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【現地報告】大画面&4眼レンズスマホ「Huawei Mate 30/30 Pro」登場。独自アプリ強化に投資加速

Huawei Mate 30 Pro

ファーウェイは、Huawei Mate 30シリーズを発表した。

撮影:小林優多郎

ファーウェイは9月19日(現地時間)、新型スマートフォン「Huawei Mate 30」「Huawei Mate 30 Pro」、そして「Huawei Mate 30 RS」を発表した。

発売時期や地域は未定ながら、価格はメモリー8GB+ストレージ128GBのMate 30が799ユーロ(約9万5000円)、メモリー8GB+ストレージ256GBのMate 30 Proが1099ユーロ(約13万1000円)、メモリー12GB+ストレージ512GBのMate 30 RSが2095ユーロ(約25万円)となっている。

ファーウェイの繰り出す新型スマートフォンの特徴は一体どこか。発表会場にあった実機からファーストインプレッションをお送りする。

画面を手で持っている感覚になるMate 30 Pro

Huawei Mate 30

狭額縁モデルの標準機「Huawei Mate 30」。

Mateシリーズは、最新のチップセットに老舗カメラメーカー・ライカと共同開発する強力なカメラ機能を載せた、まさに“フラグシップ”の名に恥じないハードウェアを採用している。

標準機であるMate 30は、6.62インチの有機ELの大画面ディスプレイを採用。一方、上位機であるMate 30 Proは6.53インチの有機ELディスプレイを採用している。

Huawei Mate 30 Pro

画面が側面まで回り込んでいる「Huawei Mate 30 Pro」。

一般論として、「Pro」と付く上位機の方がディスプレイサイズが小さいことは珍しいが、これはディスプレイの形状が異なるのが原因だ。

Mate 30は一般的なスマートフォンと同じく正面に額縁のあるデザインを採用しているのに対して、Mate 30 Proは本体左右側面の約半分まで表示領域となる「ホライゾンディスプレイ」を採用している。

ホライゾンディスプレイ

ほぼ側面の半分がディスプレイになっている。なお、縁に指が触れている状態でも、問題なくスクロールなどのタッチ操作が可能だった。

スペック値で言えば、Mate 30の画面解像度は2340×1080ドットで、本体幅は76.1ミリ。Mate 30 Proの画面解像度は2400×1176ドットで、本体幅は73.1ミリ。

両機種を実際に手に持ってみると、大きさという意味では大きな差は感じないが、Mate 30 Proの方が圧倒的な没入感がある。画面そのものを手でつかんでいるような印象だ。

音量操作

Huawei Mate 30 Proは、一般的なスマートフォンのように側面に音量キーがないため、側面をデュアルタップすることで音量ゲージを呼び出す。

そのため、Mate 30 Proに関しては側面のボタンが電源キー以外は排除されている。音量の変更は、左右の縁をダブルタップすることで表示させるUI(ユーザーインターフェース)が採用されている。

超広角でも高精細・高輝度での撮影が可能に

背面カメラ

Huawei Mate 30 Proの背面カメラ。円をフィーチャーしたデザインは、一眼レフや高級コンデジなどのデザインを意識したもの。

カメラ性能の進化もすさまじい。Mate 30/30 Proどちらも背面に4つのセンサーを搭載しているが、それぞれ以下のような構成になっている。

  • Mate 30:16MP+超広角(17ミリ)レンズ、40MP+広角(27ミリ)レンズ、8MP+望遠(80ミリ)レンズ、レーザーフォーカス用センサー
  • Mate 30 Pro:40MP+超広角(18ミリ)レンズ、40MP+広角(27ミリ)レンズ、8MP+望遠(80ミリ)レンズ、深度測定用センサー

暗所撮影

目の前の水槽の明かりしかないような場所でも、バッチリ明るく撮れる。

カメラはシンプルにMate 30 Proの方がより高性能と言える。とくにMate 30 Proの長所は超広角レンズにも1.54インチの大型センサーを搭載しており、超広角であっても鮮明に、暗所ではより明るく撮影できるようになっている。

また、ファーウェイはMate 30 Proのカメラを「SuperSensing Cine Camera」としており、動画撮影機能にも力を入れている。

とくに動画撮影時でも最大51200のISO感度、最大7680fpsでのスローモーション撮影は、iPhoneやGalaxyなど、他メーカーのスマートフォンとは一線を画している。

