CASHなどをてがけるバンクの光本氏は、バンクの「解散」を明らかにした。(写真は2017年撮影)
撮影:伊藤有
9月12日、買い取りアプリの「CASH」、あと払い旅行サービス「TRAVEL Now」を運営する株式会社バンク。一斉を風靡した同企業を解散する方針であることを、光本勇介社長が公表した。
光本氏の個人サイトの記事によると、事業に関しては、TRAVEL Nowが10月上旬に売却予定。CASHおよびオンライン決済サービス「モノ払い」の売却先については「複数社と協議中」としている。
また、バンクのチームは解散。従業員については光本氏が手がける別会社であるヘイ株式会社や別の企業への移籍が予定されているという。Twitteでは、フリマアプリ・メルカリの決済事業「メルペイ」社長の青柳直樹氏が、バンク社員の移籍について「優先して時間をとる」といった発言をしている。
ただし、それぞれの事業について光本氏は「サービスは引き続き継続・進化して参ります」としており、現在のユーザーに対して安心と理解を求めている。
なお、9月12日15時30分時点で、バンクのコーポレートサイトに該当するニュースは公開されていない。
(2019年9月12日18時更新)Business Insider Japanの取材に対しバンク広報担当者は、光本氏が話す「解散」の意を「チームは解散し会社を去る」ことであると説明。解散後の会社自体は「事業も従業員もいない空の会社になります」と説明した。
また、CASH、モノ払い、TRAVEL Nowの売却先についても「確定次第ご連絡する」、売却価格関しては「非公開」としている。
事業不振が解散の理由ではない?
バンクは2018年6月には旅行事業「TRAVEL Now」を発表していた。
撮影:室橋祐貴
光本氏は自身のサイトで「自分たちの資本とチカラだけでは、希望するスピードで、理想とする規模の事業にするのに時間がかかりそうというのが今回の決断の一番の理由」と綴っている。
バンクは2017年2月20日に設立。同年6月28日に、スマホアプリでの迅速な買取サービスCASHを開始。翌日29日には機能を一時停止する騒ぎになるなど、大きな話題となった。
その後、2017年11月にDMM.comが約70億円でバンクを買収するも、2018年11月にはMBOを実施し、再度独立した。そして、2019年6月にはCASHの仕組みを利用した決済手段・モノ払いをリリースしていた。
光本氏はどのCASHもTRAVEL Nowも事業単体では黒字化していることを明かしているが、より大きな規模で社会へのインパクトを起こすには「相当な時間と努力が必要だと判断いたしました」としている。
(文・小林優多郎)