ファーウェイの発表した「Huawei Mate 30 Pro」は、最先端の写真・動画機能を備えたカメラスマホだ。
撮影:小林優多郎
ファーウェイの新型スマートフォン「Huawei Mate 30」シリーズは、グーグルの各サービスが現状ではプリインストールされていないスマートフォンだ。
そのため、ファーウェイは今後自社の独自プラットフォームの発展に注力していくことになるが、主な原因は米中貿易摩擦によるもので、発売(時期未定)までに状況が変わる可能性がある。
現状、日本での発売はアナウンスされていないが、Mateシリーズはこれまでも日本で発売され、キャリアでも取り扱われたほど、性能が高く魅力的な端末だ。そんなシリーズの上位機種「Huawei Mate 30 Pro」のカメラ機能を中心に、発表会のあったドイツ・ミュンヘンで1日使ってみた。
Mate 30 Proの背面カメラは超広角+広角+望遠レンズ+深度測定用センサーの4眼構成。
この違いは動画撮影時にも大きく影響する。広角でも明るくキレイに撮れる満足度は大きい。
前半がP30 Proで撮影、後半がMate 30 Proで撮影。
7860fpsのスーパースロー映像はスゴイが、日常でこの速度を活かせる場面を探すのは大変そうだ。
回転ブランコを撮影してみると、7860fpsはややオーバースペック
発表会場にあったデモブースぐらいの“実験設備”が必要か?
なお、老舗カメラメーカー・ライカと開発したフィルターも引き続き搭載する。
余談だが、正面カメラで顔の向きを認識できるため、寝ているときなどでも画面表示は最適化される。
スマホカメラの楽しさが動画にも拡大
カメラ機能が強力なHuawei Mate 30 Proは“中国以外”でも実用的な使い方ができるようになるか。
ファーウェイしかり、アップルのiPhoneしかり、超広角レンズや望遠など標準以外に複数レンズを搭載するのが当たり前になってきている。日常のポートレートは標準で、外出した時のキレイな風景は超広角や望遠で。そんな風に使い分けができる。
その用途や狙いは各社によって違うだろうが、ファーウェイに関して言えば、一般的な用途で使えるカメラとしての完成度を高めているように思える。超広角レンズにスマートフォンとしては大きなセンサーを載せることで、動画でもキレイにダイナミックな画を誰でも録画できるようにした。
強いて現状に苦言を呈するとすれば、アプリストアであるGoogle Playを利用できないため、せっかく撮った写真や動画をTwitterやFacebookなどのSNSにアップするにはブラウザーからアクセスするしかない点だ(Instagramは不可、TikTokは独自アプリストアからインストール可能)。
この問題に関しては、早期の解決は難しいだろう。ただ、1人の消費者、テクノロジーを取材する記者としては、こんなにも便利で魅力的なデバイスが世の中に出ない、出づらい市場のあり方は、非常に残念でならない。
(文・撮影:小林優多郎、取材協力:ファーウェイ・ジャパン)