ウルトラスローモーション撮影の作例。

画質やカメラの使い勝手などは、より詳細に触ってみなければわからないが、会場では暗所撮影やスローモーション撮影のデモが行われており、どちらもアッと息を呑むような絵がスマホ1台で撮影できていたのは驚いた。

“使える”5Gスマホとしての地位をアピール

5G対応

Huawei Mate 30と30 Proは5G対応版が存在する。

そんな強力なカメラ機能や全体の使い勝手を支えているのが、ファーウェイがIFA 2019ですでに発表していたチップセット「Kirin 990」だ。

Kirin 990は、前世代の「Kirin 980」と比べてCPU性能は23%、グラフィック性能は39%、ニューラルネットワーク処理性能は460%上昇している。しかし、同社がKirin 990で最もアピールしていた点は性能ではなく「5G」対応についてだった。

Kirin 990

新型チップセット「Kirin 990」では、5G対応を大々的にアピール。

Mate 30とMate 30 Proにはそれぞれ5G版が用意されている。対応バンド数は、Mate 30 Pro 5Gで8バンド対応。デュアルSIM機構によって、5Gのデータ通信+VoLTE(4G)にも対応する。

さらには、5G通信時のヘビーユーザーを想定したシチュエーションでも8.2時間(Mate 30 Proの場合は9.2時間)のバッテリー駆動を可能とし、放熱性能にも工夫を行うなど、実用的な5G端末を実現しているとアピールしている。

5G版専用カラーバリエーション

5G版には専用カラーであるオレンジとフォレストグリーンを用意。どちらもなめらかなレザー素材を採用している。

会場に5G対応Mate 30/Mate 30 Proは展示されていたが、残念ながらSIMは入っていなかったため、5Gの恩恵がどれほどのものか試すことはできなかったが、ファーウェイの5Gにかける熱意は感じ取ることができた。

グーグル利用不可で、独自エコシステムの確立に10億ドル投資へ

EMUI10

Mate 30/30 Proは、Android 10ベースのEMUI 10を採用している。

このようにハードウェアとしては、現状の最高峰のものを惜しみなく搭載していると判断できるが、大きな課題はソフトウェア面にある。

事前に各種報道であったように、米中貿易摩擦の影響で、Mate 30シリーズにはグーグルのサービスアプリ群(Google Mobile Services、以下GMS)がプリインストールされていない。すなわち、GmailやGoogleマップなどの定番アプリはもちろん、Google Playストアもないため、Google Playで公開されているアプリのインストールも不可能だ。

HMS

ファーウェイは独自のアプリエコシステムの成長をより加速させていく。

そこで、ファーウェイは自社独自のアプリ基盤「Huawei Mobile Services(以下、HMS)」の強化を表明。HMSはすでに中国などで提供されている基盤で、HMSを採用するアプリをダウンロードできるアプリストア「AppGallery」は170箇所以上の国と地域で提供されており、3億9000万以上の月間アクティブユーザーがいるという。

Googleサービス

会場に設置されたタッチアンドトライ向け端末には、来場者がインストールしたと思われるグーグル製アプリがインストールされたものがいくつか存在した。

けれども、HMSがGMSの完全な置き換えになるのかと問われれば、現状ではノーと答えるしかない。日本を含む中国以外の国のユーザーが求めているのは、圧倒的な情報量を持つGoogleマップが使えるアプリやさまざまな動画が投稿されるYouTube、そしてインスタグラムやLINEなどといった定番アプリが落とせるマーケット機能だ。

実際、発表会場のいくつかの端末には、来場者がインストールしたと思われるグーグル製アプリが入っているものもあり、日本に限らず世界規模での関心の高さが伺える(なお、どの端末でもグーグル系アプリの起動は不可能だった)。

10億ドルの投資

ファーウェイは今後10億ドルもの金額を、エコシステムの確立に費やす。

ファーウェイはHMSのエコシステムを活性化させるために、今後10億ドル(約1080億円)の投資を行うことを表明しており、各国の開発者やサービス企業にアプリの開発と提供を働きかける方針だ。

(文、撮影:小林優多郎 取材協力:ファーウェイ・ジャパン)

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