Nikolay Kazakov, Karlsruhe
- ボロコプターは、世界初の自動運転による空飛ぶタクシーを開発した。乗客はスマートフォンで呼ぶことができる。
- 9月14日、ドイツのシュツットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館で、都市での飛行を披露した。
- 空飛ぶタクシーのスタートアップ、ボロコプターは2017年にダイムラーより3000万ドルの出資を受け、2019年にはボルボの親会社として知られる浙江吉利控股集団から5530万ドルの資金調達を完了したとThe Vergeが報じた。
ボロコプター(Volocopter)の空飛ぶタクシーが9月14日、ドイツのシュツットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館で、都市での初飛行を披露した。
ドイツを拠点とするボロコプター社は、空飛ぶタクシーと、それによる都市交通エコシステムを作り、都市の交通を安全で、静かで、排出ガスゼロにすることが目標だ。同社は、2017年にダイムラーより3000万ドル(約32億円)の出資を受け、2019年にはボルボの親会社として知られる浙江吉利控股集団から5530万ドル(約60億円)の資金調達を完了したとThe Vergeが報じた。
「ボロシティ(VoloCity)」はボロコプター初の認可を受けた商用機で、乗客2名と手荷物を輸送することができる。航続距離は約35km、速度は約110km/hだ。
18個のモーターは9個のバッテリーで動作し、バッテリーの交換に必要な時間は約5分。これによって非稼働の時間を最小限にできる。また同社は、19基のローターの音は「狭周波数帯域」であるため、飛行音はローター1基の約2倍の大きさですむと述べている。
2019年末までには、シンガポールに発着ポート「ボロポート(VoloPort)」を開設する予定だ。ボロポートは空港と同じように、乗客の搭乗口、入場を待つラウンジなどがあり、機体のメンテナンスを行うサービスセンターもある。
では、未来の交通手段を見てみよう。
空飛ぶタクシーは9月14日、ドイツのシュツットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館でデビューした(写真下)。
Daimler AG
空飛ぶタクシーのスタートアップ、ボロコプター社は2017年にダイムラーより3000万ドルの出資を受け、2019年には浙江吉利控股集団から5530万ドルの資金調達を完了したとThe Vergeが報じた。
Volocopter, V. Kollwig
ボロコプター社は2011年の電動垂直離着陸機の有人飛行からその歴史が始まった。
ANS Finland
ボロシティ(VoloCity)は、ボロコプター初の認可を受けた商用機となる。
Volocopter
同社によると、この機体はこれまで1000回以上行った試験飛行の成果だという。
Volocopter
ボロシティは乗客2人と手荷物を収容できる。
Volocopter
航続距離は約35km、速度は約110km/h。
ADAC / Volocopter
ボロコプターのCEO、フローリアン・ロイター(Florian Reuter)氏は声明で、「ボロシティーは、これまでで最もパワフルな機体。過去数年間にわたる広範なテストから得られた成果だ」と述べた。
Volocopter
ボロコプターは、19台のローターがあるが、狭い周波数帯域で作動するため、静かだという。飛行音の大きさは、ローター1台の場合の約2倍。
Nikolay Kazakov
「ボロコプターは、初の商業路線を開設して、都市型エアモビリティをもたらす」と、彼は続けた。
Volocopter
ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)と同じように、ユーザーはスマートフォンを使ってボロコプターを呼ぶことができるようになる。
Nikolay Kazakov, Karlsruhe
機体を制御するアシスタントシステムと100以上のマイクロプロセッサがある。操縦者がコントロールバーから手を離しても、ボロコプターはその状態を維持する。
Volocopter
75メートル離れたボロコプターの音は、500メートル以内を飛ぶ最小のヘリコプターと同じくらい。
Nikolay Kazakov
9個のバッテリーで18個のモーターが動く。
Volocopter
リチウムイオン充電池は5分で交換できる。
Kamran Jebreili)/Associated Press
ボロコプターは欧州航空安全機関(EASA)の認定基準を満たしていると同社は述べている。
Kamran Jebreili)/Associated Press
ボロコプターは2019年末までに、シンガポールに発着ポート「ボロポート(VoloPort)」を開設予定(下は想像図)。
Brandlab / Skyports / Volocopter / GRAFT
発着ポートは、離着陸のほか、フライト前のチェックインや乗客ラウンジなどの機能を持つオペレーションセンターとなる。ボロコプターのメンテナンスを行う運営サービスセンターもある。
Volocopter
2017年、ドバイの道路交通局とボロコプターは、空飛ぶ自動タクシーの試験飛行を行うことで合意した。
Kamran Jebreili)/Associated Press
[原文:Volocopter has created an autonomous flying taxi you can hail with your smartphone]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)