ASUSは最新スマートフォン「ZenFone 6」の国内発売を8月23日と発表した。
撮影:小林優多郎
台湾のPCメーカー・ASUSは、新型スマートフォン「ZenFone 6」の日本展開を発表した。
直販価格はメモリー6GB・ストレージ128GB版が6万9500円、メモリー8GB・ストレージ256GB版が8万2500円(いずれも税別)。
本体カラーはミッドナイトブラックとトワイライトシルバーの2色展開。発売日は8月23日だが、メモリー8GB・ストレージ256GB版のトワイライトシルバーのみ8月30日になる見込みだ。
ZenFoneシリーズは、格安スマホの草分け的存在として2014年に登場。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクでの取り扱いはないため、シェアは2018年の国内出荷台数ベースではベスト5から外れている。ラインナップは幅広く、家電量販店などの店頭で見かける機会は多い。
最新機種ZenFone 6は5月に世界発表。その奇抜なカメラ稼動機構が注目を集めた。写真をまじえて詳細な仕様を見てみよう。
正面面積の約92%がディスプレイ。かなりスッキリとした印象
画面サイズは6.4インチ。解像度は2340×1080ドットのIPS液晶を採用。
背面には指紋センサーと2つのレンズ。カメラが「動く」のが最大の特徴
左側が1300万画素の超広角レンズ、右側が4800万画素のメインカメラとなっている。
背面カメラが180度電動で回転し、正面カメラを兼ねる
落下を検知すると自動でカメラが背面に戻る機能も付いている。
つまり、背面カメラと同じ高画質でセルフィーが撮れる
パノラマ撮影や動画のパン(左右に視点をふる操作)も電動カメラのおかげでスムーズ
搭載アプリには独自モノはあまりない。かなりGoogleサービス寄りの印象
プリインストールアプリはATOKなどを除き、グーグルのものが中心に入っている。
一部機種でしか使えないグーグルのスマホ使いすぎ防止機能「Digital Wellbeing」も利用可能
Digital Wellbeingは、PixelシリーズやAndroid Oneシリーズを中心に展開されている。
右側面上のボタンではGoogleアシスタントを一発で呼び出せた
人前で「OK, Google」と話す必要はない。
このボタンの「1回押す」「2回押す」「長押し」には別の機能を割り当てられる
ただし、任意のアプリの指定はできなかった。
SIMは2枚挿し・同時待受可能な「DSDV」に対応。国内3キャリアの高音質通話「VoLTE」が使える
DSDV=Dual SIM Dual VoLTEの略。
カメラ性能と本体性能のコスパは?
SNSなどでカメラを多用する人であれば、ZenFone 6のカメラには要注目。
電動のカメラ、正面と背面カメラを兼ねる構造をそれぞれ採用したスマートフォンは過去にもあった。しかし、電動でカメラを任意の角度に変更できたり、動画のパンの操作やパノラマ撮影に応用するというのは、案外実現していなかった発想だ。
また、このような国内では唯一無二のカメラ機能と、メモリーやストレージ容量、クアルコム製のハイエンドチップセット「Snapdragon 855」を採用している点を加味すると、高性能モデルでも8万2500円(税別)というのは、正直コストパフォーマンスが良い。
もちろん冷静に考えれば、ZenFone 6はかなり“尖った”ハイエンドモデルのため、多くの人が買う端末ではないだろう。しかし、10月に控える、いわゆる「分離プラン義務化」で、端末の「割引のない本当の値段」が見えやすくなる。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアのユーザーでも、キャリア端末以外に視野を広げる人が多少なりと増えるはずだ。
「ハイエンド端末は欲しいけれど、スマホに10万円以上払うだなんて」という人なら、一度店頭で触って試してみても良いスマホだ。
(文、撮影・小林優多郎)