Aubrey Gemignani/NASA via Getty Images
- NASAは宇宙飛行士が国際宇宙ステーションからパートナーの銀行口座へ不正アクセスしたとして訴えられた件について調査している。
- サマー・ワーデン氏は、自分の口座がNASAのコンピューターからアクセスされていることに気づき、アン・マクレーン飛行士が宇宙からアクセスしていたと判断した。
- 訴状では、マクレーン飛行士が「高度に計算され、操作された策略」で口座にアクセスしたとしている。マクレーン飛行士は、調停中の共有財産を確認する権利があり、正当なアクセスだとしている。
NASAが、国際宇宙ステーションでの任務中に、別居中の同性パートナーの銀行口座にアクセスしたとして宇宙飛行士が訴えられている件について調査中だと報じられた。
ニューヨーク・タイムズによると、ベテラン宇宙飛行士でアメリカ陸軍中佐のアン・マクレーン(Anne McClain)氏は、宇宙にいる間にNASAのコンピューターを使い、サマー・ワーデン(Summer Worden)氏の銀行口座に不正にアクセスしたとして告発された。
元アメリカ空軍情報将校のワーデン氏は、離婚調停中にマクレーン氏が具体的な支出について言及したことから疑念を抱くようになった、と同紙は伝えている。要請を受けた銀行が調査し、NASAのコンピュータ・ネットワークに登録された資格情報から口座にアクセスがあったことを確認したという。
ワーデン氏は、資金の改ざんはなかったものの、マクレーン氏が口座の情報を盗み見ていたとしてアメリカ連邦取引委員会(FTC)に提訴した。マクレーン氏側は係争中の財産を監視するための正当な行為だとしている。
別の訴状でワーデン氏の両親は、これは、二人が交際する1年前に生まれたワーデン氏の息子の親権を取得するために「高度に計算され、操作された策略」だと訴えた。
しかし、同紙によると、マクレーン氏は交際中と同じパスワードを使っており、アカウントへのアクセスを止めるように言われたことがないと主張したという。
マクレーン氏は、この件が大きく報道された後、Twitterで「(ワーデン氏の)主張には明白な真実はない」と述べ、事件は二人を巡る「痛みを伴う個人的な別離」の一部だとした。
その主張には明白な真実はない。私たちは残念なことに、今メディアで取り上げられているような、苦痛に満ちた個人的な別れを経験した。多くの支援に感謝しつつ、調査が終わるまではコメントを控える。私は調査プロセスに全幅の信頼を置いている。
マクレーン氏とワーデン氏は2014年に結婚した。2018年にマクレーン氏がワーデン氏を暴行で訴えた後、ワーデン氏は離婚を申し立てた。ワーデン氏は暴行を否定し、マクレーン氏が息子の親権を得ようとして訴えたのだと言い、結局、暴行の訴えは棄却された、とニューヨーク・タイムズは報じている。
ワーデン氏はニューヨーク・タイムズに対し、FTCは不正アクセスの申し立てにまだ回答していないが、彼女の家族の申し立てをNASAに照会している、と語った。
マクレーン氏は以前、女性だけの船外活動を行う計画で見出しを飾っていたが、NASAが2人の女性に合うサイズの宇宙服がないと発表し、突然中止された。
[原文:An astronaut may have committed the first space crime while aboard the International Space Station]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)