メルペイは、友だちにメルペイを紹介すると紹介された人と紹介した人両方に1000ポイントを付与するキャンペーンを実施する。
撮影:小林優多郎
メルカリの金融事業を担うメルペイは8月30日、友だちや知人にメルペイを紹介すると、紹介者と被紹介者それぞれに1000ポイント(1ポイント=1円相当)がもらえる「すすメルペイ」を発表した。
メルカリ本体の月間アクティブユーザー数は約1357万人(8月8日時点)だが、メルペイのユーザー数(iDの登録を完了した人数)は200万人超になっている。
メルカリにはすでに友だち紹介でポイントをもらえる仕組みがあるが、メルペイでも同様の仕組みを導入することで、メルペイユーザー数の拡大をねらう。
被紹介者の本人確認でポイントゲット
すすメルペイのキャンペーン概要。
すすメルペイの主なキャンペーン概要は以下の通り。
- キャンペーン期間は2019年8月30日12時〜9月16日23時59分
- 被紹介者は受け取った招待コードを発行し、メルペイの本人確認作業時に入力すると1000ポイント付与
- 個人確認は対応銀行口座の紐付けか「アプリでかんたん本人確認」(eKYC)で可能。9月17日23時59分までに完了する必要がある
- 紹介者は、被紹介者が個人認証を完了すると1000ポイントもらえる
- 紹介者は最大10万人まで紹介できるため、最大で1億ポイントがもらえる(被紹介者としてもらえるポイントの上限は1000ポイント)
- ポイントの有効期限は、付与日から40日間
メルペイの「アプリでかんたん本人確認」の方法。
出典:メルペイ
この通り、本人確認作業の有無が大きな注目点だ。
対応銀行口座があれば本人確認は即時完了するが、対応銀行口座を持っていなかったり、銀行口座を紐づけたくない場合はeKYCを使うことになる。
eKYCは、運転免許証や在留カードさえあれば誰でも利用できるが、メルペイ側での確認が必要なため、作業に時間がかかったり、アプリでの撮影結果次第では差し戻しになったりする。
指定された期限までに被紹介者の本人確認が完了しない場合は、双方にポイントは付与されないため、注意が必要だ。
メルペイはApple Pay対応のiPhoneやおサイフケータイ対応のAndroidスマホでiDとしても決済できる。
撮影:小林優多郎
なお、付与されるポイントはメルカリ内の買い物で使えるのはもちろん、合計135万カ所の非接触決済「iD」とメルペイ(コード払い)加盟店で利用できる。
フリマのメルカリとの隔たりを埋めたいメルペイ
キャッシュレスで盛り上がっているのは若者ではない?
今回のキャンペーンの主なターゲットは、20〜30代の若者層だ。
ビッグローブが3月に実施した「キャッシュレスに関する意識調査」によると、20代の約34%、30代の約33.5%は「(何らかのキャッシュレス決済を)利用したことがない」と答えている。一方で、メルカリの利用者比率は10〜20代が46%、30代が24%と、ミレニアル世代だけで全体の7割をも占める。
メルペイ マーケティング責任者の山代真啓氏。
キャンペーンの発表会に登壇したメルペイのマーケティング責任者を務める山代真啓氏は「メルペイも今のキャッシュレスの比率に等しい形での属性になっている」と、現状ではメルペイの主な利用者は若者層ではないことを認めている。
山代氏は「やはり30代、40代のとくに男性の方が金融リテラシーが高く、最初にスマホ決済を使っている。若い世代はそもそもお金に余裕がないので、管理しやすいという意味でも現金に根強い人気があるのではないか」と分析している。
メルペイのCMに出演するはじめしゃちょーさん(左)とHIKAKINさん(右)。
メルペイは、今回の紹介キャンペーンのテレビCMにYouTuberのHIKAKINさん、はじめしゃちょーさんを起用。若年層への「メルペイ」ブランドのリーチを狙う。
山代氏は今回でのキャンペーンの目標獲得ユーザー数について明言しなかったが、「大幅に利用者数を伸ばしたい、メルカリのユーザー数に比べるとメルペイユーザーはまだまだ少ない。ある意味、伸び代があるのではないか」と意気込みを語っている。
(文、撮影・小林優多郎)