調査:“◯◯Payアプリ”は入手しても2人に1人は「使っていない」

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キャンペーンも相次ぎ仕掛けられ、便利とされるスマホ決済だが、実際の活用は?

Shutterstock/s4svisual

PayPay、LINEPay、メルペイなど、◯◯Payの名称に象徴されるスマホ決済サービスに各社が参入し、盛り上がりを見せる中、“2人に1人がスマホ決済サービスのアプリをインストールした後に利用をしていない”ことが、MMD研究所の調査で明らかになった。

スマホ決済を普段の支払い手段としていると答えたのは、どの年齢層でも2割前後にとどまった。インストールしたものの、実際には活用されていない実態が浮かび上がってきた。

2人に1人がインストール後利用していない

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出典:MMD研究所

MMD研究所は18歳~69歳の男女3万7040人を対象に「2019年9月スマートフォン決済に関する実態調査」を2019年8月に実施した。インストールしているという回答者が多かった上位10アプリのインストール後の利用状況について聞いたところ、約半数がアプリをインストールしたものの、利用には至っていないことが判明した。

ダウンロード後の利用率は「楽天Edy」が50%超と最も高く、次ぐ「PayPay」は47.5%となった。アクティブユーザー数が8100万人に達する巨大基盤をもつLINEのLINE Payは、3位につけた。

MMD研究所ではその背景について「個人情報の登録の心理的なハードルが高いこと。それに加え、キャンペーンのお得さが先立ち、幅広い層にダウンロードされたものの、ITリテラシーが高くないユーザーは利用に至るまでの過程で挫折している」と、分析している。

最も人気のあるスマホ決済は「PayPay」

「なんらかのスマホ決済サービスをインストールして利用している」と回答した人に、最も利用しているスマホ決済について聞いたところ、「PayPay」が3割近くトップとなった。「LINE Pay(コード決済)」が約12%、「楽天ペイ」が約11%超の順となった。

PayPayの利用が突出していることについて、MMD研究所は「100億円キャンペーンで認知度の差が生まれたこと、加盟店開拓を積極的に行っていたため、ユーザーが実際の生活圏で利用できること」を理由に挙げている。

1万円以上のスマホ決済利用には7割以上が抵抗

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スマホ決済利用者に、スマホ決済1回あたりに抵抗なく使える金額を質問したところ、7割以上がスマホ決済1回あたりに抵抗なく使える金額は「1万円未満」と答えた。

抵抗なく使える金額で最も多かったのは「1000円~3000円未満」という回答で、25%超に達した。「どんな金額でも抵抗がない」と答えたのは全体の15%超だった。高額な支払いでの利用には、抵抗のある様子が浮き彫りになった。

3000円以上の使用に抵抗は「主に使い過ぎ」へ懸念

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出典:MMD研究所

3000円以上の使用に抵抗を感じると答えた人にその理由を尋ねたところ、最も多かった理由は「使いすぎてしまいそう」だった。続いて「残高に3000円以上チャージしていない」、「お金の管理がしにくい」などお金の管理に関する理由が並んだ。注目されるのは、9%超が「よく分からないし、怖いから」と回答していることだ。

ダウンロードしたものの、細かな個人情報登録が求められるプロセスに、不安を感じているユーザーも依然としているようだ。

いまだに現金が普段の支払い方法として主流

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出典:MMD研究所

それでは、スマホ決済をあまり利用しない人たちは、どうやって現状、支払っているのだろうか。全年齢層において、9割以上が普段の支払い方法として「現金」を利用していると答えた。

クレジットカードの利用は年齢と比例して高くなった。クレジットカードを利用していると答えたのが20代で6割未満なのに対して、40~60代では7割を超えている。

スマホ決済を普段の支払い方法に利用していると答えたのは、どの年齢層も4人に1人にとどまった。最も利用率が高かったのは、30代だった。サービスが乱立する一方、定着するにはまだハードルがありそうだ。

(文・町田優太)

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