8月18日、香港で行われたデモ行進中、レインコートを着た参加者が「香港を守れ」と書かれたプラカードをつけている。
AP Photo/Kin Cheung
- 中国政府は、香港の抗議活動を弱体化させるために、SNSで極秘のキャンペーンを展開している。
- 8月19日、FacebookとTwitterは、中国国内からの組織的なキャンペーンを見つけたと発表した。
- 香港では、人権問題に対する大規模な抗議活動が数週間続いている。
Facebook(フェイスブック)とTwitter(ツイッター)は、香港の抗議活動をターゲットにした中国からのプロパガンダキャンペーンを検出した。
8月19日(現地時間)、両社は、それぞれのプラットフォーム上において、中国政府によって組織され、香港の抗議活動を弱体化させることを目的としていると見られる複数のアカウントに対して対策を取ったと発表した。
「当該アカウントは、意図的かつ具体的に香港で政治的な不和を引き起こそうとしていて、抗議活動の正当性と政治的立場を弱体化させようとするものだった」とTwitterはブログで述べた。
「我々は、徹底的な調査を行い、これが国家が支援する組織的な作戦であることを裏付ける証拠を手に入れた」
Twitterは、中国から発信された936のアカウントを検出したと述べた。Facebookは5つのアカウント、7つのページ、3つのグループを検出し、「約1万5500のアカウントがこれらのページの1つ以上をフォローし、約2200のアカウントがこれらのグループの少なくとも1つに参加していた」と付け加えた。それらはTwitterでの活動について密告するものだった。
香港での抗議活動は11週目に入っている。香港の住民を中国に送還することを可能にする身柄引き渡し法案が議会に提出されたことがきっかけとなり、自由が侵害されるのではないかという懸念がこの活動を引き起こした。8月17日には、推定170万人が抗議行動に参加している。
近年、FacebookやTwitter、その他のソーシャル・メディアが、政府が支援するプロパガンダやネガティブキャンペーンに利用されることが多くなっている。特に2016年のアメリカ大統領選挙でのトランプ大統領に関わるロシアの動きがよく知られている。
中国の国営通信社もTwitterに広告を掲載している。抗議活動を弱体化させ、香港住民の大多数の意思に反したものにしようとしているようだ。18日、Twitterは「国営ニュースメディアの広告を許可」することは今後はないと述べた。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)