WeWorkのニューマンCEOが辞任! 専門家が指摘する、後任CEOにのしかかる問題とは

アダム・ニューマン氏

アダム・ニューマン氏。

Jackal Pan/Getty Images

  • 上場の試みが難航する中、シェアオフィス大手「WeWork(ウィーワーク)」の親会社「We Company(ウィーカンパニー)」の創業者アダム・ニューマン(Adam Neumann)氏がCEOを退任した
  • ニューマン氏は「非業務執行」会長となる。日々のマネジメント機能なしの会長ということだ。
  • 会社に対する同氏のコントロールも低下した。同氏が保有している強力な議決権のある株式は、1株あたり議決権3票となった(1株あたり20票から減った)。これで、単独で取締役全体を解任する権限はなくなった。
  • 今やウィーカンパニー最大の支援者であるソフトバンクの力がそれを上回る。
  • 専門家は、それでもニューマン氏の存在がマイナスになり得ると指摘している。

WeWorkの悲惨な新規株式公開(IPO)の試みは、取締役会にアダム・ニューマン氏をCEO職から外させることになった。ニューマン氏は、日々の経営的役割のない非業務執行会長となる。

ニューマン氏の後任には、アマゾンやオラクル、アップルで経験を積み、2018年3月に副会長兼チーフ・オートメーション・オフィサーとしてWeに参加したセバスチャン・ガニングハム(Sebastian Gunningham)氏と、タイム・ワーナー・ケーブルやAOLで経験を積み、2015年にWeWorkに参加したCFOのアーティー・ミンソン(Artie Minson)氏の2人が共同CEOとして指名された。

投資顧問会社「ValueEdge Advisors」のバイスチェア、ネル・ミノウ(Nell Minow)氏は、ニューマン氏の失脚は自由市場がきちんと機能していることの一例だと指摘する。投資家が企業を見て、その問題に気付き、"いや、結構です"と判断したのだという。

しかし、ミノウ氏はそもそもこのIPOをこれほどまでに手に負えない状況にした取締役会と銀行も批判している。

「彼はあらゆる監督から身を守るため、自分の周りに堀を作っていた。これは、上場企業に期待される姿とは正反対だ」と、ミノウ氏は言う。

同氏は、「その責任をきちんと果たすことのできる取締役なら、こうした状況下でそのポジションに就くことを拒否しただろう。議決権がなければ、仕事はできないのだから」とし、「責めるべきは金融街だ。このIPOをやろうとした人間だ」と語った。

最終的には、ソフトバンクからのプレッシャーがニューマン氏を権力の座から引きずり下ろすカギとなった。

孫正義氏

Koki Nagahama/Getty Images

ソフトバンクの創業者、孫正義氏はかつてアダム・ニューマン氏の最大の支持者で、We Companyに資金をつぎ込んできた。

だが、孫氏は近頃、ニューマン氏への「信頼を失い」、その退任を求めていたと、フィナンシャル・タイムズが報じた

CNBCによると、IPOのタイミングから目論見書の「世界の意識を引き上げる」というフレーズの使用まで、ソフトバンクのあらゆる助言を無視したニューマン氏に、孫氏は不満を感じていたという。

Market Insiderが報じたように、ソフトバンクはWeWorkに110億ドル(約1兆1800億円)近くをつぎ込んでいて、そのIPOをサポートするため、さらに10億ドルを使う予定だった。

また、ソフトバンクは中国や日本を含むWeのアジア事業の主な取引先でもある。そのS-1によると、ソフトバンクは2019年の1月から6月までに、Weに2820万ドルをリース代やその他サービス代として支払っている。これは2018年の2倍以上だ。ソフトバンクはさらに、Weのベンチャー投資「クリエイター・ファンド(Creator Fund)」に1億8000万ドルを出している。クリエイター・ファンドは、少なくともニューマン氏の親族2人を雇用していたと、Timeは報じている

孫氏は世界で最も力のあるビジネスマンの1人というだけでなく、Weの最大の投資家であり、アジアにおけるパートナーであり、大口の顧客でもある。

ニューマン氏はまだいる、という問題

後任のCEOたちはこの問題を解決しなければならないだけでなく、それを創業者の鼻先でやらなければならない。単独で取締役全体を解任する権限はなくなっても、ニューマン氏のようなカリスマ的な創業者には、社内に忠誠を誓う者もいるだろう。Weの縁故主義を考えればなおのことだ。

WeWork

AP Photo/Mark Lennihan

ニューヨーク大学経営大学院のアレン・アダムソン(Allen Adamson)教授は、「アダムが去ったわけではなく、簡単にはいかないだろう。彼は自らの行動を変えないだろうし、その肩書は彼の行動に影響しない」と警鐘を鳴らしている。

「彼は、変化を容易には受け入れないだろう」と、アダムソン教授は付け加えた。「トップがこれだけ大きくなると、事業やマネジメント、財務の担当者の声を聞かなくなる。だが、軌道修正に必要なのはそこだ。痛みを伴うだろう。多くの人が損失を出すことになる」

[原文:WeWork's new CEOs could still have a rough time dealing with Adam Neumann, experts say

(翻訳、編集:山口佳美)

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