調査:「格安SIMの利用率」はついに18%超、30代以上はほぼ20%に。ドコモのモバ研が発表

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スマホ利用者のMVNO利用率が高まっている。写真はMVNOのmineoの通話アプリ画面。

撮影・大塚淳史

NTTドコモ モバイル社会研究所の調査報告書によると、スマートフォンユーザーにおける、いわゆる格安スマホや格安SIM(シム)呼ばれる、MVNO(※1)利用率が、2019年調査では約18%まで拡大していることが、明らかになった。調査を開始した2015年以降、右肩上がりで推移しているが、2018年比では特に大きく伸ばした。広告や販促効果で、知名度が上がったと分析している。

特に30代以降の全ての年代で、2割超がMVNOを利用。子育て世代も含まれており、同研究所では「節約意識が強く働いているのでは」と話している。

※1 MVNOとは:自社で通信設備を持たず、MNO(大手キャリア)から回線を借り受け事業を展開する仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)のこと。LINEモバイル、楽天モバイル、IIJmio、マイネオなどが有名。

※2 MNOとは:自社で通信設備を所有する移動体通信事業者(Mobile Network Operator)のこと。日本では2019年9月現在、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社を示す。

一般向けモバイル動向調査:2015〜2019年の間、毎月1月に、全国の15~79 歳男女を対象に実施。サンプル数は毎年、2706〜6926人を回収。

MVNO利用率が14%超から2019年は18%超え

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この数年でMVNOの利用率は徐々に拡大している。

出典・NTTドコモモバイル社会研究所

まず、各年のスマホユーザーにおけるMVNO利用率は2019年で18.1%で、2018年の14.5%から3ポイント以上、伸ばしている。その理由として同研究所の担当者は「MVNO各社が、広告や販売に力を入れていることもあって認知度があがったのでは」と分析した。

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30代以上はのきなみ20%を超える。

出典・NTTドコモモバイル社会研究所

一方で、年代別のMVNO利用率では、10代は8.4%、20代は11.9%だが、30代以降は軒並み20%を超える結果となった。担当者は「確証は持てないのですが、生活意識の高い30代以降では、電話代の節約のためにMVNOを選ぶのかもしれません」と話した。

MVNOはさらに拡大する?

今後、楽天モバイルがMVNO側からMNO側に変わることもあり、利用率はまた大きく変化するかもしれない。また、9月20日には総務省が有識者会議で、SIMロックの即時解除義務化の方針を打ち出した。こういった事情もMVNOの利用を促進する可能性はある。

MNOだろうがMVNOだろうが、スマホ利用者にとって、料金体系などサービスがより多様になり、選択肢が増えることが肝心なのは言うまでもない。

(文・大塚淳史)

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