Sponsored

敏腕ヘッドハンターが語る「転職すべき人、しないほうがいい人」

西川晴之さん

終身雇用の限界や労働人口の減少など、就業構造の変化を背景に“売り手市場”といわれる転職市場。副業や、本業以外でキャリアを築くパラレルキャリアなど、キャリアの多様化も転職市場の活況に拍車をかけている。

私たちは、この先のキャリアをどのように描けばいいのか。これまで数多くの転職希望者を支援してきたパーソルキャリアのヘッドハンター西川晴之さんは、キャリアを積み上げるうえで「転職だけが選択肢ではない」と話す。敏腕ヘッドハンターは、これからの働き方をどう考えるのか。「転職すべき人と、しないほうがいい人」の違いとは?

これからは個人がキャリアに「オーナーシップ」を持つ時代

西川晴之さん

西川晴之さん。パーソルキャリア株式会社エグゼクティブエージェント エグゼクティブコンサルタント兼マネジャー。東証一部上場メーカーにてクライアントへのコンサルティング営業、全国各地での拠点統括責任者を経験。多数のマネジメント経験からリソースの中の「人材」の重要性、価値を体感する。特に国力へのインパクトの強いエグゼクティブ領域支援を自身の使命と捉えパーソルキャリアに参画。

——近年は新卒採用も空前の売り手市場と言われています。中途採用市場も活況のようですが、ヘッドハンターとして転職市場の動向をどうご覧になっていますか。

西川晴之さん(以下、西川):私は主にミドルからエグゼクティブ層、スペシャリストやマネジメント領域のプロフェッショナルを担当しています。担当になった5年前と比べても、転職希望者は増加傾向です。企業側も変化していて、これまで日本の企業の多くは新卒採用で入社した生え抜き社員を重用するプロパー至上主義文化が根強かったのですが、中途採用が活発になっています。つまり、即戦力の人材を求める企業が増えてきているということです。

——いま、企業が中途採用で出す求人に、目立った傾向はありますか?職種やキャリアの特徴があれば教えてください

西川:我々がご相談いただく職種として多いのは、新規事業開発・経営企画・新素材開発・SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)・CXO(Chief X Officer、部門や組織の責任者)など。企業の変革フェーズで活躍できる人材のニーズが高まっています。中でも最近では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」、つまりデジタル変革の戦略立案から実行までを担当できる人材のニーズが特に高いですね。デジタル人材の育成は時間がかかる半面、企業経営にも大きなインパクトを与えます。課題を捉えて、自らビジネスを推進できる人材が求められていると感じます。

また、業界問わず転職市場全般に言えることですが、自分のキャリアについて「オーナーシップ」を持って考えられる人が求められています。ご存知の通り、今は終身雇用時代からの転換期です。一つの会社に定年まで勤め上げる時代ではなくなってきている。だからこそ、個人が「自分のキャリアは自分のものだ」という当事者意識を持ち、主体的にキャリア形成できるスキルが必要です。

外部環境の変化を経験した人も強いですね。特に変革フェーズの企業においては、社内にさまざまな考え方を持ったメンバーが混在しています。そのため組織内のコンフリクトが生じやすい。その状況においてもリーダーシップを発揮できる人、自ら組織の変革を推進できる人が求められていると感じます。

仕事に求める「will/can/must」を整理することが転職の第一歩

西川晴之さん

経営者のビジネスパートナーとしてCXOポジションや事業にインパクトのあるポジションの支援に強みを持つ。ヘッドハンターとしての得意分野は消費財、サービス、インターネット業界。

——転職を希望する人たちは、どのような動機で転職しようとしているのでしょうか。

西川:今、転職者を後押ししているいくつかのキーワードがあります。「VUCA(Volatility=不安定性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性)」「人工知能(AI)」「終身雇用の崩壊」です。未来の予測ができず、現職に居続けられる保証がなくなってきたことによる不安から、今のうちに転職しようという動機です。

もう一つの大きな波は「人生100年時代」。この先70、80歳まで今の会社で働き続けるのがいいことなのか。売り手市場だし、とりあえず転職活動すればいい業界に移れるのではないか、と思う方も増えています。

転職希望者の中には、今の職場への漠然とした不安や不満だけで転職を考える人もいます。でも、私はその場合、あまり転職はお勧めしません。

——ネガティブな動機だけで転職するのは良くない。でも、現状に不安や不満を抱いて転職活動をしている人は、多いはずです。そういう人は何に気をつけたら良いのでしょうか?

西川:ネガティブな動機がすべて悪いわけではありません。むしろ転職活動のスタートが不安や不満からくることは至極当たり前だと思います。ただし、不安や不満を見つめ直し、自分がなぜ転職したいのか、仕事に何を求めるのかをじっくり内省することが必要です。

内省するポイントは3つあります。一つ目は“will”。自分が仕事を通してやりたいことや、成し遂げたい目標、もっと噛み砕くと自分が仕事でわくわくできることは何なのか。二つ目は“can”。これまで自分がやってきた仕事や、組織で活かせるスキルや技術、強みは何かということ。三つ目は“must”。例えば年収や勤務地、働く環境などこれだけは譲れないという条件です。

まずはこれらをしっかりと自己分析して整理し、3つの重なる部分を見つけていくことが、転職活動するうえで大事なポイントです。

今の会社にとどまったほうがプラスになることも

西川晴之さん

これまで数多くの転職希望者を支援してきた西川さん。最初の面談時に具体的な希望が固まっている人は少ないという。一人ひとりに時間をかけて向き合い、その人に合った答えを導いていく。伴走するようにサポートするのが西川さんのスタンスだ。

