マルティナ・ナブラチロワは2019年に国際テニス連盟の殿堂入りした。
Dean Treml/Getty Images
- 1990年代にコートに立ったテニス選手は、伝説に満ちている。
- マルティナ・ナブラチロワ、アンドレ・アガシ、シュテフィ・グラフのようなテニス界のレジェンドが活躍し、今日のコートを支配する世代への道を開いたのだ。
- 彼らの成功はテニスの歴史に永遠に残るものだ。そしてなかには今でもテニスに関わっている人もいる。
ロジャー・フェデラー、セリーナ・ウィリアムズ、ラファエル・ナダルは今日のテニス界の大物かもしれない。しかし、未来への道を切り開く偉人は必ずいる。彼ら、現代のスターがコートに現れる前の世代はレジェンドであふれている。アンドレ・アガシ、シュテフィ・グラフ、ピート・サンプラスといった1990年代を支配していた選手たちだ。
彼らの成功はテニスの歴史に永遠に刻み込まれている。彼らの中には今でもテニスに関わっている人もいる。
90年代のテニス界の大スターと彼らの現在を紹介しよう。
ジム・クーリエ(Jim Courier)は、グランドスラムで4つのシングルスのタイトルを獲得した。彼は22歳11カ月で四大大会すべての決勝に進出、という最年少記録を持っている。
AP Photo/Peter Morgan
2000年に引退して以来、クーリエはTennis Channel、USA Network、NBC Sportsなどの放送局で活躍している。2005年からは全豪オープンのTVコメンテーターを務めている。
David Morris
シュテフィ・グラフ(Steffi Graf)はグランドスラムのシングルスで優勝22回、これは歴代3位の優勝回数だ。彼女はまた、1年にグランドスラムを3つ以上優勝することを5度も成し遂げた2人の選手のうちの1人でもある。
1998年、グラフは子どものための慈善団体 「Children of Tomorrow」 を設立した。彼女は2001年にテニス仲間のアンドレ・アガシ(Andre Agassi)と結婚し、2人の子どもがいる。
Richard Shotwell/Invision/AP
ピート・サンプラス(Pete Sampras)は、ロジャー・フェデラーが2017年に8度目の優勝を果たすまで、ウィンブルドン男子シングルスで7回優勝の最多記録を持っており、グランドスラムで14回の優勝を誇る史上最高の選手とされている。
AP Photo
2007年、サンプラスは国際テニス殿堂入りを果たした。今では主に妻と2人の息子と過ごし、テニスラケットやゴルフクラブを手にすることもあるという。
AP Photo/Mark J. Terrill
1990年の全仏オープンで史上最年少の16歳で優勝したモニカ・セレシュ(Monica Seles)は、ユーゴスラビアまたはアメリカを代表する選手として、グランドスラムのシングルス・タイトルを8つ獲得したが、1993年にはコート上で襲撃され、テニスから2年以上も離れることになった。
Reuters
セレシュは2003年の全仏オープンでプロ選手として最後の試合を行い、2008年に正式に引退、2009年に国際テニス殿堂入りした。彼女はそれ以来3冊の本を書いており、製薬会社の広報担当として、過食症問題の啓発に努めている。
Reuters
アンドレ・アガシ(Andre Agassi)は1990年代にテニス人気を復活させたことで知られており、男子選手として初めて、3つの異なる材質のコートの4大大会すべてで優勝した。 彼は1996年にはオリンピックの金メダルを獲得、グランドスラムのシングルスで8回優勝している。
Dan Smith / Getty Images
アガシは2001年に女子テニスのスター、シュテフィ・グラフ(Steffi Graf)と結婚し、2006年の全米オープンの後、テニスから引退した。それ以来慈善活動に没頭し、投資ファンドと提携して全米80カ所を超えるチャータースクールの建設に資金を提供している。
Reuters
1996年に史上最年少のグランドスラム・チャンピオンとなったマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis)は、4大大会の女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスで合わせて25のタイトルを獲得した。彼女は2007年11月に一度引退した。
AP
ヒンギスはダブルスでプレーするために2013年に復帰した。彼女はグランドスラムで女子ダブルス4勝、混合ダブルス6勝をあげた。彼女は2017年のWTA女子ダブルスのランキング1位となって引退し、2019年2月に長女のリアを出産した。
Shaun Botterill/Getty Images
ステファン・エドバーグ(Stefan Edberg)は、グランドスラムでシングルス6回、男子ダブルス3回優勝。スウェーデン出身の彼は、かの国の最高の選手の一人と見なされている。
Shaun Botterill/Allsport
エドバーグは1996年に引退し、2014年から2015年12月までロジャー・フェデラーのコーチを務めた。現在もテニスをプレーすることはあるが、多くの時間を不動産などの投資に費やしている。
Karwai Tang / Getty Images
ガブリエラ・サバティーニ(Gabriela Sabatini)は、80年代後半から90年代前半にかけて、このスポーツで傑出した女性だった。1990年の全米オープン女子シングルスを含めてWTAツアーでシングルス27勝を挙げた。
Reuters
1996年に引退して以来、彼女は香水の販売に携わってきた。2019年には、テニスに多大な貢献をした個人または団体に授与される国際テニス連盟の最高の賞であるフィリップ・シャトリエ賞を受賞した。
Florian Eisele for OIS/IOC Handout Photo via USA TODAY Sports / Reuters
マイケル・チャン(Michael Chang)は17歳の時に全仏オープンのシングルスで優勝した。彼はATPツアーのシングルスで34勝を挙げた。チャンは、ほとんどの相手より背が低かったが、そのスピードで有名だった。2003年に引退。
Lionel Cironneau/AP
2008年に国際テニス殿堂入りし、2014年から錦織圭を指導してきた。
Michael Dodge / Getty Images
