保守党の党大会の会場で販売されているボリス・ジョンソン首相のマグカップ(イギリス、マンチェスター)。
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- EUから離脱期限が10月31日に迫る中、イギリスではボリス・ジョンソン首相率いる保守党の党大会が始まった。
- しかし、保守党員の半数以上は、10月末までのEU離脱を「やるか死ぬか」だとしてきたジョンソン首相がもはや約束を果たせるとは考えていない。
- 議会では、合意が得られなければEU離脱を延期するよう首相に求める法案が可決されていて、必要があればブレグジットを強行するというジョンソン首相の戦略はうまくいきそうにない。
イギリス保守党の所属議員の半数以上は、10月末までのEU離脱を「やるか死ぬか」だとしてきたジョンソン首相がもはや約束を果たせるとは考えていない。最新調査で分かった。
ジョンソン首相は、必要なあらゆる手段を講じて10月31日までにEUから離脱すると約束して戦いに勝ち、保守党の党首、そして首相になった。
それでもジョンソン首相は「何があっても」これ以上ブレグジットを遅れさせないと強調していて、イギリスのマンチェスターで始まった党大会を「ブレグジットを成し遂げよう」のスローガンでスタートさせた。
しかし、9月29日(現地時間)に保守系ブログ「Conservative Home」が発表した、保守党員を対象に実施した調査結果によると、ジョンソン首相の支持率はこの1カ月で低下していて、同氏がその約束を果たすと考えている党員は半数以下だ。
ジョンソン首相が約束を果たすだろうと答えた保守党員の割合は、8月の78%から47%に減った。
「うまくいかない」と答えたのは32%、「分からない」と答えたのは20%だった。
党員の支持率が低下し始めたのは、10月末のEU離脱の前に総選挙を強行しようとしたジョンソン首相の戦略が失敗した頃からだ。
議会では、10月19日までに合意が得られなければ、EU離脱を延期するようジョンソン首相に求める法案が可決されている。
また、離脱期限の前に総選挙を求める首相の提案も否決されている。つまり、ジョンソン首相にはほとんど選択肢が残されていないようだ —— 数週間以内に新たな合意を手に入れるか、離脱延期を要請するか、だ。
(翻訳、編集:山口佳美)