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- バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの調査によると、ミレニアル世代の31%はアルコールを飲むことが減ったといい、2018年の21%から増えた。
- 中でも、ビールは大きな打撃を受けている。アルコールを飲むことが減ったというミレニアル世代の27%は、ビールを飲まなくなったという。
- ビールを飲むことが減った最大の理由は、カロリーが心配もしくは「ビールは太る」と信じているせいだ。
- これを受け、企業はビールをヘルシーな選択肢としてリブランドするとともに、ワインやハード・セルツァー(アルコール入り炭酸飲料)への投資に取り組んでいる。
ミレニアル世代はアルコールを飲まなくなっている。中でも、ビールは大きな打撃を受けている。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)が調査したミレニアル世代の31%は、以前よりもアルコールを控えているといい、2018年の21%から増えた。この調査はアメリカとイギリスのミレニアル世代1000人を対象に行われたものだ。
飲むことが減ったと答えたミレニアル世代のうち、35%はアルコールの種類にかかわらず全体的に減ったと答えた。27%はビールを飲まなくなったといい、26%はスピリッツを、12%はワインを飲まなくなったという。
アメリカでは近年、ビールの売り上げが低迷している。Business Insiderがユーロモニターから入手したデータによると、2017年から2018年にかけて、ビールの販売量は1%減少した。
BAMLの調査によると、ミレニアル世代がビールを飲まなくなった一番の理由は、栄養上の懸念だ。
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ビールを飲むことが減ったというミレニアル世代のうち、37%はその理由としてビールのカロリーもしくは「ビールは太る」ことを挙げている。19%はアルコールの好みが変わったから、5%はビールはもはやトレンディーではないからと答えた。29%は、ビール離れの理由として「健康上の懸念」や「子どもへの授乳」、「飲んで騒ぐのを止めたから」などを挙げた。
アンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)やその他のメーカーは、ビール離れが進むミレニアル世代に対し、ビールをヘルシーな選択肢として売り込もうとしている。例えば、「バドライト(Bud Light)」はスーパーボウルのキャンペーンで、ライバルの「クアーズライト(Coors Light)」と違って、コーンシロップを使っていないことを中心にアピールした。
同社のチーフ・マーケティング・オフィサー、マルセル・マルコンデス(Marcel Marcondes)氏は2月、「消費者がビールを必ずしもヘルシーである必要はないと考えるようになったら、ビールを飲むことが減り始めるのは避けられない」とBusiness Insiderに語っている。
「だが、ビールは実際、ほぼ天然原料から作られているということや、炭水化物が少ないこと、カロリーが低いことを我々がきちんと伝え、ミケロブ・ウルトラのようなニーズにぴったりあった提案ができれば、状況を変えることができる」と、マルコンデス氏は続けた。
ビール大手は、ビール以外の商品の多様化にも力を注いでいる。アンハイザー・ブッシュ・インベブ、ナチュラルライト(Natural Light)、PBRはこの1年の間に健康志向の消費者を取り込もうと、ハード・セルツァー(アルコール入り炭酸飲料)のブランドを立ち上げている。また、アンハイザー・ブッシュ・インベブは6月、ワイン「ホワイト・ガール・ロゼ(White Girl Rosé)」のメーカーであるベイブ・ワイン(Babe Wine)を買収している。
[原文:Millennials are shunning beer because they say it makes them 'fat']
(翻訳、編集:山口佳美)