マッキンゼーが六本木に「IoT Center Japan」を開設、企業のデジタル変革支援を推進へ


マッキンゼー IoT Center Japan

IoT Center Japanのイベントスペース。

撮影:伊藤有

大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは10月8日、傘下のデータ解析企業QuantumBlack(クアンタムブラック)とともに、コンサルティング先企業のデジタル変革を推進する「IoT Center Japan」を開設、プレス向けに公開した。正式オープンは10月10日。

IoT Centerはこれまで全世界で11カ所に設置。今回のIoT Center Japanは12カ所目のオープンになる。地域ごとに特色をもたせたソリューション展示があることも特徴で、シンガポールは製造業向け、ニューヨークは最新のデジタル体験を中心にした展示を設置している。

IoTなどのビッグデータによるデジタル変革は巨大な事業機会がある

マッキンゼー IoT Center Japan

IoT Center Japanの見取り図。ざっくり、面積の半分ほどがイベントスペースやミーティングルーム、残り半分がソリューション展示スペースになっている。

撮影:伊藤有

マッキンゼー日本支社長のアンドレ・アンドニアン氏はIoT Center Japanを開設した経緯について次のように説明した。

「世界に目を移すと、大きな(事業)機会がデジタル変革によって生まれると言われています。たとえば今年は1兆2000億ドル(128兆5400億円)が投資されるというIDCの調査がある。また、グローバルでは2025年には810兆ドル。日本に対してのインパクトは60兆ドル(と言われている)。かなり大きな事業機会(オポチュニティ)になります。

(中略)

(IoT/インダストリー4.0の推進には)新しいスキルを構築していく必要があります。例えば、データサイエンス、アドバンスドアナリティクス、IoTアーキテクトなど。日本でもこのようなタレントの数をもっと増やしていかなければ。

このような点を全て加味した上で、IoTセンターの設立に漕ぎ着けました」(アンドニアン支社長)

マッキンゼー IoT Center Japan

マッキンゼー日本支社長のアンドレ・アンドニアン氏。

撮影:伊藤有

IoTセンターはイベントスペース、ユーザー企業にデジタル変革の実例を体験してもらう小規模なソリューションギャラリー、ユーザー企業の常駐も可能な会議室(イマージョンルームと呼んでいる)などで構成されている。

QuantumBlackのジェレミー・パーマーCEOは、現在世界トップ10企業のうちの7社が、デジタルデータ、アナリティクスをベースにした事業を展開しているとする。

今さら指摘するまでもなく、データの分析と活用は、大企業の事業を大きく左右する存在になっている。

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世界トップ10企業のうち、デジタルデータ、アナリティクスをベースとした企業として示された一例。

撮影:伊藤有

こうしたデータ活用を、いわゆる「テクノロジージャイアント」に任せている、あるいは手がつけられていない、というのが、多くの日本の大企業や製造業、小売業の実情だろう。

こうしたユーザー企業に対して、スキルの育成や組織文化の変革まで含めた「デジタル変革支援」をおこない、QuantumBlackが得意とするデータ分析を通じて「成果の出るデジタル変革」を支援していくことを、IoT Center Japanでは目指す。

マッキンゼー IoT Center Japan

アメリカ、ドイツ、日本の300人のエグゼクティブへの調査。IoTは有望な事業である、と答えた人は8割以上にのぼる一方、準備ができているとした日本のエグゼクティブは34%と少ない。

撮影:伊藤有

マッキンゼー IoT Center Japan

こちらのマッキンゼーの調査もデジタル変革に関する日本企業の弱さが目立つ結果。

撮影:伊藤有

マッキンゼーの知見と経験をもとに支援していくとはいえ、日本企業における「デジタルが苦手」「データ活用が苦手」という側面は10年スパンで指摘され続けてきた問題。根が深い。

そもそも、企業においては「変わること自体が難しい」ことは、QuantumBlackのパーマーCEOも認める。変革の取り組みは、ユーザー企業と伴走しながらの、長い取り組みになる。

マッキンゼー IoT Center Japan

QuantumBlackのジェレミー・パーマーCEO。QuantumBlackは当初、フォーミュラ1のレース分野のデータ活用・分析にフォーカスした企業として事業を開始。2015年にマッキンゼーが買収し、マッキンゼーのデータ分析部門になった。

撮影:伊藤有

パーマーCEOによるとパートナーシップを組んだ典型的な例の場合で1〜3年、場合によってはそれ以上の期間を要することもあるという。

「場合によってはもっと短いスタディをおこなうこともありますが、それは狭い領域の問題解決になります。

一方、能力を拡大してデータドリブン(の企業)になる、あるいはインフラを変える、文化を変えるというのは、より長期間を要する変革となります」(QuantumBlack パーマーCEO)

担当者によると、詳細な数字は公表できないものの、正式オープン直後の10月〜11月にはすでにかなりに引き合い(問い合わせ)があり、ユーザー企業が来訪してさまざまな議論をしたい、という要望が集まっているという。

IoT Center Japan

IoT Center Japanのソリューション展示の一部。実際の導入事例を模した小型展示のほか、こうしたディスプレイで見せていくようなコンテンツもある。

出典:マッキンゼー・アンド・カンパニー

ソリューション展示は製造業を意識したものが多かった。しかし、製造業に特化するということではなく、消費財メーカーなども含めてニーズに答える形で、コンテンツ(展示)を拡充していくとした。

(文、写真・伊藤有)

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