アマゾン、顔認証への規制を歓迎…批判をかわす狙いか

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アマゾンのジェフ・ベゾスCEO。2019年5月9日にアメリカのワシントンで開催されたBlue Originの宇宙探査計画のイベントで。

Clodagh Kilcoyne/Reuters

  • 米アマゾンは、顔認証を規制する法律の草案を作成している。同社は顔認証の技術を警察や民間企業へ販売している。
  • プライバシー擁護派は、アマゾンの画像・動画分析ソフトウェア「Rekognition」を、政府機関が悪用してプライバシーを侵害しかねないと批判している。
  • リベラル派の議員は、法執行機関による顔認証の使用禁止を呼びかけ、すでにサンフランシスコ市は禁止条例案を可決した

ジェフ・ベゾスは、アマゾンが顔認証技術を規制する法案を提出する予定だと発表した。同社は警察や民間企業へ顔認証技術を販売している。

「当社の公共政策チームは、顔認証の規制について検討している。顔認証を規制することは理にかなっている」と、ベゾスはシアトルで9月25日、新製品の発表会で、記者の質問に回答した。

「有益な用途があるものだから、その進歩を止めるべきではない。同時に、この技術は悪用される可能性が高く、規制が必要だ」と彼は付け加えた。

アマゾンは、自社の画像・動画分析ソフトウェア「Amazon Rekognition」を警察や移民・関税執行局(ICE)などの法執行機関へ販売している。プライバシー擁護派はその技術を、プライバシーを侵害し、政府機関が悪用しかねないと批判している。

Rekognitionはアマゾンのクラウドコンピューティングでの躍進を示すものだ。同社は、320億ドル規模のWebサービス市場のうち、およそ47.8%を支配していると、アナリストは述べた

アメリカ自由人権協会(ACLU)は昨年、連邦議会議員の顔写真をRekognitionで解析したところ、28人の議員が有罪判決を受けた犯罪者と判断されたと述べた(アマゾンは、ACLUが誤った使い方をしていると述べた)。

アマゾンの従業員も同社の法的執行機関との契約に対して不信感を表明している。2019年初夏には多数のアマゾン従業員が抗議の声を上げ、ICEなどへのRekognitionの販売を中止するよう要請した。

アマゾンの公共政策チームは、同社が望む規制の草案を定期的に作成し、議員へ提案している。9月25日のベゾスによる発表は、8月のアマゾンウェブサービスのCEO、アンディ・ジェシー(Andy Jassy)による声明に続くもので、顔認証技術への国の規制を期待するものだ。

提案された規制は、アマゾンに対するより厳しい国の規制を回避しようとする試みかもしれない。民主党の大統領候補バーニー・サンダース(Bernie Sanders)などのリベラル派は、法執行機関による顔認証の使用禁止を呼びかけ、5月にはサンフランシスコ市が禁止法を成立させた初の都市となった

一方でアマゾンは、連邦取引委員会から連邦反トラスト法についての調査を受けている。

プライバシー擁護派は、アマゾンが提案した法案が適切な規制になるか、疑問を投げかけている。

「アマゾンがようやく顔を監視する危険性を認識してきたことは良い兆候だ。しかし、このやり方は目にしたことがある。人々が強いプライバシー保護を求めるとわかると、それを一掃し、消費者のプライバシーや権利を守らない緩い規制を推し進める」と、ACLUのジェイコブ・スノー(Jacob Snow)弁護士はRecodeへの声明で述べた。

Business Insiderはアマゾンへコメントを求めたが、回答は得られなかった。


[原文:Amazon wants Congress to regulate its facial-recognition technology, but with laws it drafted

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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