アマゾンの11の拠点にテスラのソーラーパネルがある。
REUTERS/Phil Noble
- アマゾンでも2018年にテスラのソーラーパネルによる火災が起きていたと、ブルームバーグとCNBCが報じた。
- アマゾンによると、今後、テスラのソーラーシステムを設置する計画はないという。
- 8月20日、ウォルマートが7つの店舗での火災に関連してテスラを訴えたと報じられた。テスラのソーラーパネルは、同社の200以上の店舗に設置されているという。
- Business Insiderが入手した文書によると、テスラは2018年夏に、全米の不具合のあるソーラーパネルを密かに取り替える「プロジェクト・タイタン」を開始した。
アマゾンは、ウォルマートが起こした訴訟を受けて、同社のグリーンエネルギー部門が調査を行った結果、2018年に同社倉庫の屋上に設置されたテスラのソーラーパネルによる火災があったと発表した。
Eコマース大手のアマゾンはブルームバーグに対し、2018年6月に火災を起こしたのは、カリフォルニア州レッドランズの倉庫に設置されたシステムだと電子メールで答えた。
アマゾンの関係者は、この件に関する公式コメントを避けたが、テスラとの間で追加のプロジェクトを計画していないことを認めている。
この衛星画像では、カリフォルニア州レッドランズにあるアマゾン倉庫の屋根にソーラーパネルが見える。
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「アマゾンの11の拠点にあるテスラの太陽光発電システムは正常に稼働していて、現在も監視と保守を行っている」とテスラの関係者はBusiness Insiderに語った。
「昨年、アマゾンのある倉庫でインバーターの不具合が発生した。テスラはアマゾンと協力して原因を突き止め、改善した。その他の事業所についても点検を行い、システムの安全性を確認している。当社のすべての商業用太陽光発電設備と同様に、安全で信頼性の高い運用を確保するために、積極的に監視し続けている」
ウォルマートは先週、テスラに対し、同社のソーラーパネルを原因とする7店舗の火災が起こり、同社のパネルが設置されている240の店舗で電力供給を停止することを余儀なくされたとして、訴訟を起こした。
同社は訴状で「今日に至るまで、テスラはすべての火災の原因となったシステムの欠陥を特定するのに必要な分析を提供していない。欠陥の数は圧倒的であり、店舗に設置されているソーラーシステムに関して、テスラが契約で定められた管理基準を満していなかったことははっきりしている」と述べている。
テスラは8月23日から20日以内に行う必要があるこの訴訟への回答をまだ行っていないが、先週の共同声明でテスラとウォルマートは、法廷外で合意に達する可能性を示唆した。
その声明では、「ウォルマートとテスラは、すべての問題が解決されたことが確認できれば、店舗でのソーラー発電システムが再稼働することを期待している」としている。
Business Insiderが入手した文書によると、テスラは2018年の夏、「プロジェクト・タイタン」と呼ばれるプログラムを通じて、欠陥のあるソーラーパネル部品の特定と交換作業を開始した。
このプログラムは主に、太陽電池パネルに流れるエネルギーと熱の量を調整するアンフェノール(Amphenol)社製のコネクタと最適化装置に焦点を当てていた。 ソーラーパネルが熱くなりすぎると火が付くことがあるからだ。元従業員によると、これらの部分はプログラムの一環として検査されたという。
テスラの広報担当者は、これまで報道されていなかったこのプログラムについて「過去一年間で、このコネクタを使用したシステムのうち、何らかの異常行動を示したのは1%未満だった」と述べた。
「テスラは、10~20年の契約期間中、クリーンで低コストなエネルギーを生み出すことを期待している顧客への約束を守る。故障したコネクターを交換するこのキャンペーンは、テスラがその約束を果たしていることを示している」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)