楽天・三木谷社長「慎重を重ねてスタートする」キャリア参入、5000人限定「無料サポータープログラム」とは?

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世界初の「フル仮想化」した通信キャリア・楽天モバイルの強みを語る、楽天の三木谷浩史会長兼社長。

撮影:伊藤有

楽天モバイルは10月1日からのMNO(キャリア事業)新規参入に向けて、サービスの詳細を発表した。

8月の決算発表会見で明らかにしていた「スモールローンチになる」との見通しのとおり、当初は利用者を5000人に限定した無料サービスとしてスタートする。

楽天モバイル「無料サポータープログラム」の全体像

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撮影:伊藤有

利用希望者は、10月1日午前0時〜7日午前9時59分まで、楽天モバイルWebサイト内の「無料サポータープログラム」申し込みページで受付。人数が募集を上回った場合は抽選となる。契約成立後は、10月13日から順次SIMカードが発送させる予定で、このSIMの到着、ユーザーの利用開始を持ってサービスインとなるようだ。

申し込みの条件は楽天モバイルの独自エリアである、東京都23区、大阪市、名古屋市、神戸市に在住であることだ。

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撮影:伊藤有

楽天独自エリアの基地局の設置については、当初の目標を大幅に下回っているとして、8月に総務省からの指導も受けている。エリア展開を危ぶむ見方もあったが、具体的な数字は明かされなかったものの、10月のサービスインまでに「エリアに対して十分な数を確保できる」見通しだという。

「独自エリア」「ローミングエリア」での接続性はどうなる?

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楽天独自に提供するエリアの1つ「東京23区」のカバー状況。

撮影:伊藤有

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楽天独自に提供するエリアの1つ「大阪市」のカバー状況。このほか、名古屋も独自エリアになる。

撮影:伊藤有

独自エリア以外では、auとの提携によるローミング接続となる。楽天モバイルの説明によると、独自エリアからローミングエリアへの移動時には、通信がいったん途切れるとのこと。

データ通信の場合は2秒程度でリカバリー(再接続)されるため、ほぼ問題ないが、VoLTEによる通話は2020年4月以降にシームレスなローミングが可能になるまでは、(独自回線網とローミングが切り替わる際に)いったん切断されてしまう。楽天ではIP通話が可能な専用アプリ「Link」の使用を推奨する予定で、「Link」での通話は(2020年4月以前でも)エリアをまたいでも途切れず利用できるという。

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楽天独自のコミュニケーションツール「Link」。独自基地局とKDDIがローミング提供する通信網を行き来して使うため、当初の「切り替え時に途切れる場合がある」問題をこのツールでカバーする。

撮影:伊藤有

なお、「無料サポータープログラム」では、品質テストやアンケートに回答することを条件に、「Link」での通話、VoLTEでの通話、データ通信に加えて、国際通話や海外での国際ローミング、SMSもすべて無制限で利用できる。

プログラムの提供予定は2020年3月31日までとなっているが、それ以前に商用サービスがスタートすればその時点で終了となる。

この終了予定時期から推測して、本格的な商用サービスの開始が来春になるとの一部報道もあったが、楽天の三木谷浩史社長はこれを否定。

「世界初の(専用の高価な機材を使わない)完全仮想化ネットワークだけに自信は持っているが、慎重に慎重を重ねてスタートするということ。安定稼働が確認でき次第、可及的速やかに商用サービスに移行する予定だ」(三木谷社長)

と説明した。

具体的に目標としている時期については明言は避けたが、早ければ年内にもとの思いをにじませた。

気になる「第4のキャリア楽天の新料金」は先送り

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質疑応答に答える三木谷社長。

撮影:伊藤有

今夏、ドコモ、auなど、大手キャリアの決算会見では、楽天モバイルの料金発表を待って自社サービスの料金を検討したい旨の発言もあった。

蓋を開けてみると、肝心の楽天モバイルの料金プランは未発表。「第4のキャリア楽天モバイル」の参入で、市場競争を活性化させるという総務相の目論見も、先送りとなった形だ。

しかし三木谷社長は、

「完全仮想化ネットワークはコストが異常に安い。またシナジーが期待できる楽天の会員数はすでに1億人を突破しており、新たな顧客獲得コストも抑えられる。政府が思っている以上に、安価な料金プランで提供できる」(三木谷社長)

と、料金プランの「割安さ」に関してはかなり自信があるようだ。

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楽天モバイルが展示した基地局のアンテナ設備。

撮影:伊藤有

なお、料金プランそのものは未発表だったものの、楽天モバイルの山田善久社長は同社のサービス方針として「縛りなし」「最低利用期間なし」「違約金なし」「全機種SIMロックフリー」であることを明らかにしている。

対応端末は、楽天モバイルのMVNOサービスと共有だが、この日新機種としてスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターなど、9機種を発表した。

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小型軽量(79g)のオリジナル端末として発表された「Rakuten Mini」。eSIMを採用し、契約から30秒で使い始められるという。

撮影:伊藤有

このほか楽天モバイル独自の端末として、おサイフケータイ対応、カードサイズのコンパクトスマートフォン「Rakuten mini」が発売される。これらの対応端末では、通信の初期設定の1つである「APN設定」が不要で、SIMカードをセットするだけですぐに使い始めることができるという。

なお、MVNOとしての楽天モバイルのサービスは10月以降も継続予定。ゆくゆくはMNOサービスへの移行を促していく計画だが、当面は並行してサービスを提供していくという。

(文、写真・太田百合子)

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