バージニア州リッチモンドのタバコ店で。2019年1月18日。
AP Photo/Steve Helber
- アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、全米26州で少なくとも380件の電子タバコに関連する可能性がある病気を調査している。
- この病気はすでに少なくとも6人の命を奪っている。
- 電子タバコに関連した疾患について時系列でまとめてみた。
電子タバコに関連した病気と死の謎は増え続けている。
アメリカ疾病予防管理センターは、全米26の州で少なくとも380例の電子タバコ関連疾患が報告されたと発表した。これらの疾患はすでに少なくとも6人の命を奪ったと報じられており、医師や医療専門家は、今後さらに増える可能性があると懸念している。
9月11日、トランプ政権はミント味やメントール味を含むすべてのフレーバー付き電子たばこの禁止を推進すると発表した。
アメリカ保健福祉省のアレックス・アザール(Alex Azar)長官は声明で、「トランプ政権は、子ども、家族、学校、地域社会に影響を及ぼしている若者の電子タバコ使用の深刻な問題を解決するために、味のついた電子タバコの市場から一掃する」と述べた。
政府はこれとは別に、電子たばこを使用しないよう勧告している。
CDCのダナ・ミーニイ-デルマン(Dana Meaney-Delman)博士は記者会見で、「調査は現在進行中だが、現在のところ、重度の肺疾患を予防する主要な手段となるため、CDCは電子タバコを使用しないよう勧告している。」と述べた。何が原因かはまだ明らかになっていないが、大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)を吸引している若い人たち(主に男性)に影響があるようだ。
一部の専門家によると、その原因は、違法で規制されていない気化器でTHCと同じく大麻成分のカンナビジオール(CBD)を乳化するために使用されるビタミンEアセテートのような化学物質かもしれない。
「ほとんどの肺損傷症例が、THCやCBDを乳化して違法に気化させるために使用された化学物質に起因しているとしても、合法的に販売されているニコチンをベースにした電子葉巻は販売中止にならない。メーカーは製品の安全性を確認するために、若者の使用をやめさせて、調査プロセスに協力することが必要だ」と、食品医薬品局(FDA)元長官のスコット・ゴットリーブ氏は述べた。
「合法的な電子タバコのリキッドは一般的に、急性肺障害を引き起こす可能性のある油ではなく、水溶性の化学物質だ。ニューヨーク州保健局が検査したほとんどすべての大麻成分を含む製品から、高レベルのビタミンEアセテートが検出された。違法な電子タバコ製品を使うべきではない」とゴットリーブ氏は言う。
以下に電子タバコ関連疾患についてのニュースを時系列にまとめてみた。
8月17日
電子タバコを吸う2人の若者。8月17日、サンフランシスコ。
Associated Press
CDCの関係者は、14州で約94件の病気を積極的に調査していると述べた。その数は後に22州で200例に増加する。
当局はまだ病気の特定の原因を特定していませんが、違法な電子タバコ製品でTHC、CBD、ニコチンを乳化するために使用される油と化学物質が原因であると考えていた。
8月23日
Associated Press
電子タバコによる最初の死亡例がイリノイ州で報告された。死亡した男性の名前は明らかにされていない。彼はニコチンを摂取するために電子タバコを使用していたと伝えられている。
9月3日
Facebook/selectstrains
オレゴン州保健当局は、電子タバコの使用後に重度の呼吸器疾患によって死亡した事例について、積極的に調査していると述べた。この中年男性の病気の根本的な原因は特定できていないが、彼は合法的に購入した大麻成分を気化した後に病気になったと、AP通信が報じている。
9月4日
Mario Anzuoni/Reuters
元FDA長官のスコット・ゴットリーブ博士は、ワシントン・ポストに寄稿した論説で、これらの病気や死亡の原因を調査するために行動を起こすよう連邦当局に求めた。「有害性の低い成分と過度のリスクをもたらす成分の間には、明確な線引きが必要だ。そうなれば、違法で危険なジュースを取り締まるための情報が規制当局に提供されることになる。THCとCBDが監視を逃れることを可能にしている政治的矛盾に終止符を打つ時だ」とゴットリーブ氏は書いている。
9月6日
Ben Gilbert/Business Insider
インディアナ州の保健当局は、電子タバコによる3例目の死亡を確認した。その直後、ミネソタ州で4人目、カリフォルニア州で5人目が確認された。
他の死亡例と同様、当局は原因をまだ特定していない。しかし、65歳のミネソタの男性には肺疾患の病歴があった。ニューヨーク・タイムズによると、彼は違法な製品を使用した後、病気になった。
9月6日
ノーマン・シャープレスFDA長官代行
Wikimedia Commons
FDA長官代行のノーマン・シャープレス(Ned Sharpless)氏はTwitterで「電子タバコに関連する呼吸器疾患と死亡例に関する調査は、FDAおよび連邦、州、地域の医療パートナーにとって最優先事項である。私たちは、これらの事件に関する情報を収集し、分析するために、たゆまぬ努力をしている」と述べた。
イリノイ州選出のディック・ダービン(Dick Durbin)上院議員(民主党)はシャープレスに宛てた手紙の中で、迅速な行動を求めた。
9月10日
Brendan McDermid / Reuters
カンザス州保健局は電子タバコ関連で6例目となる「50歳以上の男性」の死亡を発表した。
カンザス州保健環境局のリーノーマン(Lee Norman)博士は、「あなたや大切な人が電子タバコを使っているなら止めなさい。数百件の肺損傷症例が報告されており、死亡者数は増加し続けている」と述べた。
9月11日
Erin Scott/Reuters
トランプ政権はミント味やメントール味を含むすべてのフレーバー付き電子たばこの禁止を推進すると発表した。
アメリカ保健福祉省のアレックス・アザール(Alex Azar)長官は声明で、「トランプ政権は、子ども、家族、学校、地域社会に影響を及ぼしている若者の電子タバコ使用の深刻な問題を解決するために、味のついた電子タバコの市場から一掃する」と述べた。
9月12日
Reuters / Brendan McDermid
この日、CDCは新らしい数値を発表した。6月以降、26州で380人の症例が確認され、6人が死亡している。新たな患者数は、研究者が確認したか、または確認に近づいた症例のみがカウントされているため、以前の数値よりも少ない。一部の症例は他の原因によるものであることが判明した。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)