アリババのジャック・マー会長「日本を尊敬。だが惜しいことが2つある」。退任直前の助言

ジャック・マー

アリババのジャック・マー会長は、日本の女性にもメッセージを送った。

REUTERS/Charles Platiau

「男性は全体を見て、女性は細部を見る。父を欺くのは簡単だが、母はそうはいかない。

おそらく、物事を完成させることは男性の得意分野だが、より上手に処理するのは女性だろう。ただし、一番いい形で完成させたいなら、男女が一緒にやるべきだ」

アリババの会長を9月10日に退任するジャック・マー(馬雲)氏が8月28日、杭州市で開いた女性起業家大会で、世界中から集まった女性たちを前にアリババや自身が考える「男女論」を展開した。

自分に関心持つ男性、他人に関心持つ女性

マー氏によると、アリババは以前は社員の半分が女性だったが、複数の企業を買収した結果、女性比率が急減してしまったという。

「管理職は幸い34%を維持している。アリババとしても、社員の女性比率を33%以下には絶対にしない。これは非常に重要な指標だ」

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「日本に出張すると、会議室にいるのは男性ばかりだ」

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マー氏は男女の最も大きな違いを、「女性の方がユーザー体験の観察が深い。男性は自分に関心を持ち、女性は家族、同僚など他人に関心を寄せる。女性は他人の感情を読み取り、活発にコミュニケーションを取り、それが成功の要素になる」と指摘した。

ECとテクノロジーで世界を代表する企業になったアリババ。マー氏は女性の優れた観察力や他者への関心が、自社の成長に欠かせない要素であることを、以下のような事実を挙げて説明した。

  • アリババの技術スタッフの女性比率は13%にとどまるが、デザイナーの51%とテスト担当者の半分は女性だ。アリババのAIスピーカーのソースコードは男性が書いたが、デザインは主に女性が担当した。男性は征服が得意で、女性は保護が得意だ。AIの音声の9割が女性の声なのも、安心感を感じさせるためだろう。
  • ECサイトでは、購入者の65%が女性だ。男性が基本的に自分のことしか考えないのに対し、女性は夫、子どもが先に来る。(アリババのECサイト)タオバオ(淘宝)では男性アパレル商品の半分以上を女性が買っているというデータもある。アリババの個人向け融資サービスでも女性の返済は男性より27%速い。

日本の会議室にいるのは銀髪の男性ばかり

講演後の質疑応答では、中国だけでなくさまざまな国の女性から質問が寄せられた。その中には日本人もいた。女性企業家を支援していると自己紹介した日本人女性はこう質問した。

「日本では政治、経済ともに女性の参加度が低いです。まだまだハードルがあります。女性活躍のために、私たちは何をすればいいでしょう。女性の社会参加を促進するために、課題をどう克服すればいいでしょう」

マー氏は、「私は女性、特にアジアの女性のリーダーシップを完全に信じている。中国、日本ともにだ」と述べつつ、日本に変わってほしいこととして、「女性」と「若者」の2つのキーワードを挙げた。

「私はしょっちゅう日本に出張している。日本は進歩が非常に大きく、その点は非常に尊敬している。ただ、2つだけ、もう少し進歩してほしいものがある。

私は日本でたくさんのリーダーに会った。例えば会議室に入ると、そこにいるのは銀髪の男性幹部ばかりだ。若い人はあまりいない。イベントに出ると、そこにいるのは男性ばかりだ。その状況は変化しつつあるし、今後、日本に若い企業家と女性リーダーが増えると信じているが、それは同時に、挑戦的な課題でもある」

そう話したマー氏は、質問者に対し、「女性の指導力、起業家精神をどう醸成するかは、世界が直面している1つの課題だ。ただし、前進することは間違いない。女性たちは誰かが助けてくれるのを待つのではなく、自分から動き、自立しなければならない」と励ました。

(文・浦上早苗 @sanadi37)


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