いよいよ発売、折りたたみ型スマホ「Galaxy Fold」実機がスゴかった ── 果たして「買い」か?【IFA2019】

Galaxy Foldハンズオン

ついに正式発売となったGalaxy Foldは、中央から折りたたむことでスマートフォンになる。

撮影:小山安博

不具合によって発売延期となっていたサムスンの折りたたみ型のスマートフォン「Galaxy Fold」が、ついに発売された。韓国での発売を皮切りに、9月18日には欧州などでも販売が始まる。

ドイツ・ベルリンで開催中の家電見本市「IFA 2019」の会場でも、Galaxy Foldの実機が公開されている。4月の発売延期以来、不具合を解消し、満を持しての登場。実機を触ってみると、思わず興奮してしまう、久々の「ワクワク感」を感じる端末に仕上がっていた。

Galaxy Foldの折りたたんだ状態(正面)

Galaxy Foldの折りたたんだ状態


Galaxy Foldを開いたところ

Galaxy Foldを開いたところ

Galaxy Foldのような折りたたみ「フォルダブル」と呼ばれる折りたたみ型のスマートフォンだ。

一般的に折りたたみ型と言えば、日本でも普及していた上部にディスプレイ、下部に10キーがある本体を上下に折りたたむタイプを指していたが、Galaxy Foldは、タブレットのような全面ディスプレイを中央で折りたたんで、一般的なスマートフォンサイズにする、というもの。

メインディスプレイが内側に折りたたまれる谷折りタイプ

谷折りタイプ

似たような製品で他社からすでに市販されているものや開発中の製品もあるが、ディスプレイが前面に露出する「山折り」と、ディスプレイを内側に折り込む「谷折り」の2種類のフォルダブル端末がある。Galaxy Foldは後者の「谷折り」タイプだ。


スマートフォンとしては細身のボディ。背面にカメラ、前面にディスプレイというデザインはいたって普通のスマートフォンに見える

スマートフォンタイプ

折りたたんだ状態のGalaxy Foldを持ってみると、一般的なスマートフォンよりは細身のスタイル。サイズ感としては、KDDIのフィーチャーフォン「INFOBAR xv」ぐらいの感覚だ。細いので持ちやすい。

スマートフォンモードでは、特に上下の余白が広く、もう少し工夫が欲しかった

スマートフォンモード 余白

ディスプレイは、中央部に4.3インチで表示されるが、細身のボディーに収めているため、ディスプレイ以外の部分にかなりの余白がある。

どちらかというと、「通知画面」と考えた方が良さそうだ。フル機能のAndroidが動作しているため、その状態でも通常のスマートフォンと同様の操作はできるのだが、あくまでサッと内容を確認する、「スマートウォッチの画面が大きい版」という使い方が向いている。


6.8インチの大画面を搭載する「Galaxy Note10+」(左)との比較

スマートフォンモード比較


タブレットモードのFold(右)とGalaxy Note10+(左)。タブレットとしてはコンパクト

タブレットモード 比較


スマートフォンとタブレット、それぞれのモードでの厚み

厚み


開いた状態でも背面のカメラは利用できる。スマートフォンモードで内側に収まるインカメラはデュアルカメラ

カメラは両面にある


タブレットモードでのメインカメラ

タブレットモードでカメラ起動


スマートフォンモードでもカメラは動く

スマートフォンモードでカメラ起動

背面にはフラグシップモデルの「Galaxy S10」と同様の3つのカメラを搭載しており、撮影用のファインダーとしても十分に機能する。

正面カメラもあるので、そうしたカメラ用途としては細身でコンパクトなので扱いやすい。

開閉操作が楽しい。無意識に「パカパカ」してしまう

「パカパカ」という以前の折りたたみケータイと似た感触があって、ついつい不必要に閉じたり開いたりを繰り返してしまう気持ち良さがある。ちなみに、「1日100回の開閉を5年間行う」という基準での試験をパスしているそうだ。

