わずか1割のデジタル人材、7割は転職経験者という市場争奪戦

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ビッグデータ分析からデザイン、アプリ開発など市場で引っ張りだこの「デジタル人材」は、20〜40代の働き手に占める割合が1割程度と希少な上に、「非デジタル人材」に比べて1年以内の転職意向が3倍以上と格段に高いことが、NTTデータ経営研究所の調べで分かった。

転職経験者も7割超と高く、デジタル人材は企業から企業へと動く、流動性が高い。

デジタル人材の転職求人倍率は、他職種に比べ突出して高い。常に人手不足のデジタル人材の、定着のカギとは。

調査:2019年3月に20〜40代に、NTTデータ経営研究所が4815人を対象にインターネット調査を実施。有効回答数は624。デジタルテクノロジーを用いて組織は事業を変革する取り組みを推進できる人材をデジタル人材と定義。

デジタル人材の割合は、市場のおよそ1割という争奪戦。

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提供:NTTデータ研究所

調査によると、20〜40代の働き手に占めるデジタル人材の割合は約11%。非デジタル人材の割合は約9割で、企業が軒並み、デジタルトランスフォーメーションを目指し、デジタル人材のニーズが高まる中で、獲得そのものが難しいことが浮き彫りになった。

20代が最もデジタル人材比率が高い。

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出典:NTTデータ経営研究所


年代別では、20代に占めるデジタル人材比率が16%と最も高い。30代12.5%、40代は6.5%と、デジタルネイティブと言われる若年層に多い。

デジタル人材の7割超が転職を経験、3人に1人が1年内の転職を考えている。

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「デジタル人材は転職が当たり前」との認識が一般的だが、調査ではそれも裏付けた。非デジタル人材の転職経験者56%に比べると、転職流動性ははっきりと高い。それに加え「直近1年内に転職を考えている」割合は、デジタル人材では3分の1にのぼる。非デジタル人材の1割未満に比べると、転職志向も強い。

自社で育てたデジタル人材、転職意向「なし層」は「あり層」より150万円以上年収が高い。。

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出典:NTTデータ経営研究所

転職経験のない、自社で育成したデジタル人材を定着させるカギはどこにあるのか。

調査では、転職未経験の「育成デジタル人材」も転職意向は4割超で、同じく転職未経験の「育成非デジタル人材」の26%に比べて「格段に転職意向は高い」と指摘。ただし、注目すべきは年収面で「転職意向なし層」の平均年収は795.3万円。「あり層」の629.5万円に比べて、はっきりと高年収。

転職意向の高い人は、現職への不満度が高い。満足度にあまり差はない。


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転職意向「あり層」と「なし層」では、満足度スコアよりも不満度スコアに大きな差が開いた。特に転職意向者は、「人材」「評価」「職場環境」に不満を感じていることがわかった。

求めているのは「尊敬できる上司」と「能力高い人の昇進」、「頻繁なフィードバック」。

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続いて「ハイスペックPC」と「休暇奨励」。

ワークライフバランスに満足すると転職意向は下がると判明。

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GettyImages/Yoshiyoshi Hirokawa

ちなみに、転職経験のあるデジタル人材のうち、上昇志向のある人に聞いたところ「現在、転職を考えていない人」は、ワークライフバランスへの満足度が75%と高いことも確認された。ちなみに転職意向のある人のワークライフバランスへの満足度は49%。転職に積極的な層も、働き方が快適だと、その意向は落ち着くようだ。

デジタル人材について「転職は当たり前で、スキルアップと報酬を志向する」と見なされがちだ。

しかし今回調査では「こうしたステレオタイプで、仕事をどんどん任せてハードな働き方をさせていると、人材定着には結びつかない」(NTTデータ経営研究所)と指摘。「優秀なマネージャー・リーダー層の配置」や「評価」、そして転職志向に関わらず「ワークライフバランス」が、定着に重要なカギを握るとしている。

もちろんそれは、デジタル人材に限った話ではないだろう。

(文・滝川麻衣子)

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