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クラウドファンディングで1億円集めたシチズン「Riiiver」が目指す世界

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時計の老舗メーカーであるシチズンが、時計ではない、まったく新しいサービスを生み出した。IoTデバイスや多様なサービス、そして人をつなげるプラットフォーム「Riiiver(リィイバー)」だ。このサービスに対応するスマートウオッチ「Eco-Drive Riiiver(エコ・ドライブ リィイバー)」も同時リリースしたが、開発チームによればこの製品はあくまで「Riiiverに対応する一デバイスにすぎない」という。 ものづくりについての信頼と実績があるシチズンが、なぜ新事業に乗り出したのか。シチズン 営業統括本部 オープンイノベーション推進室 室長 大石正樹氏に、プロジェクトの背景と展望を聞いた。

機能を決めるのは、ユーザー。パーソナライズできる製品への挑戦

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シチズン株式会社営業統括本部オープンイノベーション推進室室長の大石正樹氏。創業100年目の節目に、従来のシチズンにはなかった新しいプロジェクトに挑戦した。

プロジェクトの萌芽は3年ほど前にあった。シュリンクする時計業界。特に縮んでいるのはシチズンが圧倒的シェアを誇っている中価格帯だ。これからの時代、どのような時計が求められるのか。スマートフォンやスマートウォッチを相手に戦っていけるのか。

ライフスタイルも価値観も多様化し、消費動向はモノ消費からコト消費に移っている。売り手が一方的に考えたモノを販売しても売れない時代だ。時計メーカーとしてモノではなく体験の価値を追究していくにはどうすればいいのか。さまざまなアイデアが出たが、それらを集約すると、時代の変化とともに機能を変えていくことができる製品と、それを可能にするプラットフォームサービスに行き着いた。大石氏は言う。

「企業が一方的に“与える”サービスではなく、ユーザーが開発者になり開発者がユーザーになり、同じ価値観を持つ人同士がつながっていく。こうして “マイクロコミュニティ”が形成され、より便利に豊かな生活が実現できるように発展していく。まるで大きな川に沿って小さな集落が無数にでき、やがて文明となっていったように……。『Riiiver』というサービス名は、そのイメージから名付けられました」

Riiiverが可能にしたのは、ユーザーが自分のライフスタイルに合わせて、デバイスの機能をパーソナライズできること。時計やデバイスが持つ機能のパーツであるT(トリガー)に、S(サービス)、A(アクション)を自由に組み合わせることで、ユーザーは自分が欲しい機能を作っていく。それらをさらに、シェアすることも可能だ。

「Riiiverにおいては、エンジニアもユーザーも同じ定義。不便を感じたら自ら機能をつくって便利にする。別のところに便利なものを見つけたら手を組む。競争ではなく共創の考えを、われわれシチズンも、Riiiverに参加するエンジニアやユーザーも持つことでRiiiverは大きくなっていく。それが、われわれが目指しているエコシステムです。手をつなぐ相手は、他社のIoT機器やスマートウォッチ、われわれよりももっと大きなプレーヤーの可能性もある。シチズンが独自に一大プラットフォームを作り上げるのではなく、いろいろなデバイス、サービスを取り入れて、人々の潤滑油となるプラットフォームが理想形です」(大石氏)

クラウドファンディングでは、目標額の70倍の支援を集めた

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クラウドファンディングで集まった金額は、当初目標としていた150万円の70倍となる1億600万円。20代、30代から長年のシチズンファンまで、幅広い支持を集めた。

2019年6~8月には「Eco-Drive Riiiver」をクラウドファンディングに出品し、先行販売を実施した。コンセプトに共感してくれる人に一般販売前に製品を届け、サービス開発に参加してほしいという思いからだ。クラウドファンディングの利用は、大手時計メーカーとしては珍しい取り組み。「Eco-Drive Riiiver」は目標額150万円のところ、支援人数2748人、支援総額1億600万円以上を達成した

