朝のルーティン、計画性、自律心…良いリモートワーカーになるために必要な11のこと

リモートワーカーは分かりやすいコミュニケーションを心がけることが大切。

リモートワーカーは分かりやすいコミュニケーションを心がけることが大切。

Jose Luis Pelaez Inc/Getty Images

  • 自宅や、オフィス以外の場所で働くことは、自分のスケジュールで動きたい人にとって理想的な仕事環境になる。
  • しかし、リモートワークがすべての人に向いているわけではない。自らを律するスキルや、高いコミュニケーション能力など、いくつかの必要な要素がある。
  • 専門家の話をもとに、リモートワーカーとして成功する人の特性を明らかにした。

リモートワークというと理想的な働き方だと思うかもしれないが、実際は万人に向いているわけではない。

通常のオフィスでは、マネージャーや上司が近くにいて、顔を合わせて会議や業務報告を行うだろう。しかし、オフィス以外の場所で働いている場合、仕事を軌道に乗せて、締め切りに間に合わせるためには、自らを律する必要がある。

多くの企業が、従業員のリモートワークを許可するようになっている。最近のレポートによると、2017年におけるアメリカのリモートワーカーの数は、2005年の1.59倍にまで増加している。そのような中、自分にとってどのような職場環境がベストなのか、よく考えることが重要だ。

「リモートワークの人気はますます高まっている。通勤にストレスを感じている人にとって、自宅で働くことができれば、すべての問題が解決すると考えるのは自然なことかもしれない」とRemote.coのシニア・キャリア・スペシャリストのブリー・レイノルズ(Brie Reynolds)氏はBusiness Insiderに語った。

「だが、リモートワークで成功するには、働き方に自分をうまく合わせる必要がある」

同氏によると、リモートワークに欠かせないいくつかの特性やスキルがあるという。オープンでコミュニケーション能力に優れていることや、仕事のやり方の改善に努めているといったことなどだ。

「ありがたいことにこれらの特性は、今からでも獲得し、強化することができる。そうすることで仕事をどこでするにせよ、よりよいプロフェッショナルになることができる」と同氏は述べた。

レイノルズ氏に加え、あと2人の専門家が明らかにした有能なリモートワーカーになるための特性を見てみよう。

同僚へのメールや伝言は、分かりやすさを最優先する

同僚へのeメールや伝言は、分かりやすいことを最優先する

Shutterstock/joklinghero

「よいリモートワーカーは、どのようなメディアを使うにせよ、チームのメンバーとの分かりやすいコミュニケーションの重要性をよく理解している」とリモート・イヤー(Remote Year)の共同創設者兼CEO、グレッグ・カプラン(Greg Caplan)氏は、eメールを通してBusiness Insiderに伝えた。「リモートだと同僚のデスクに寄って、なんでも聞きたいことを聞くというわけにはいかない。だからこそリモートワーカーは、伝えたいことに関するあらゆる詳細や背景を付け加えるようにしている」。

リモート・イヤーでパフォーマンスの高い仕事をする人はみな、詳細で分かりやすいコミュニケーションを図るという特性を持っていると同氏は述べた。

リモートワーカーでも、朝のルーティンを作る

リモートワーカーにとっても、朝のルーティンは重要

Lynne Sladky/AP

朝、うまく仕事を始められないのであれば、ルーティンを決めるといいかもしれないと、コーチングサービスを提供するAma La Vidaでキャリアとリーダーシップの講師を努めるタミカ・パンフリー(Tamika Pumphrey)氏は、eメールを通してBusiness Insiderに伝えた。

「自宅で働くことの大きな利点の一つは、ヘアメイクを整え、ビジネスにふさわしい服装に着替えるといった朝のルーティンに時間を取られないこと」とパンフリー氏。「でも、外見は、自分がどう感じるかに直接影響を与える。そのため朝のルーティンがないと、シャキっと起きて、仕事に取りかかろうというマインドになりにくい。服を着替える、シャワーを浴びる、散歩するといった何らかの朝のルーティンを持った方がいい」

それが仕事モードに素早く切り替え、一日を通して生産性を高めるための、驚くほど効果的な助けとなると同氏は述べた。

秩序を保つためにしっかりと計画を立てる

リモートワーカーは秩序を保つためにしっかりと計画を立てる

WAYHOME studio/Shutterstock

「成功するリモートワーカーであるために最も重要な特性のひとつは、秩序を大切にすること」とパンフリー氏は言う。

「リモートでの仕事は、柔軟性は高まるものの、しっかりとした骨格が失われやすい。だからこそ、秩序を保つことがとても重要になる」

そのために最も有効な手段は、カレンダーを活用することだという。

「1日を通して5~15分の短い休憩を挟むようにする。ランチの時は30分」とパンフリー氏。

「これらの短い休憩は、主にパソコンの画面から目を離すための時間。30~60分のまとまった仕事時間も取るようにする。これは電話のやり取りなどに煩わされることなく、しっかりと仕事をこなすため」

休憩をカレンダーに組み込むことで、生産性を高める助けとなり、チームのメンバーも連絡しやすくなると、同氏は述べた。

仕事に集中できる場所を確保する

仕事に集中できる場所の確保は極めて重要

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「一部屋丸ごとでも、部屋の一角でもいいから、仕事をするスペースを確保すべき」とパンフリー氏は言う。「そうすれば、仕事をする時間になってからテレビのリモコンやおもちゃ、洗濯物などを片付けて、集中できる場所を作るという作業が不要になる」。

