左から、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス。
AP Photo/Richard Drew, AP Photo/Wilfredo Lee, Diana Walker/Getty Images, Business Insider
- スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾスの2000年以前の予言が、今は現実のものとなっている。
- ジョブズは、Siriを搭載した現在のiPhoneのように、「エージェント」が入った「石板」を持ち歩くことになるだろうと予測した。ゲイツはスマート広告を予見した。ベゾスは、アマゾンのビジネスが書籍販売以外にも広がっていくことを知っていた。
シリコンバレーの大物、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾスの3人は21世紀を迎える前にいくつかの予言をしていたが、それは現実のものとなっている。
彼らが予測した9つのことを紹介しよう。
スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)
スティーブ・ジョブズ(右)とローレン・パウエル・ジョブズ
Diana Walker / Contour by Getty Images
ジョブズは「エージェント」を搭載した「石板」を持ち歩くだろうと予測した。iPhoneとSiriのような。
Oll Scarff/Getty Images
予測(1984年):「次の段階には、コンピュータは“エージェント”になる」とジョブズはNewsweekのAccess Magazineに語った。
「言い換えれば、その箱の中に、あなたが何を求めているものを考える小さな人がいるかのように」
「小さな箱や石板のようなものを持ち運べたらすばらしいとずっと思っていた」とジョブズはNewsweekに語っている。
現実:iPhoneは2007年に発売され、iOSのデジタルアシスタントSiriは2010年にリリースされた。
Sources: Business Insider, The Daily Beast, Business Insider
ジョブズはまた、在庫を持たない自動車ディーラーを予測した。これは今日、テスラが行っていることだ。
Mark Matousek / Business Insider
予測(1996年):「自動車ディーラーでは、莫大なコストが在庫管理に費やされている。在庫はよいことではない。在庫にはお金がかかっていて、破壊行為にさらされやすく、日に日に陳腐化していき、管理には膨大な時間がかかる。そして普通は、あなたが欲しい色の車はそこにはないので、駆け引きをしなければならない。在庫を全部処分したらいいのではないか。運転するための白い車を1台用意して、他の色を見るためのレーザーディスクがあればいい。それから車を注文しても1週間で手に入る」とジョブズはWiredに語った。
現実:テスラ(Tesla)は2008年、ロサンゼルスに初のショールームをオープンした。ここでは購入者は、カスタマイズした車を営業担当者かテスラのサイトに注文する。
Sources: Business Insider, Wired
ジョブズのメールを使ったストレージは、現在のクラウド・ストレージによく似ている。
Sharaf Maksumov/Shutterstock
予測(1996年):「本当にもう何も保管していない。私はメールとWebを使っているが、どちらもストレージを管理する必要がない。実際のところ、やるべきことを思い出させるお気に入りの方法は、自分に電子メールを送ることだ。メールは私のストレージだ」とジョブズはWiredに語った。
現実:Appleは2011年にiCloudサービスを開始した。今ではGoogle DriveやDropboxなどのクラウドサービスを通じて、インターネット上にファイルを自動的に保存するのが当たり前になっている。
Sources: Business Insider, Wired, Apple
ビル・ゲイツ(Bill Gates)
ビル・ゲイツ(右)とビル・クリントン大統領。
AP Photo/Wilfredo Lee
ゲイツは、オンラインでのホームモニタリングの普及を予測した。
Avery Hartmans
予測(1999年):「例えば、家にいない時に誰かが訪ねてきたことを通知してくれるような、監視映像の配信が一般的になるだろう」とゲイツは著書『思考スピードの経営: デジタル経営教本』で予言した。
現実:米Amazonが買収したRingのホームセキュリティカメラがアメリカで広く普及している。一部の地方警察署ではその映像にアクセスすることも可能で、非公式な防犯ネットワークにもなっている。
Source: Business Insider, Business Insider
ゲイツはスマート広告のアイデアに早くから気付いていた。あまりに巧妙なので、ユーザーはスマホで行動を知られているのではないかと心配するほどだ。
Reuters
予測(1999年):「デバイスにはスマート広告が表示されるようになる。あなたの購買傾向を知り、あなたの好みに合わせた広告を表示する」とゲイツは『思考スピードの経営: デジタル経営教本』に書いた。
現実:FacebookとInstagramは人々のスマートフォンに耳を傾け、彼らの会話に基づいて広告を提供すると、信じられている。
Sources: Business Insider, Business Insider.
ゲイツは、就職活動がオンラインに移行すると考えていた。そして今、LinkedInがある。
Reuters
予測(1999年):「仕事を探している人は、自分の興味、ニーズ、専門的なスキルなどを公表することで、オンラインで雇用機会を見つけることができる」とゲイツは『思考スピードの経営: デジタル経営教本』で予言した。
現実:LinkedInはGatesの予言からわずか4年後の2003年にサービスを開始した。Hootsuiteによると、2019年2月の時点でLinkedInにプロフィールを掲載しているアメリカ人労働者は1億5400万人だった。
Sources: Business Insider, Hootsuite, LinkedIn
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)
ジェフ・ベゾスとピカチュウ
AP Photo/Richard Drew
ベゾスは、バーンズ&ノーブルがアマゾンのライバルになることは永遠にないだろうと言った。
ニューヨーク5番街のバーンズ&ノーブル。2005年。
Mary Altaffer / AP Images
予測(1999年):「1年後には、彼らはアマゾンを直接のライバルとは考えないだろう」とベゾスはWiredに語った。「彼らが今日やっていることとは違う道を我々は進んでいる。私たちは電子商取引の未来を作ろうとしているが、彼らは自分の縄張りを守っているだけだ」
現実:アマゾンは書籍の枠をはるかに超えている。ハードウェア、ビデオや音楽のストリーミング、物流もアマゾンの巨大帝国のほんの一部にすぎない。
Sources: Business Insider, Wired,
ベゾスは、「かさばる」商品はオンラインで購入されるようになると予測した。そして今、我々はアマゾンでトイレットペーパーを注文している。
Screenshot / YouTube
予測(1999年):「店舗で購入する大きくて重い商品(主食や紙製品、掃除用品など)は、電子的に注文できる」とベゾスはWiredの2020年についてのインタビューで予言した。
現実:Amazonパントリーは2014年にサービスを開始し、洗濯用洗剤からシャンプーまでの食料品や生活必需品を販売している。
Sources: Business Insider, Wired, Amazon, CNN Business
ベゾスはインターネットに接続された電化製品のネットワークを予測していた。今ではAlexaで巧妙に構成されたスマートホームがある。
Jim Tanner/Reuters
予測(1999年):「私は、家の中にインターネットに接続している小さなものがたくさんある、といった電化製品の将来を強く信じている」とベゾスはチャーリー・ローズ(Charlie Rose)に語った。
現実:スピーカーからホームセキュリティシステムまで、Alexa対応機器が家庭内にたくさんある。
Sources: Business Insider, Charlie Rose
[原文:9 visionary predictions tech execs like Jeff Bezos and Steve Jobs made before 2000 that came true]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)