クラウドファンディングを支援したのはどういう層なのか。

「スタート段階では長年のシチズンファンが多かったのですが、終盤は20〜30代の若い世代も集まりました。中には『腕時計を初めて買った』『スマートウォッチをシチズンで初めて買った』という方もいましたね」(大石氏)

新しい仕掛けは「出したら売れる」という確信を得てから世に出すのが一般的だが、今回のシチズンのケースは老舗メーカーとしては異例中の異例。大石氏は振り返る。

「クラウドファンディングを用いることで売れるか売れないかまだわからない段階で世の中に賛否を問うことができました。なかなか勇気が必要でしたが、コンセプトに共感してくれる方に先行販売したいというチャレンジを会社が後押ししてくれました」

北海道でアイデアソン開催、地域課題への解決に生かす

ハッカソン

北海道でアイデアソン、ハッカソンを開催。地元の参加者からは、雪かきやクマの出没といった北海道特有の課題やアイデアが集まった。

提供:シチズン時計

Riiiverの大きな特徴のひとつに、地域課題の解決への取り組みがある。すでに北海道でアイデアソン、ハッカソンを開催。雪かき、クマの出没、札幌市中心地と郊外の格差など、参加者からさまざまな課題、アイデアが挙がった。こうした地域課題に対し、Riiiverを活用することでどのように解決できるか一緒に考えた。シチズンは今後、北海道だけでなく各地域でアイデアソン、ハッカソンを開催し、地域課題の解決につなげていく予定だ。

「それぞれの人のライフスタイルに合わせて生活を豊かにすることがRiiiverのゴールです。住んでいる場所、年代、環境等々によって価値観は変わる。われわれの本社がある東京・田無から想像してみても、各地で何が起きているのかはわかりません。実際にその土地で人々が何に不便を感じ、何に利便性を感じているのかを拾っていきたい。そして、その不便を解消するためにRiiiverを使ってどういうことができるか、各地域のエンジニア、企業、自治体に協力を仰いで考えていきたいですね」(大石氏)

SXSW 2019で高評価を得て、北米でもサービス開始

SXSW写真

米テキサス州で開催されたテクノロジーの祭典「SXSW 2019」で好評を得たことも、推進力に繋がった。

提供:シチズン時計

シチズンが「オープンイノベーション推進室」を設置して組織化し、本格的にこの事業開発をスタートさせたのは、創業100周年を迎えた2018年からだ。メンバーは社内で公募し、わずか3人での船出だった。

会社のサポートもこのプロジェクトを後押しした。時計メーカーであるシチズンが、今後の展開を見据えて組織化を決定した背景には、創業101年目の節目というタイミングで新規事業に本気で取り組もうという同社の姿勢がある。

それまで社内ではRiiiverに対して賛否両論あった。だが、米テキサス州で開催されるテクノロジーの祭典「SXSW 2019(サウス・バイ・サウスウエスト)」の出展で風向きが変わる。SXSWで北米やヨーロッパの来場者から高い評価を受けたことが、プロジェクトの大きな推進力となった。

今、まったく新しい事業に乗り出すシチズン。すでに日本と北米でサービスをスタートしており、今後はプラットフォームとして自走していくために、広告収入などによるマネタイズを考えている。

「Riiiverがこだわる、それぞれの人のライフスタイル。それはその人の貴重な時の集合体です。“私”にとっての貴重な時を、Riiiverの機能によってどのように生み出すか。今この瞬間をより良い時にどう変えるか。そこをお手伝いしたいんです」(大石氏)

人々の「時」を見つめ、人々が求める「時」の本質を追究する。そこに尽きる。シチズンが手がけるどんな事業も、根本にあるものは「これまでの100年のものづくり」と同じなのだ。


■「Riiiver」について詳しくはこちら。

■「Eco-Drive Riiiver」について詳しくはこちら。

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