廃棄された牛乳をTシャツに! ロサンゼルスのスタートアップに注目

Mi Terro

Robert Luo/Mi Terro

  • 2018年に創業した、持続可能なファッションを目指すスタートアップ「Mi Terro」は、廃棄されてしまう原料で使用可能な製品を作っている。その最新アイテム「ミルクTシャツ」には、余って捨てられてしまう牛乳が使われている。
  • 共同創業者でCEOのロバート・ルオ(Robert Luo)氏は、廃棄乳がTシャツになるまでに約2カ月かかると話している。
  • 9月15日を締め切りとしたクラウドファンディング「Kickstarter」でのキャンペーンは、目標金額3000ドル(約32万円)だったが、ミルクTシャツはわずか2時間でそれを調達した。
  • Mi Terroでは他にも、天然コルクと再生プラスチックで作ったバッグも販売している。同社は森林再生に取り組む非営利団体と提携し、商品が1つ売れるごとに10本の木を植える活動も行っている。

食品廃棄物に注目が集まる中、酪農廃棄物は見過ごされてきた問題の1つだ。

だが、ロサンゼルスに拠点を置くスタートアップ「Mi Terro」は、余った牛乳を使用可能な製品にすることで、この問題を解決しようとしている。

2018年に創業した、持続可能なファッションを目指すこのスタートアップは、海洋プラスチックや余った牛乳といったあまり一般的とはいえない原料で持続可能な製品を作ることで、ポジティブな環境影響を生み出している。

共同創業者でCEOのロバート・ルオ氏は、「Mi Terroは、持続可能なファッションという手段を通じて世界の問題を解決しようとするグリーン・ファッションのブランドだ」と、Business Insiderに語った。

同社の最新アイテムは、余って捨てられてしまう牛乳を使った「ミルクTシャツ」だ。

酪農廃棄物に関心を持ったきっかけは、YouTubeで見た動画だったと、ルオ氏は明かした。毎年、世界全体で1億2800万トンもの牛乳が捨てられていると知り、びっくりするとともに魅了されたという。食料廃棄物として問題というだけでなく、消費されなかったこれだけの製品をどうすれば持続可能な形で廃棄できるのか、関心が高まったのだ。

International Dairy Foods Associationによると、米農務省が行った調査では、ごみ廃棄場や焼却炉にあるごみの約17%を乳製品が占めていた。

インディアナ州の環境管理部では、酪農廃棄物を「品質基準に合わない、汚染されている、もしくは人の消費や動物のえさに使えない、その他の有効利用ができない」製品と分類している。

「これは、誰も話題にしない大きな問題だ」とルオ氏は言う。

新たな酪農廃棄物の知識とファストファッションに対する自身の良心の呵責を結びつけて、ルオ氏は1年間世界を旅し、この2つの問題の解決策を見つけるために、自身の出身地である中国のメーカーやサプライヤーに連絡を取った。

そして、牛乳を布に変える中国のメーカーに出会い、提携した。

ミルクシャツを作るには、最大で2カ月かかる

繊維

Robert Luo/Mi Terro

牛乳をシャツに変えるのは、思った以上に簡単ではない。酪農廃棄物をシャツ作りに使える生地にするには、約2カ月かかると、ルオ氏は言う。

そのプロセスは、提携している酪農場から余った牛乳を調達することから始まる。集められた牛乳は、発酵、脂質の除去、乾燥を経て、粉末状の物質になる。パウダー状になった牛乳は、再び水に溶かして不要なたんぱく質などを除去し、残った繊維が糸になる。

牛乳から作った糸だけでシャツを作ろうとするとあまりに高価になってしまうため、天然のブナ材を原料とした、綿に似たより環境にやさしいマイクロモダールと組み合わせたと、ルオ氏は説明している。シャツの約15~20%が牛乳でできているという。Mi Terroのウェブサイトには、Tシャツ約5枚=グラス1杯の牛乳とある。

わたしたちのミルクTシャツは、Kickstarterで目標金額を2時間以内に調達し、72時間以内に370%上回りました。20カ国以上の人々が世界の酪農廃棄物を削減するために行動を起こしてくれたことを本当にうれしく思います。

Kickstarterでのキャンペーンは目標金額を3000ドル、締め切りを9月15日としていたが、たった2時間で目標を達成したと、ルオ氏は言う。最終的に、300人以上の支援者から2万6000ドル以上が集まった。ミルクTシャツは現在、Mi Terroのウェブサイトで59ドルで販売中だ。

Tシャツは無臭で、通気性が良く、湿気を逃がし、伸縮性に優れ、綿よりも3倍柔らかいとうたっている。手触りが良く、高級感もあるが、その伸縮性は大半のハイエンドなシャツにはない多用途性を提供するという。

Kickstarterのキャンペーンの成功と牛乳から作った軽い布の多用途性から、同社では今後、靴下やパジャマ、スカーフ、下着といったアイテムも手掛けていきたいと、ルオ氏は話している。

天然コルクと再生プラスチックで作ったバッグも販売

バッグ

Robert Luo/Mi Terro

酪農廃棄物の解決策を示すほかにも、Mi Terroは自らの環境影響を海へと拡大している。同社が初めて開発した製品は、天然コルクと海から回収したプラスチックでできたバッグ(275ドル)だ。

また、同社は森林再生の問題にも取り組んでいる。非営利団体「Eden Reforestation Project」と提携し、商品が1つ売れるごとに10本の木を植えていると、ルオ氏は語った。同社はこれまでに2700本を植えたと、フォーブスは報じている

「環境保護や気候変動を気にしてはいても、多くの人は他の誰かが環境のために何かしてくれるのを待っている…… わたしは心配だ。誰もが心配しなければならないはずだ」と、ルオ氏は言う。

「わたしたちは皆、プラスの方向を目指して努力しなければならない。だからこそ、未来に対して本当に、本当に楽観的でなければならない」

[原文:This Los Angeles-based sustainable fashion start-up turns milk into clothing. Yes, you read that right.

(翻訳、編集:山口佳美)

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