ジェニファー・カプリアティ(Jennifer Capriati)は13歳でプロデビューし、最初の3つの大会のうち2つで決勝に進出した。彼女は1992年のオリンピック金メダルとグランドスラムの3つのシングルスのタイトルを獲得した。
A. Messerschmidt/Getty Images
カプリアティは2004年に引退し、2012年に国際テニス殿堂入りを果たした。最近では2013年までに何度が法律上の問題を起こしたが、それ以来、ほとんど注目されることはない。
Bryan Bedder / Getty Images
ボリス・ベッカー(Boris Becker)は1985年に、ノーシード選手としては初めて、ドイツ人としても初めてウィンブルドンのシングルスで優勝した。4大大会シングルスでは6勝を挙げ、オリンピックの男子ダブルスでも金メダルを獲得した。
Bob Martin/Getty Images
ベッカーは1999年に引退し、その後、ポーカープレーヤーと指導者として活動した。2013年から2016年までノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)のコーチをした後、FOXスポーツ・オーストラリアの「The Daily Serve」のコメンテーターも務めた。2017年、破産宣告を受け、2019年には借金返済のために記念品を売却した。
REUTERS/Eric Gaillard
Source: Deutsche Welle
スペインのテニススター、アランチャ・サンチェス・ビカリオ(Arantxa Sánchez Vicario)は全仏オープンと全米オープンのシングルスの優勝を含め、グランドスラムで14勝をあげた。彼女は、オリンピックに5回出場した唯一のテニス選手で、銀メダル2個と銅メダル2個を獲得した。
Andy Lyons/Getty Images
サンチェス・ビカリオは2007年に国際テニス殿堂入りを果たしたが、2019年7月、ラ・バンガルディアは、離婚した後、子どもの保護のために闘っていると報じている。
Matthew Stockman / Getty Images
Source: La Vanguardia
ゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)は、2001年にウィンブルドンで、ワイルドカードで出場して男子シングルスのタイトルを獲得した唯一の選手となった。彼はATPツアーのシングルスで22勝した。
REUTERS/Ahmed Jadallah
イワニセビッチは2004年に引退した後、2013年にコーチ業を始め、ノバク・ジョコビッチは2019年6月に彼を自分のチームに加えた。
Matthew Stockman / Getty Images
ヤナ・ノボトナ(Jana Novotna)は1998年のウィンブルドン女子シングルスで優勝した。彼女は特に女子ダブルスで活躍し、4大大会の女子ダブルスで12勝(2回のキャリアグランドスラム)、混合ダブルスで4勝した。
Reuters
ノボトナは1999年に引退し、2005年に国際テニス殿堂入りを果たし、2年間BBCでコメンテーターを務めた。2017年11月、癌のため死去。
REUTERS/Brian Snyder
パトリック・ラフター(Patrick Rafter)は、オープン化の後で同じ年にカナダ・マスターズ、シンシナティ・マスターズ、全米オープンの3つに優勝した最初の選手。彼はロジャー・フェデラーと3回以上戦って一度も負けていない唯一の選手でもある。1997年と1998年に全米オープンを連覇した。
Reuters
2014年以来、ラフターはほとんど表舞台に出てきていない。オーストラリアのノーザン・リバースに住み、子育てをしながら家族との生活を楽しんでいる。
James D. Morgan / Getty Images
マリー・ピエルス(Mary Pierce)は14歳でプロに転向した。4大大会でシングルス2勝、女子ダブルス1勝、混合ダブルス1勝の計4勝。ピエルスは2000年に全仏オープンで優勝しており、男女を問わず地元フランス人で優勝した最後の選手だ。
Reuters
2006年のプレー中の膝のけがが原因で、結局ツアーに復帰できなかった。それから10年以上にわたり、モーリシャスでテニスを教えている。2019年に殿堂入り。彼女は2015年、若い女子選手にプロへの道を与えるためにマリー・ピエルス・インド洋シリーズを創設した。
REUTERS/Brian Snyder
Source: ESPN
エフゲニー・カフェルニコフ(Yevgeny Kafelnikov)は、グランドスラム大会で男子シングルスと男子ダブルスの両方のタイトルを同時に獲得した最後の選手だ。彼は1996年の全仏オープンでこの偉業を成し遂げた。彼は4大大会で6勝を挙げ、2000年のオリンピックでは金メダルを獲得した。彼は2003年に最後の試合を行い、2010年に正式に引退した。
Gary M Prior/Allsport
引退後、カフェルニコフはポーカーとゴルフの世界に飛び込んだ。2015年までに彼はロシアのトップゴルファーの一人になったが、それ以降は成績は下降している。2019年に殿堂入りを果たした。
REUTERS/Brian Snyder
マルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)は、200週以上にわたってシングルスとダブルスの両方でランキング1位を維持した史上唯一の選手だ。4大大会で女子ダブルス31勝も史上最多。シングルスでも18回優勝している。ナブラチロワは、オープン化後の選手としては唯一、4大大会のシングルスで1セットも失うことなく6回も優勝している。
Dean Treml/Getty Images
ナブラチロワは1994年にシングルスへの出場をやめたが、2000年に復帰し、以後はほとんどダブルスでプレーした後、2006年に引退した。2019年に殿堂入り。彼女は妻と二人の子どもと一緒に南フロリダに住んでいる。彼女は活動家でもあり、テニスチャンネルのアナリストでもある。
Susan Mullane-USA TODAY Sports/Reuters
[原文:WHERE ARE THEY NOW? The biggest tennis stars of the 1990s]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)