Christophe Morin/IP3/Getty Images
- ヨーロッパに住む48人のユーザーの音声データが外部業者に送られていたことで、フェイスブックはEUの規制当局から新たな調査を受ける可能性がある。
- ブルームバーグが8月13日に報じたところによると、フェイスブックは音声認識技術を向上させるため、音声チャットのデータを外部に送信して、文字に変換していたという。
- Politicoによると、フェイスブックは当初、EUのユーザーはこのプログラムに含まれていないとEU当局に伝えていたが、その後の調査で、約50人のユーザーが含まれていたことが判明したという。
- フェイスブックのデータ利用は、アメリカよりも厳しいEUのプライバシー規制に違反している可能性がある。
フェイスブックが音声チャットをテキストに変換していることが明らかになったことで、SNSに対する規制がさらに厳しくなる可能性がある。Politicoの報道によると、フェイスブックはアメリカ人のみを対象としたテスト中に、ヨーロッパの14カ国48人のユーザーからもデータを収集したという。
その結果、各国の当局が独自に調査を開始する可能性がある。フェイスブックはすでに、EU加盟国におけるプライバシー侵害の可能性について10件の調査を受けている。Facebookは最大22億ドル(約2300億円)の罰金を科される可能性があり、これは7月に連邦取引委員会(FTC)がプライバシー侵害で50億ドル(約5300億円)の罰金を科したことに続くものだ。
EUでは、ソーシャルメディアのユーザーにデータ利用を開示するルールをアメリカよりも厳格に定めている。フェイスブックのプログラムは、音声認識ソフトウェアを改善するためにアメリカのユーザーから音声データを収集していたが、ヨーロッパのユーザーがアメリカのユーザーに送った数十件の音声も捕捉されていた。
アメリカのユーザーはこのプログラムを承諾していたが、EUのユーザーに対してはデータが収集されていることを明確にしていなかった可能性がある。フェイスブックはブルームバーグに対し、このプログラムを一旦中止したと述べた。
フェイスブックにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
フェイスブックは、ユーザーデータの取り扱いや、サードパーティーや請負業者がユーザー情報にアクセスする方法について、国際的な調査を受け続けている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)