孫氏がつないだZOZOとヤフー。「ロックに生きたい」と前澤氏が孫氏に相談

孫氏と前澤氏

ヤフーによるZOZO買収についての会見に突如、登壇した孫正義氏。お揃いの色違いのTシャツを着るなど、仲の良さをアピール。

撮影:西山里緒

ソフトバンク傘下のヤフーと、ファッション通販サイトを運営するZOZOは9月12日夜、ヤフーによるZOZOのTOB(株式公開買い付け)実施による子会社化について、東京・恵比寿で会見を開いた。

同日の会見では途中、ZOZOの社長を退任した前澤友作氏が単独でスピーチをする時間が設けられていた。

ヤフーの川邊健太郎社長、新ZOZO社長の澤田宏太郎社長が一旦退席すると、「今日はスペシャルゲストをお招きしています。いつも尊敬する経営者として、名前をあげさせていただいている方です」と前澤氏が紹介。スポットライトの中、ステージ袖から登場したのがヤフーの親会社である、ソフトバンクグループ会長兼社長の、孫正義氏その人だった。

2人は前澤氏が白、孫氏が黒の色違いのTシャツを着用。Tシャツのロゴは、ZOZOの前の社名の含まれた「Let's Start Today 」。同じぐらいの身長で並ぶ様子は、「ゴルフも、カラオケも、お風呂もご一緒させていただいたことがある」と前澤氏がその場で説明した通り、仲の良さが際立つように演出されていた。

何度も頭を下げる前澤氏

孫正義と前澤友作

終始、孫氏に対する低姿勢が目立った前澤氏。

撮影:西山里緒

前澤氏から「月に行きたい」と人生相談を受けたという孫氏は、「前澤くんが社長やったほうがいいんじゃない?と言ったけど、ここはスパッと新しい人生行きたいんですということでした」と、明かした。

「月に行くのってそんなに忙しいの?と言ったんですけど、訓練もしなくてはいけないし彼女とも楽しく行きたいし、と。羨ましい限りですよ」

孫氏は始終、顔を綻ばせながら話し、こう続けた。

「とにかく友人としての前澤くんから相談があったので、ヤフーでZOZOとうまく行くような話があれば、当事者同士でよく話し合って決めてください、と(川邊氏に)伝えました。だから、前澤くんとはこれからも楽しい友人関係」

孫氏が最後に前澤氏にかけた言葉は、「ご苦労さんでした」。

前澤氏は「21年間、スタートトゥデイ、ZOZOを大切に育てきましたので、大切に発展するようどうかお願いします」と、孫氏に向かって何度も頭を下げた。

孫氏が登壇したのは正味5分。

「月に行きたいなら行かせてやればいいじゃないか」

孫氏が退場したあとで前澤氏、川邊氏、澤田氏との間で行われた質疑応答で、再度今回の買収に孫氏がどう関わったのかと聞かれると、前澤氏は「もっと人生ロックに生きたいんだ」と孫氏に相談したところ、ヤフーの川邊氏を紹介されたと答えた。

川邊氏はその答えを引き取り、ヤフーニュースの令和特集で川邊氏が孫氏のインタビューを担当した際、孫氏から前澤氏を紹介されたと明かした。

孫氏はインタビューで「平成で失ったものは、日本人のポジティブな意味でのいかがわしさだ。いかがわしいと思う人をみんなで叩くような文化が日本をダメにしているんじゃないか」と話し、その中で「月に行きたいなら行かせてやればいいじゃないか!!」としきりに述べていたという。

川邊氏はその様子から孫氏がそれほどまでに前澤氏のことを気に入ってるんだと認識。時期こそ明言は避けたが、その流れで、孫氏が「前澤さんが人生の再スタートを切ろうということらしいので、ZOZOとヤフーについてよくよく話をしてみたら?」と前澤氏を紹介されたと明かした。

前澤氏は孫・川邊両氏から最初はヤフー傘下に入っても、「社長続投」を望まれていたと述べた。だが、「ここは潔く身を引きたい」と最終的には9月に入って辞任を決意したという。会見が終わり、舞台を去るとき、前澤氏は取材陣に向かって「みなさん、これからもZOZOをよろしくお願いします」と大きな声で叫んだ。

(取材・滝川麻衣子、撮影・西山里緒)

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