きちんと整えたスペースに行くことが合図となり、集中するように体へと指令が送られる。また家族に対しても、あなたが集中して仕事に取り組むと知らせる合図になると、パンフリー氏は続けた。

さらに、通常のオフィスと同じように仕事をするために、高速のインターネット回線やビデオ会議ができる設備など、テクノロジーの導入も必要だと同氏は指摘した。

従来のオフィス環境ではない場所でも自らを律する

従来のオフィス環境の外でも自らを律することのできる強さは、リモートワーカーであるために重要な要素

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リモートワークは自由をもたらすが、気が散ることも多いと、カプラン氏は言う。

「リモートワーカーとして生産性を保つには、従来のオフィス環境に頼らなくても、自らを律することのできる強さが必要だ」

相手のリアクションについて考えすぎない

リモートワーカーはチームとコミュニケーションする上で、相手のリアクションについて考えすぎてはいけない

Rido/Shutterstock

リモートワークの環境では、相手の仕草から気持ちを読み取るということができない。また、雑談などカジュアルな議論からチームの結束は強くなるものだが、そういう機会もない。「ポジティブなマインドを持って、相手もベストを尽くしていると考えるべき」とレイノルズ氏は言う。

「チームの中で理想的とは言えないことが起こった場合に対処するには、”悪意ではなく間違いだと考える”とよく言っている。つまり、私たちはみなベストを尽くしているけれど、間違いは起きてしまうのだと」

そう考えることで、間違いの修正に集中する助けとなり、不信感や疑いを募らせることなく、チームとして経験から学ぶことにつながる。

仕事中は気を散らせるものや周りの人から自分を切り離す

仕事中は気を散らせるものや周りの人から自分を切り離すことが大切

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「生産的なリモートワークを妨げるのは、気を散らせるものの存在であることが多い。気を散らせるものを遠ざけ、仕事に集中できれば、その環境でも優れた仕事ができるだろう」とパンフリー氏は言う。

例えば、電話をサイレントモードにして自分に問いかけてみるといい。これだけの通知を受け取る必要が本当にあるのか?どれだけのメッセージが、30分以内の返答を求めてるだろうか?

「もし、チャンスを失うことへの恐れから、電話を手放せないのであれば、3時間だけ機内モードすることから始めて、ゆっくりと手放していけばいい」

パンフリー氏は、他にも気を散らせるものの代表格として子ども、配偶者、SNS、テレビなどをあげた。さらに、家で仕事をしているからといって、おしゃべりの相手ができるわけではないと家族に理解してもらうことが重要だと述べた。

「SNSやオンラインショッピングがなかなかやめられないのであれば、仕事の日は1日15分だけといった時間制限を設ける、あるいはきっぱりとやめてしまうことだ」

集中力が続かない時は、何が原因なのかを見極め、ブレインストーミングで解決策を導き出し、軌道修正を図る。

「これらの方法により、オンの時間を最大限に確保し、仕事が終わるとオフに切り替わる働き方ができるようになるだろう」とパンフリー氏は述べた。

仕事とコミュニケーションの新たな手法を取り入れ、チームの生産性を高める提案をする

仕事とコミュニケーションの新たな手法を取り入れ、チームの生産性を高める提案をしよう

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「よいリモートチームは、仕事のやり方を常に発展させ、強化している」とレイノルズ氏は言う。

「コミュニケーションのためのプラットフォームを選んだり、プロジェクトの進捗管理の新しい方法を検討したりする場合にも、リモートチームは各メンバーが仕事のプロセスの弱点を見つけたり、強化策を提案してくれることを期待している」

誰でもその人ならではの長所を持っている。そして何か改善すべき点を見つけたら、それを皆で共有することが重要だと同氏は述べた。

時差やスケジュールに違いがあっても、タスクやプロジェクトを終えることに集中する

時差やスケジュールに違いがあっても、タスクやプロジェクトを終えることに集中する

Jose Luis Pelaez Inc/Getty Images

「リモートで働く環境では、チームで仕事をきちんとこなすとなると、先を見越して動くことがいっそう重要になる」とカプラン氏は言う。

時差があり、コミュニケーションもうまくいかない場合、情報が見落とされることもある。そうならないよう、前もって動くのがよいリモートワーカーだという。

同僚と個人的な付き合いができる機会を大事にする

同僚と個人的な付き合いができる機会を大事にする

Hero Images/Getty Images

同僚と実際に顔を合わせて仕事をしていると、一緒にランチを食べたり、チームで出かけたり、エレベーターで軽くおしゃべりをしたりといった、個人レベルでの関係性を築く時間を持つのは、ごく自然なことだとパンフリー氏は言う。

「リモートで働いていると、そのような機会は訪れない。だからこそそのような機会を意図的にでも作らなくてはならない。つまり仕事以外の会話をする時間を確保したい。例えば、いつも会議が始まるまでの5分間は、同僚と個人的な話をするといったことだ」

リモートで働く場所から飛び出し、ネットワークを構築する

リモートで働く場所から飛び出し、自らのネットワークを構築しよう

Monica Schipper/Getty Images

仕事で人と会わないからといって、自分のネットワークの構築をしなくていいというわけではないと、パンフリー氏は言う。

「週に1回は自宅のオフィスから飛び出そう。クライアントとの昼食会、事業者の交流会、業界の会議など、なんでもいいので、たくさんの人に会ってみよう。ネットワークの構築により、社会とつながり、学び、発展するための機会が得られる。そして、LinkedInが行った調査によると、そのようなネットワーク経由で仕事を得た人は、全体の85%に上ったことが明らかになっている」


[原文:11 traits you need to be an effective remote worker

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)