香港の立法会総合ビル近くでデモ参加者に向けて催涙スプレーを発射する警官。2019年9月29日。
REUTERS/Athit Perawongmetha
- 香港の警察の動きなどの情報を提供するアプリ、HKmap Liveの開発者は10月1日、アプリが違法な活動を助長するとしてアップルのApp Storeから削除されたとツイートした。
- アプリ開発者がアップルの決定に抗議したことで、審査が再開される見通しだ。
- 香港でのデモ参加者と警察の間の暴力はエスカレートしており、10月1日には18歳のデモ参加者が警官に胸を撃たれた。
香港市民がデモや警察の活動を避けながら生活できるよう支援するアプリが開発された。その開発者がアプリの配信をアップルに拒否されたと述べた。
そのアプリはHKMap Live。クラウドベースでデモについての警告や警察車両の配置などが地図上に表示される。アプリ開発者は香港在住のマーチュイ・スグロウスキ(Maciej Ceglowski)氏で、ネット上では@Pinboardとして知られる。彼はこのアプリを、市民の命を救い、催涙ガスを避ける手助けとなるものだと説明した。
10月2日、iPhoneユーザーがアプリをダウンロードできる唯一の手段であるApp Storeでのアプリ配信をアップルに拒否されたと、HKMap Liveのツイッターアカウントが発表した。
『あなたのアプリは違法なコンテンツを含んでいる、あるいは違法な活動を助長させ、可能にし、推奨することにつながっている…とりわけ、ユーザーが法的処罰から逃れることを可能にしている』。@Appleは、このアプリのユーザーが法を犯し、法的処罰から逃れようとしていると思い込んでいるようだが、それは明らかに間違っている。
このツイートに多くの人が憤慨した。それに続き、さまざまなメディアは、アップルがアプリを「禁止した」と報じた。ところが10月3日、HKMap LiveはそもそもアプリがApp Storeで入手可能だったことは、まだ一度もないと明らかにした。
ハッキリさせよう!アプリがApp Storeで公開されていたことは1度もない。アップルは審査の過程で公開を拒否していた。だが今回の訴えにより、審査が再開されることになった!
アプリのアンドロイド版はGoogle Playでダウンロードできる。
アプリの配信が拒否されたのは、慎重な審査の結果というより「いい加減なお役所仕事」のせいだと、アプリ開発者は考えている。
アプリにより人々が警察を避けるのではないかというアップルの懸念に対し、アプリ開発者は「違法な集会」が行われる場所の情報をアプリの地図に表示しているだけで、そのような場所を避けることは法に適ったことだと述べた。
香港での民主化要求デモが始まって、100日以上が経過した。ニューヨーク・タイムズによると、1500人以上が逮捕されたという。
デモ参加者と警察との間の暴力はますますエスカレートしている。10月1日、香港警察はデモ参加者が酸による攻撃を仕掛けたと非難し、18歳のデモ参加者は警察に胸を撃たれた。
Business Insiderはアップルにコメントを求めたが、返答はまだない。
[原文:Apple rejected an app in Hong Kong that helped protesters track police activity]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)