誰でも少しの努力でその特徴を研ぎ澄ませて、思い通りの成功に向かって進むことができる。
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- パフォーマンス・ストラテジストでTEDxのスピーカーでもあるローラ・ガーネットは、経営者が自らの才能と目標を見きわめ、それらを昇華させるための実行可能な計画を立てるアドバイスをしている。
- 自分の思う通りに変化を起こせる人には4つの特徴があるという。
ローラ・ガーネット:私はパフォーマンス・ストラテジストとして、仕事のパフォーマンスを向上させたいと強く願う経営幹部の方々と仕事をしています。
私のところにやって来る方の多くは、好きな仕事にもっと時間を費やしたい、生産性を高めたい、より強いリーダーになりたいといった明確な目的を持っています。そしてどの人も、変化を起こしたいという熱意と強い願望に突き動かされて何かを始めるのです。
ただ、リーダーであることは簡単ではありません。
終わりのない仕事、変化し続ける予測不可能な経済、カレンダーを埋め尽くす数多くのミーティング……誰もがひどく苦しんでいて、ホイール(回し車)の中で走り続けるハムスターのような日常から逃れることは難しいのです。
当然ですが、それぞれの会社のワークカルチャーを変えることは、私にはできません。その代わり、経営幹部の方々が本来の自分を見つめなおし、何が一番得意なのかを明確にし、効率的な優先順位の付け方を学ぶお手伝いをしています。
多くの人は飛躍を遂げますが、そうならない人も常にいるものです。その違いは何でしょうか?
この仕事を始めてから徐々に、思い通りに変化を起こせる人には4つの特徴があることがわかってきました。とっておきの情報です。誰でも少しの努力でその特徴を洗練させて、思い通りの成功に向かって進むことができるんですから。
1. 自制心を持っている
やると言ったことはやる。
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自らの行動を変えたり、自分自身と向き合ったり、習慣を見直したりするときに大事なのは、自制心です。やると言ったことはやらないといけません。それも一度だけでなく何度も何度も。
これまで見てきた自制心のある人たちこそ、非常に短期間のうちに大きな結果を出していますし、それがさらにポジティブなエネルギーを生み出すのです。
自制心を養うには:
目標を設定するときは、本気で考え抜きましょう。まず最初に重要なのは、正しい目標を立てられているのかを確認すること。それに向かって働くことに楽しみを感じて、エネルギーが湧いてくるような目標が必要なのです。
目標が定まったら、次はそこに向かって順調に進んでいける仕組みを取り入れること。役立つ良書として、グレッチェン・ルービンの『人生を変える習慣のつくり方(Better Than Before)』をオススメします。
2. 好奇心が強く、異なる考え方に対してオープンである
好奇心は生まれつきのものではない。
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仕事の仕方を変えたいなら、違うやり方に対してオープンにならないといけません。
例えば、自分の幸せを優先する(成功するために重要なことですが、実践している人はほとんどいません)とか、考えるための時間をつくる(初めは変なことだと思うかもしれませんが、素晴らしい結果が得られます)とか、慣れきった環境の中で考えることをやめて新たなキャリアの可能性にオープンになるとか。
好奇心がない人のほうが、それまで続けてきた仕事のやり方から抜け出せないことが多いですね。
好奇心を育むには:
大半の人は好奇心は生まれながらの特性だと思っていますが、そんなことはありません。頭を柔軟にすることで、好奇心を育むができるのです。
まずは、次のような方法を試してみてください。
誰かが「難し過ぎる」とか「自由過ぎる」と思えるような提案をしたときは、いったん思考を止めて、脳から送られてくる、なぜそのアイデアが良くないのかというメッセージを無視して、無理矢理にでもオープンになるようにしてみましょう。
自分とは違う考えの持ち主と会ったり話したりして、アイデアを聞いてみるのもいいかもしれません。
あの人のアイデアはダメだ、自分は違う考えを持っている、ということをシェアせず、ただひたすら聞く。そうやって好奇心の強度を高めると、新たな挑戦の妨げになっているのは、実は自分の抵抗心だということに気づくでしょう。
3. 成長への貧欲な意欲がある
意欲のない人はいない。
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何か重要なことを成し遂げるには、エネルギーと忍耐が必要です。だから、その2つを十分に備えている人たちは間違いなく偉業を成し遂げる。
大事なのは、成長の実感をエネルギーに変え、決して諦めないと自らを駆り立てることです。
意欲を育むには:
生まれつき意欲がまったくない人はいません。意欲は人間であることの一部なんです。
でも、もし渇望したり野望を持ったりすることが少ないと自分で感じるのなら、それは自分の「天才ゾーン(Zone of Genius)」に入り込む取り組みをしていないからかもしれません。
要は、目標に到達するために、自らの持てる一番の才能や素質を使って行う仕事です。自分の「天才ゾーン」がどこにあるのかを掘り下げて考え、自分に合った仕事をすることで、内なるモチベーションが高まってくるのを確認しましょう。
4. 自分の価値観に自信を持っている
自信は練習して養うもの。
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最速で最も遠くまで行ける人は自分を信じています。
私は皆さんが「天才ゾーン」を探し当てるお手伝いをしています。しっかりと見きわめて進んでいける人は、自分が想像していたよりも早く目標に到達します。私はそういう方々のために、毎年のように長期的目標を設定するお手伝いをせねばなりません。なぜなら、彼ら彼女らは5年かかると思われたことでも、1年で成し遂げてしまうので。
自信を育むには:
生まれながらにして100%の自信を持っている人はいません。自信をつけるには、訓練が必要です。
自信がないと感じるときは、逆の考え方ができないか、前向きな心の声をもっと強めることはできないか考えてみましょう。
自分についてのネガティブな考えは単なる「考え」にすぎないと自分に言い聞かせて、独自の強みや才能に集中するようにしましょう。自信は、自分について前向きに考えるよう積極的に自分を仕向けるプロセスと、深いつながりがあるのです。
ポテンシャルを最大化して、自分が考えるよりも早く目標達成したいのであれば、ここまで挙げた特徴を研ぎ澄ませることです。パフォーマンス・ストラテジストに助けてもらうのも一つの手段です。
自分がどんな人間であるか、自分が求める成功をどうしたら得られるのかを知ることは、一種の「スキル」なのです。いったん学んでしまえば、限界はありません。
(翻訳・編集:Miwako Ozawa)