開くと、7.3インチの大型ディスプレイが現れる。8インチクラスのタブレットとあまり変わらないサイズ感で、コンパクトなタブレットとして十分使える。

中央部で折りたたまれていたOLEDは、開いてみると角度によっては折りたたみ跡が見えるが、触っても段差などは感じず、普通のタブレットと変わらない感触だった。

通常は中央の折りたたみ跡は見えないが、角度によっては多少見える。実用上はほぼ問題なさそう

折りたたみ跡

発売延期の原因となった不具合では、このディスプレイが浮き上がるなどの問題が発生したが、以下のような工夫を行い対策したという。

  • OLEDの下層にある保護層を強化
  • 折りたたみ部に爪を設けて、浮き上がりを防止
  • ヒンジ部のすき間を最小限にして異物の侵入を防ぐ

上下にある爪の部分。ディスプレイ部を押さえている

爪の部分


ヒンジ部のすき間もなくして異物の侵入を防いでいる

ヒンジ部

そもそもこうした問題に気付かなかったのは開発期間が短すぎたという可能性はあるが、4月の発覚から半年も経たずに問題を解決してきたことは素直に好印象。

実際、手に持ってパカパカしてみると、精密感もあってワクワク感が高まる。単純に興奮するのだ。

昨今のスマートフォンとしては分厚い。指紋センサーが側面にあるのはおもしろい。

厚み


開いた状態では薄型(厚さ7.6ミリ)のタブレットのよう

タブレットモード 厚さ


ディスプレイが内側に来るので安心感がある

内側に折る

ハイスペックなスマートフォンやタブレットとしても活用でき、持ち運びも細身のスマートフォンサイズになって簡単。

例えば、ファーウェイのフォルダブル端末は山折りでディスプレイが前面に出るが、この場合は裸で持ち歩くと傷つくのが恐い。その点、谷折りとなるGalaxy Foldはディスプレイが内側に収まるので、持ち運び時の傷付きが避けられる。

3つのアプリを同時起動できる。それぞれのアプリの表示サイズも変更可能

マルチアプリマルチアプリ

パフォーマンスについても、短時間触れた程度であれば気になる部分はなかった。

3つのアプリを同時に起動して使うこともでき、それぞれのアプリケーションが快適に動作する。ハイエンドスマートフォン、ハイエンドタブレットとして十分な性能だろう。

5Gに対応している点もポイント

5G対応


背面のトリプルカメラやインカメラのデュアルカメラなど、十分なスペック

背面カメラ

こうしたスマートフォンとタブレットの融合といった製品は、今までにもあったがどっちつかずになりがちだった。

Galaxy Foldもスマートフォンとしては分厚く、タブレットとしてはやや小型。タブレットとして見ると、折りたたんだり開いたりといったワンステップが必要。また価格が日本円換算で20万円を超えるため、万人向けとは言いがたい。

ただ、使っていると、なんとも楽しい。持ち運びやすさやシーンに応じた使い分けなどといったメリットはあるが、正直、この「所有欲を満たすデバイス」としての楽しさ以上のメリットはないと思う。


「折りたたみ型スマホが欲しい」と思うなら買い

Galaxy Foldは使い手を選ぶデバイスではある。単にスマートフォンとタブレットが欲しい、という人ならば、別々に購入した方が安上がりだし選択肢も多い。単なるハイスペック端末が欲しいという人も、これ以外の選択肢は多い。とにかく「新しいものが欲しい」そういう人が、Galaxy Foldを買うべき人だ。

韓国では9月6日に発売が始まり、その後欧州で発売。アメリカでもそう遠くない先に投入されるだろう。日本に関しては現時点で未定とされているが、仮に発売されることになっても、さすがに販売数は限られそうだ。数百台規模で完売する、というのが現実的ではないだろうか。

Galaxy Fold自体はNFC決済に対応しているので、日本発売時にはFeliCaを搭載しておサイフケータイに対応してくれれば、より実用性も高まってうれしいところだ。

(文、撮影・小山安博)


小山安博:ネットニュース編集部で編集者兼記者、デスクを経て2005年6月から独立して現在に至る。専門はセキュリティ、デジカメ、携帯電話など。発表会取材、インタビュー取材、海外取材、製品レビューまで幅広く手がける。

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