「魔法が使えたらいいのに」…ビル・ゲイツがジョブズをうらやましいと思ったこと

スティーブ・ジョブズ(左)とビル・ゲイツ。2007年。

スティーブ・ジョブズ(左)とビル・ゲイツ。2007年。

Joi Ito/flickr

ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズは、テック業界でここ40年続く、マイクロソフト対アップルというライバル関係を表している。

マイクロソフトの共同創業者であるゲイツは技術者だ。しかし、アップルの共同創業者であるジョブズは、スタイリッシュな人だった。その2人の差は製品に表れている。マイクロソフトの製品はいつも汎用性や能力で賞賛されているが、アップルの製品は丁寧に作り込まれた外観が愛されている。

二人には違いはあるが、ジョブズにはゲイツが自分にはないと認めたものがあった。聴衆を魅了する力だ。

近日公開予定のネットフリックス(Netflix)のドキュメンタリーの撮影に先立って、2019年9月に行われたウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)のインタビューで、ゲイツはビル&メリンダ・ゲイツ財団(ゲイツが妻のメリンダと運営する慈善団体)の仕事から、マイクロソフトの法的な歴史、後に現れたライバルを賞賛したことまで、幅広い話題について語った。

ゲイツはマイクロソフトを現在の1兆ドル企業へ成長させる技術的なノウハウを持っていたが、自分がエンターテイナーではないことをわかっていた。

「私自身は伝道師ではない」と、ゲイツはウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

「私は人前で話すこと、問題の解決策を明瞭に表現することについて、時間をかけて学んだ。そして、ある意味では、それで問題はなかった」

一方、ジョブズは毎年行われるアップル製品発表会の基調講演で、聴衆を魅了し続けた。


ゲイツがジョブズを羨ましいと思ったこと

ジョブズは2011年、iPad2を発表した。

Beck Diefenbach/Reuters

ジョブズは基調講演で、MacBookやiPod、iPhoneなどの製品を発表し、記憶に残るイベントとなった。

革新的な製品は魔法の一部にすぎない、とゲイツは述べている。1985年にアップルを追い出されてから、ジョブズのキャリアはNeXTコンピュータなどのプロジェクトに関わった。これは、高等教育向けコンピューターのプロジェクトで、結局1200万ドル規模の損失に終わった。

「スティーブ・ジョブズは人前でのスピーチでいつも自然だった」と、ゲイツは語った。

「NeXTコンピュータのとき、彼は機械として良くない点についても語ったが、もしその場に聴衆がいたら、彼は人々を虜にして死に至らせたかもしれない」

ゲイツは19年前、ビル&&メリンダ・ゲイツ財団などの慈善事業をさらに進めるため、マイクロソフトのCEOを退任した

ビル・ゲイツは今、マラリア撲滅から世界のトイレ問題の解決まで、休みなく働いている。

もちろん、ジョブズはスピーチを楽にこなしていたわけではない。ブレント・シュレンダー(Brent Schlender)とリック・テッツェリ(Rick Tetzeli)の著書『スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで』によると、ジョブズは自宅でトランス状態のようになりながら、キーノート・スピーチの練習に何時間も費やした。妻のローレン・パウエル・ジョブズは著者に、ジョブズは夕食の席でもスピーチ原稿を読んでいたと語った

「魔法を使えたらいいと思う。私には、なんらかの方法でよりインパクトを与える目的があり、無視されないようにする必要があるから」と、ゲイツは世界的な問題解決に向けた彼の仕事について言及しながら語った。

[原文:Bill Gates reveals the one thing his tech 'rival,' the late Steve Jobs, was always better at — enthralling an audience

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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