次は「ドーパミン・ファスティング」…シリコンバレーで流行する自己管理法

スマートフォンを操作する女性

Reuters

  • アメリカ人はかつてないほどメディアの閲覧に時間を使っている。
  • シリコンバレーの一部のベンチャー・キャピタリストや幹部たちは、メディアやテクノロジーによる過度な刺激への対処法として「ドーパミン断ち」を行っている。
  • ドーパミン断ち(ドーパミン・ファスティング)は、シリコンバレーの幹部たちの間に長年流行していた「ファスティング」(断続的に食物を断つこと)の流れに沿うものだ。

我々は中毒に注意が必要な世界を生きている、とサンフランシスコの心理学者、キャメロン・セパ博士(Dr. Cameron Sepah)は言う。

あるデータではアメリカ人は1日に11時間以上、メディアに接触している。この値は平均であり、それ以上という人もいる。セパ博士は主にテック界の幹部、特にCEOやベンチャー・キャピタリストのカウンセリングなどを仕事にしており、中毒性による問題行動が繰り返されるのを目にしている。大抵、テクノロジーと食事に関することだ。

特に会社勤めの場合、テクノロジーは食事と同じくらい避けられないものであり、潜在的な依存性への対処は難しい。

「テクノロジーをすべて断つことはできないが、ドーパミン・ファスティングは脳が少しでもリセットできるようにテクノロジーを制限したり、ルール化したりするやり方を提供するものだ」とセパ博士はBusiness Insiderに語った。

キャメロン・セパ博士

キャメロン・セパ博士

Cameron Sepah

博士が最初にドーパミン・ファスティング(dopamine fasting)という用語をLinkedInへの投稿で使ったのは8月だった。その投稿はすでに10万回以上読まれ、コメントは数千件に上った。ドーパミン・ファスティングは、セパ博士がこれまでに広めてきた方法を表すのに使った新しい用語だ。患者が食事、性行為、またはソーシャルメディアにまつわる問題行動を管理するのを、刺激を制御することによって助けるのだ。

インスタグラムを何時間もスクロールしたり、Redditの投稿を読むことによって、集中力の持続時間や感情の調節能力、そして単純作業を楽しんでやる力が損なわれていくと博士は言う。ドーパミンは、脳内の報酬と動機づけを司る神経伝達物質だ。常に刺激過多な状態でいると、ドーパミンに対する感受性を低くする可能性がある。同じ効果を得るために刺激を増やす必要があり、最終的に中毒になってしまう。

ネット上でも、ツイッターでドーパミン・ファスティングが話題になった。

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Twitter

ベイエリアでの出来事がベイエリアらしい件。今日がサンフランシスコに来た初日だったんだけど、「ドーパミン・ファスティング」中だから、あまり長く話せない(ドーパミンが出過ぎないように)って言うYコンビネーター(Y Combinator)バッチの人に出会った。

セパ博士は、この考え方は間違っているが、そうなると思っていたと言う。「大げさに受け取られる可能性はあった。シリコンバレーはそういうのが好きだから」

ドーパミンを減らすことに神経質になり過ぎている人もいるが、これは博士の意図するところではないと言う。彼はドーパミン・ファスティングを「裏技」とは思っていない。

「それはバイオハックではない。夜はパソコンの電源を切り、週末には休み、休暇も取る、といった普通の健康的な人が行うことだ」と博士。

セパ博士はシリコンバレーがダイエットやファスティングに夢中になっていることを、自説の命名に利用したのだ。ストレスによる過食は、博士がカウンセリングする患者が陥っている最も多い問題で、ドーパミン・ファスティングを希望する一部の人々の極端さは、シリコンバレーのあのダイエットを彷彿とさせるものがある。1月、アマンダ・マル(Amanda Mull)氏はジ・アトランティック(The Atlantic)に、ツイッターのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)CEOは1日22時間絶食することがある、また何日も続けて水しか飲まないこともある、とレポートした。批評家たちはドーシー氏や他の過激なダイエットを摂食障害と比較し、「刺激のコントロール」と本当の健康への懸念との境界線はどこなのか、と疑問を投げかけた。

セパ博士によると、ドーパミン・ファスティングはドーパミンやテクノロジーへの恐怖を生み出すものではなく、すべては意志の問題ということだ。例えばKindleで読書をすることは、テクノロジーを使ってリラックスする健康的な方法だ。一方、同じ長さの時間を、ツイッターの閲覧に費やすことは危険と言える。断食と同様に、ドーパミン・ファスティングは刺激を管理する良い方法となり得るが、より大きな問題を隠すために使うこともできる。


[原文:'Dopamine fasting' is a new Silicon Valley trend, but some people are already taking it too far

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

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