“脱・自動車ショー化”に挑む東京モーターショー、豊田自工会会長「来場者の目標100万人」

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日本自動車工業会の会長でもあるトヨタ自動車の豊田章男社長。

撮影:大塚淳史

自動車の国際見本市「東京モーターショー」が10月24日から11月4日まで開催される。

記者会見が9月26日、東京都内で開かれた。今回のテーマは「OPEN FUTURE」。自動車業界だけでなく、さまざまな業種や領域と手を取り合い、オールインダストリーで「人がワクワクする未来」を提示するという意味が込められている。

日本自動車工業会の会長を務める、トヨタ自動車の豊田章男社長は、自動車業界を取り巻く環境に対する危機感から「あえて目標をあげるなら100万人(の来場客数)」と前回2017年の有料来場客数77万人を大きく上回る数字をあげた。

“脱モーターショー化”して総合エンタメショーに

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今回の東京モーターショーは有明と青海の2会場で行う。

提供:日本自動車工業会

会見で「車に限らずとも、皆がわくわくするような未来の生活を見せられるようにしたいと考えました」という豊田社長の発言があったり、プレゼン資料には「未来のスポーツ観戦と、これからの地方観光を体験」といった標語が盛り込まれるなど、車と全く関係ない箇所が少なくなく、“脱モーターショー化”の方向性を感じた。

もちろん、今回も自動車の見本市が基本であり、新車を初披露するメーカーはある。また、空飛ぶ車、自動運転車などの魅力的な展示もある。一方で、ドローンレースの公式戦、レーシングゲームを競うeモータースポーツの大会もあり、さらにはアイドルグループのライブショーなどもあり、さながら総合エンタメショーだ。

背景には、人々の自動車離れや自動車産業に対する危機感がある。

豊田社長は、モーターショーは変化せざるを得ないと強調した。

「アメリカで行われている(世界的な家電見本市である)コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では出展メーカーが増え、新型車の発表も、その場で行われるようになった。モーターショーという車単体の場で伝えるのは難しくなった。

CESのように、生活全体の未来が示される場で、一緒に未来を作ろうというさまざまな産業とともに伝えていくやり方に変わっていく。東京モーターショーもそういう場にモデルチェンジしていかなければいけません。そうでなければ、じり貧のまま東京モーターショー自体が終わっていってしまうのではないかとさえ感じている」(豊田社長)

今回出展・参加する企業や団体の数は187社(9月26日時点)だが、ブランド数では前回の34から今回は23まで減らしている。来場者数も2013年90万人、2015年80万人、2017年77万人と回を追うごとに減少している。

「私自身、いちメーカーの視点で考えれば、デジタルが発達し、お客様にじかに情報を届けられる時代になった今、車を展示して見に来ていただくというスタイルが、どこまで効率的なのか考えてしまうのも事実。販売促進の手段としては、(魅力が)かなり薄れてきてしまった」(豊田社長)

「子供たちに親しんでもらう」未来に向けた取り組み

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新しい企画である「FUTURE EXPO」のイメージ図。

提供:日本自動車工業会

そこで取り組んだのがテーマにも掲げている「FUTURE」だ。より若い世代、子供たちに親しんでもらうための企画や展示に取り組んだ。今回の東京モーターショーは高校生以下は無料で入場できるようになった。

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NECの空飛ぶ車の試作機。

提供:日本自動車工業会

青海と有明の開催2エリアの内、青海では「FUTURE EXPO」という近未来を体験できる展示館がある。NECの空飛ぶ車の試作機が展示されたり、トヨタの未来の移動車「APM」、パナソニックのコンセプトカー「SPACE-L」がある。

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パナソニックの「SPACE-L」。

提供:日本自動車工業会

車の展示にはこだわらない。高速通信技術を利用した未来のスポーツ観戦の体験や、顔認証決済店舗の体験もできる。さらに前記した、ドローンレースやeモータースポーツの大会も行われる。

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レーシングゲームのeモータースポーツ大会を開催する。

提供・日本自動車工業会

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ドローンレースの公式大会も開催する。

提供・日本自動車工業会

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アイドルグループ「日向坂46」はドローンレースのライブショーに登場する。

提供・日本自動車工業会

来場客が小型モビリティーを楽しめる「OPEN ROAD」

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有明と青海の離れた2エリアを電動キックボードなどに乗って移動が可能。

提供・日本自動車工業会

さらには2会場の間を結ぶ遊歩道を「OPEN ROAD」として、欧米を席巻するLuup(ループ)などの電動キックボードを始めとした小型モビリティーを体験し、移動ができるようにする。シャトルバスでも結ぶ。

「とにかく少しでも多くのお客様にきてほしい。私の心からの願いです」(豊田社長)

豊田社長は目標とする有料来場客数を100万人とした理由として、テーマパーク化をあげた。

「甲子園、箱根駅伝といった100万人が集まるイベントとなると誰もが知っているものになる。(東京モーターショーの)現在の実力値からいうと70万人が限度だと思う。あとの30万人をいかに新しい基軸で持ってくるかということに尽きます。

そこでのキーワードが、『体感しましょう』ということと、『お子様を含めてご家族で見てもらえる』ようなテーマパークにしたい。日当たりにするとだいたい9万人。東京ディズニーランドが日当たり9万人くらいの来場者なので、テーマパークと言われるには1日当たり9万人くらいの数が集まる必要があるんじゃないか」(豊田社長)

本当に今までと違ったモーターショーになるのか?10月24日の開幕後に、すべては明らかになる。

(文、写真・大塚淳史)

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