植物ベースの"肉"を使ったファストフードはヘルシーではない…… だが、そこがポイント!

ダンキン

植物ベースの代替肉を使った、ダンキンの朝食向けサンドイッチ。

Irene Jiang / Business Insider

  • バーガーキングの「インポッシブル・ワッパー」からサブウェイの「ビヨンド・ミートボール・マリナーラ・サンドイッッチ」まで、アメリカのファストフード店では植物ベースの代替肉を使ったメニューがトレンドになっている
  • こうしたメニューは、栄養的にも代替肉を使わないオリジナルのメニューとよく似ている。
  • ビヨンド・ミートやインポッシブル・フーズといった企業は、必ずしも消費者のからだにとって良いものを作ろうとはしていない。今の焦点は、単に動物の肉を植物の"肉"に置き替えることだ —— そして、それはうまくいっている。

アメリカのファストフード業界では、植物ベースの代替肉がトレンドになっている。だが、それは必ずしもあなたのランチがヘルシーになっているというわけではない。

インポッシブル・フーズやビヨンド・ミートといった企業と提携して開発したファストフードのメニューは、一般的にそれが模倣する代替肉を使わないオリジナルのメニューと栄養的にもよく似ている。

代替肉を使ったインポッシブル・ワッパーは630カロリー、オリジナルのワッパーは660カロリーだ。飽和脂肪は、インポッシブル・ワッパーが11グラム、ワッパーが12グラムだ。ナトリウムは、インポッシブル・ワッパーが1240ミリグラム、ワッパーが980ミリグラムだ。

チャート

代替肉メニューとそのオリジナル・メニューの栄養面での比較。

Shayanne Gal/Business Insider

栄養士のホイットニー・スチュアート(Whitney Stuart)氏は以前、ケンタッキーフライドチキン(KFC)の新メニュー「ビヨンド・チキン」について、「肉ベースであれ、植物ベースであれ、加工食品はわたしたちの食生活において栄養的に必要なものではありません。質の低い油が関係してくれば、なおさらです」とINSIDERに語っていた

よりヘルシーな食べ物をと考えて植物ベースの商品を求める人がいる一方で、栄養素はこうした新メニューの核心ではない。大手チェーンが次々と新たなメニューを登場させる中、その狙いが新たなメニューの考案ではなく、すでにあるメニューの模倣であることは明らかだ。

"ファストフードでない何か"を作ろうとしているわけではない

インポッシブル・ワッパー

インポッシブル・ワッパー。

Antonio Villas-Boas/Business Insider

ファストフード・チェーンは数年前、インポッシブル・バーガーやビヨンド・バーガーを自分たちのメニューに取り入れた。だが今、企業は自身のブランドを維持したまま、もともとあったメニューの新しいバージョンを生み出している。

バーガーキングの親会社であるレストラン・ブランズ・インターナショナルのCEOホセ・シル(Jose Cil)氏は、社内でも植物ベースの「ワッパー」を出すべきか、ワッパーの評判を汚さないよう完全に新しいハンバーガーを出すべきか、議論を重ねてきたと、Business Insiderに話している。

「ワッパーのブランドを使うなら、本当に優れた商品でなければならない」とシル氏は言い、「ワッパーのブランド、伝統はとても強い。質の高い、美味しいハンバーガーとして知られている。何か他のものにこのラベルを付けるのはとても難しい」と語った。

商品の質の高さがワッパーの新バージョンとしてメニューに出すことを幹部に納得させ、同社は肉を使ったワッパーそっくりだと宣伝している。

模倣するがゴールなら、低カロリー、低脂肪の追求は、食感や味を完璧に再現することの二の次だ。新たなメニューは必ずしも既存メニューに比べてヘルシーである必要はなく、100%ビーガンである必要もない —— ただ手品のように、肉を植物と入れ替えればいいのだ。

多くの人にとって、植物ベースの代替肉は健康とは無関係だ。しかし、気候変動や工場方式の畜産と戦い、肉の消費を減らすには役立つ。誰にも気づかれることなく、肉と植物を入れ替えられるものか、単に興味があるという人もいるだろう。

ファストフード・チェーンは消費者の好奇心を察知し、それをビジネスに変えた。ビヨンド・タコやインポッシブル・ワッパーといった代替肉メニューは、デルタコ(Del Taco)やバーガーキングの売り上げを大幅に伸ばした。そのうち、企業は植物ベースの代替肉のもう1つのメリットを見つけた。価格の安さだ。

植物ベースの代替肉メニューを作るにはお金がかかる。だが、ビヨンド・ミートのCEOイーサン・ブラウン(Ethan Brown)氏は、今後5年以内に動物の肉よりも安く代替肉を作れるようになる計画だと述べている。また、肉の価格が上がれば、ファストフード・チェーンにとって植物ベースの代替肉を使ったメニューを用意しておくことは、価格を維持し、価格にシビアな消費者を取り込むための重要な対策となり得る。

植物ベースの"肉"メーカーは、ファストフードをそうでない何かに変えようとしているわけではない。インポッシブル・フーズやビヨンド・ミートがやっているのは、その逆だ —— 彼らは"肉"を大きく超えない、全く同じ味のファストフードが求められていると考えている。

[原文:Plant-based fast food isn't any healthier than the originals — and that's the point

(翻訳、編集:山口佳美)

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