——「ヘッドハンター」と聞くと、外資系企業の転職活動で使っているような取っ付きにくい印象があります。実際にはどんな存在なのでしょうか。西川さんのお仕事について教えてください

西川:ヘッドハンティングサービスにもさまざまありますが、私たちのスタンスはいわゆる引き抜きではありません。企業の経営者から事業課題や今後の事業戦略をヒアリングし、課題解決にふさわしい人材の要件をすり合わせます。時には経営者の壁打ち相手になることもあります。

——転職を希望する人へはどのような提案をしているのでしょうか。

西川:私の場合、まず求職者の転職動機を聞くことから始めます。なぜ転職を考えようと思ったのか、きっかけは何だったのか。そこから仕事で成し遂げたいことや、大事にしている価値観、今まで会社でやってきたこと、なぜそれがうまくいったのか?などを一つひとつ掘り下げていきます。先ほどお話ししたwillとcanの部分ですね。ご自身で振り返ってもらうことが大事なので、こちらから無理に答えを誘導することはありません。最初にお会いしたときは求人票を見せて具体的な案件を紹介するよりも、じっくり聞くことに徹します。

——なんだかカウンセリングみたいですね。

西川:そうですね。例えば、転職しようとしている方が独立したとして、会社の看板がなくなったら、どんな仕事が提供できるだろう?と、一緒に考えたりもします。やりたいことが見えてきたら、絶対に外せない条件を伺い、その段階で合致しそうな案件を提案する流れです。

私たちは転職をゴールにした支援はしていません。なぜなら転職はリスクになることもあるからです。今の会社で、お互いよく知ったメンバーの中で出せていたパフォーマンスが、果たして新天地で発揮できるかはご本人次第です。しかも今は即戦力が必要とされていますから、求められるパフォーマンスは高い。「今の環境から逃げ出したい」が動機では、同じ理由で転職を繰り返してしまうかもしれない。むしろ、今の会社に留まったほうがいいこともあります。

実は転職を選ばず会社に残った人でも、パフォーマンスが上がっている人が多いです。転職理由を突き詰めるうちに「実は他人のせいにしていた」と反省したり、自分の弱みが見えたりするからかもしれません。

——大事なのはまず自分が仕事に求めることを明確にすること。ヘッドハンターは個人のオーナーシップを引き出してくれる役割なのかもしれませんね。

西川:キャリアアップも大切ですが、自分が達成したいことをやりがいある環境で実現できるのが理想の転職だと思います。転職された方とは入社後にも定期的にフォローしていますが、生き生きと働いていたり、企業側からも「〇〇さんに入社していただいて助かりました」と感謝の言葉をかけていただいたりしたときはヘッドハンターとしてもやりがいを感じますね。

個人の専門性の掛け算が強みになる

西川晴之さん

最終的に「転職」という選択肢を選ばなかった人とも今でも交流が続いているという。「相談に乗ることもありますよ」と西川さん。キャリアに悩んだ時の頼れる存在として信頼も厚い。

——今後、転職市場はどのように変化していくとお考えですか?

西川:転職市場はリーマンショック以降に一度落ち込んだものの、今は活況です。求人案件も増加していますが、内定傾向が二極化してきたように感じます。ニーズが高い職種はより高度な専門性を求められる一方で、AIに代替できない仕事の領域は今後も残っていくといった傾向です。

労働人口の減少は前提としてありますが、正直、将来どうなるかはわれわれヘッドハンターも採用企業側も予測がつきません。その上での採用活動なので、変化する環境に対応できる柔軟性がある人、学び続ける思考がある人は今後も必要とされるでしょう。

——キャリアの選択肢もますます多様化していくのでしょうか。

西川:パラレルキャリア、起業、フリーランスなど働く選択肢は増えてきました。さらに将来、定年が引き上げられて70歳、80歳まで働く時代がやってくるかもしれません。転職市場でも、ご支援実績として正社員以外に業務委託や顧問として企業に参画いただくケースがありました。

定期的に自分のキャリアを棚卸ししてみる

西川晴之さん

——先が見えない時代、私たちが今のうちから準備できることは?

西川:まずはご自身の専門性を磨くことです。最近では、専門性が掛け算になると市場価値が上がる傾向にあります。例えば、エンジニアのスキルがありながら経営ができる人や、人事のプロフェッショナルで数字にも強い人などですね。今後も転職市場は拡大すると予想されます。変化に対応できる柔軟性と自分の専門性を複数持っておくことが将来きっと強みになるはずです。

——転職をすべきか、いまの会社にとどまるべきかと悩んでいるビジネスパーソンにアドバイスをお願いします。

西川:まずは、定期的に自分のキャリアや強みなどを棚卸しすることです。キャリアシートに書き出してみて、何かプロジェクトがうまくいったらアップデートしておく。アウトプットすることで、もやもやした悩みも整理できますし、自分のキャリアを客観的に見られます。

身近な人に相談したり、社外の人と会う機会をつくってみたりするのも気づきがあるかもしれません。よくないのは思考を止めてしまうこと。意志なく惰性で同じことを続けていても視野が広がらないので。

あとは情報収集ですね。もしぼんやりとした不安や気がかりなことがあれば、また、転職市場で自分はどれくらい市場価値があるのか知りたい場合は、私たちを活用いただければと思います。その上で自分のキャリアのオーナーシップを意識する。まずはご自身の「キャリアに戦略を持つ」ことから始めてみてはいかがでしょうか。


iX転職のサービス概要についてくわしくはこちら

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中