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いい加減にして! ソーシャルメディアが、小売店やレストランでの仕事を困難にしている

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ソーシャルメディアのユーザーの中には、大手チェーン店を"クリック数を稼ぐチャンス"だと考えている者もいる。

Samantha Lee/Business Insider

  • ソーシャルメディアでは、大手チェーン店から追い出されることが流行になっている。
  • Business Insiderでは、さまざまな店から追い出されたユーチューバーの36本の動画をチェックした。
  • こうした動画の多くで、ユーチューバーは店員ともめている。

あなたも見たことがあるかもしれない。地元のウォルマート(Walmart)やホーム・デポ(Home Depot)、ターゲット(Target)といった大手チェーン店に押しかけ、店の陳列棚をよじ登ったり、置かれている商品に体当たりをしたり、商品を蹴ったり、店長を激怒させたり、店員を泣かせるなどして、混乱を生じさせようとする集団の動画を —— 。

これは暴動や組織犯罪の瞬間を捉えた映像ではない。ソーシャルメディアのクリエイターの仕業だ。彼らはおもしろいコンテンツを探しているだけだ。そして、それはしばしば、有名な小売店やレストランから追い出されることを意味している。

ウォルマートで、店内に並べられている商品や陳列棚に飛び込む若い男性グループを捉えたこのTikTok動画もその一例だ。

これは数年前から流行している、ソーシャルメディアのクリエイターが店内で暴れることによってクリック数や「いいね」の数を取ろうとする、過激な例の1つだ。

Business Insiderでは、こうしたトレンドにのってターゲットやホーム・デポ、ロウズ(Lowe's)、イケア(IKEA)といった店で撮影された36本のYouTube動画をチェックした。中でも、ウォルマートはこうした動画の標的にされることが圧倒的に多かった。

これらの動画は全て2016年から2019年の間に撮影されたもので、100万回以上再生されたものもあれば、数百回しか再生されていないものもある。

中には、店を出ていくよう言われることを目的とした動画であることをそのタイトルで明示しているものもあれば、動画を「チャレンジ」と呼んでいるものもある。彼らの"おふざけ"を従業員が警察に通報したことを強調する動画もある。

そして大半の動画には、小売店や飲食店の店員にユーチューバーが店を出ていくよう言われる様子が含まれている。

こうした一連の動画は、店内で踊ったり、他の客がいる前でケンカをするなど、比較的害の少ないものから、店内のものを壊したり、店員にハラスメントをするなど、かなり深刻なものまでいろいろだ。

だが、2017年にさまざまな悪ふざけをして複数回マクドナルドを追い出されたと主張するユーチューバーのザッカリー・マクドナルド(Zachary MacDonald)さんは、視聴者が欲しがっているものを与えているだけだと言う。

「店を追い出されるみたいなバカげた動画コンテンツをぼくが作るのは、純粋にエンターテインメントのためだ」と、マクドナルドさんはBusiness Insiderに語った。「つまり、オンラインの人々やぼくの支持者は、普段は目にすることのないもしくはやらないようなクレイジーでとっぴな行為を見たいんだ。そして、ぼくはそれを彼らのために提供している」という。

その上で、彼は「動画コンテンツがクレイジーであればあるほど、再生回数が増える」と言い、「おもしろくて先端的なら、人は友人や同僚にどんどんシェアしていくんだ」と話した。

ソーシャルメディアがなくても、小売店やファストフード店で働く人々は苦労が絶えない。2017年に雑誌『Journal of Consumer Psychology』に掲載された研究によると、特売品をあさる人々は特に、自分たちが関わる従業員を非人間的に扱うことが分かった。

また、サービス業の店員に対する客の嫌がらせについて調べたノッティンガム大学とカーディフ大学の研究者による2013年の研究からは、店員に対する嫌がらせは、客が店でのやりとりを「人間関係というより接触」と見なし、客は従業員よりも「地位が高い」と考えたときに増える傾向にあることが分かっている。

マクドナルドさんは、自身の動画の"悪ふざけ"について、小売店の従業員の仕事を邪魔したり、気分を悪くさせようとは一切思っていないという。

「こういうコンテンツを作るときに悪意は全くなくて、あくまでもエンターテインメント目的なんだ」とし、「こういう動画を作って後悔しないのかと聞かれることもあるけど、ぼくの答えはノーだ。ぼくを支持する人たちにエンターテインメントを提供することができたんだからね」と、Business Insiderに話した。

だが、こうした動画の流行が続く一方で、視聴者が受け入れるにも"限度"があるようだ。ユーチューバーのローレン・ラブ(Lauren Love)さんは5月、ウォルマートに同社の幹部のふりをして乗り込み、従業員にクビだと言って回ったところ、反発を招いた。

この悪ふざけは、6年間この店で働いてきた従業員のマリア・レオネス(Maria Leones)さんを泣かせたという。

「本当に…… わたしは本当にショックで、無力感に苛まれました」と、レオネスさんは地元メディアのClick 2 Houstonに語った。

[原文:Social media is making it even harder to work in stores and restaurants

(翻訳、編集:山口佳美)

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