN、中東諸国が中心ですが、アメリカにも行きます。国内は東京と宮城県・山元町の2拠点生活。行ったり来たりしながら、その間に技術指導などで地方にも出張します。週の半分は自宅以外で過ごすワークスタイルです。

とにかく移動が多いので、荷物は常に出張仕様です。バックパックに洗顔セットや充電器、パスポートなど最低限必要なものを入れて、いつでも出張に行けるように持ち歩いています。移動中はメールの返信などの事務作業をやります。現地では、例えば生産者と話すなど、そこでしかできない仕事に集中したいので、ルーティンなものはできるだけ移動中に処理します。

もちろん空港でも仕事をしますよ。アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カードの特典でラウンジを利用しています。インドのプネーという街の近くに農園があるのですが、プネー空港は小さく、待合レーンも椅子が硬くてとても仕事ができる環境にない。そうした小さな空港にもラウンジがあるので、とても助かっています。

——お忙しそうですが、ワークライフバランスは?

岩佐:IT企業の経営がメインだったころは、机に向かってがっつり働く毎日だったので、意識的にオフを取っていました。ビジネス・プラチナ・カードの「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」を利用して予約すると、16:00までの滞在が確約されているレイトチェックアウトができるので、仕事が行き詰ったときは時間を気にせず夕方までプールでのんびり泳いでリフレッシュしていましたね。

最近は机に向かって仕事をする時間が減り、オンとオフも意識して分けていません。趣味でサーフィンをするので、出張先でも仕事の合間に波に乗っています。例えば香港もそう。サーフィンのイメージがないかもしれませんが、勝手に開拓してポイントを3カ所見つけました(笑) 。

プールの写真

Getty Images

——いま空港のラウンジやホテルの話が出ましたが、他にビジネス・プラチナ・カードを持つ利点はありますか。

岩佐:よく利用するのは航空券の手配かな。出張のスケジュールを強行軍で組むことが多いのですが、旅程が複雑になると、自分で手配をするのは手間がかかります。例えば深夜便でマレーシアに飛び、会議を二つこなしてその日のうちにシンガポールへ。次の日はタイでバイヤーと商談してから日本に帰国。こうした旅程のときも、プラチナ・セクレタリー・サービスにお願いすると、電話1本で完結します。航空会社のアライアンスに縛られずに手配してくれるのもありがたいです。

ショッピング・プロテクションもフル活用しています。仕事道具一式を持ち運んでいることもあって、私はよくモノを壊すんです。スマホを落として壊したこともあるし、農園でバックパックごと車に轢かれて、ノートPCがバリバリに割れたこともあります。このときの修理代のかなりの部分は、アメックスのビジネス・プラチナ・カードのショッピング・プロテクションでカバーできました。

農場を走るトラクター

Getty Images

——そもそもどのようなきっかけで、アメックスのビジネス・カードを?

岩佐: IT企業の経営で忙しかった20代のころから、アメックスのビジネス・カードの会員でした。ビジネス・カードを持ち始めたのは、起業家の先輩に勧められてから。「限度額が意外とフレキシブルだよ」と教えてもらって入会したら、確かにそうでした。仕事で使うと、月々の決済額が数百万になることが珍しくありません。限度額以上の決済が必要になるケースもありましたが、電話で相談したら柔軟に対応してくれました。

いま農業法人を含めて7社を経営していますが、各社分のビジネス・カードを持っています。それぞれのビジネス・カードのアカウントをWeb上で一括管理できるのがいいですね。会社ごとに面倒な手続きをしなくていいし、経理の社員も「管理が楽だ」と言っています。

——農業生産法人で海外へ、そしてカフェ事業へと事業を拡大させています。今後の事業展開について聞かせてください。

岩佐:私たちのミッションは、地方に農業を軸にした強い雇用を作ること。自分たちだけでは限界があるので、形式知化された技術を新規就農者に伝承するアグリプラットフォーム事業を展開して、さらに雇用を作ろうとしています。この事業を通してすでに8つの農業経営体が独立していますが、さらに加速させていきたいです。


岩佐さんは起業家として、アメリカン・エキスプレスのビジネス・プラチナ・カードをフル活用している。煩雑なフライト予約も電話一本で完了するし、空港やホテルの特典も便利だ。スマートフォンの紛失やPCを破損した際には補償機能も頼りになる。ビジネス・プラチナ・カードは13万円の年会費がかかるものの「十分にペイしている」と岩佐さんは話す。

東京の自宅と宮城県山元町の実家、そして国内外への出張と、日々をアクティブに過ごす岩佐さんにとって、起業家に便利なサポート機能が充実したビジネス・プラチナ・カードは、手放せない存在となっているようだ。


アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・プラチナ・カードについて、詳しくはこちら。

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