オヨ(OYO)最高経営責任者(CEO)で創業者のリテシュ・アガルワル氏。
提供:OYO
- 日本のソフトバンクも出資するホテル運営プラットフォームのオヨ(OYO)は、創業者で最高経営責任者(CEO)のリテシュ・アガルワル氏らから15億ドル(約1600億円)を調達する。
- アガルワル氏は、OYOの既存株主であるライトスピード、セコイアの保有分の一部を買い取る。
弱冠25歳のCEO、アガルワル氏は10月ライトスピード・ベンチャー・パートナーズとセコイア・インディアが保有するOYO株を追加購入することを発表した。取得するのは一部で、両社は引き続き株主として残る。
OYOの広報担当はBusiness Insiderの取材に対し、アガルワル氏の株式買い増しの資金源は「グローバル展開する金融機関など」として詳細を明かしていない。
ただし、ブルームバーグの報道によると、複数の関係者が「みずほフィナンシャルグループと野村ホールディングスが同氏の株式取得資金を融資している」と語っている。
今回の調達額15億ドルのうち、アガルワル氏自身が新たに出資するのは7億ドル、残り8億ドルはソフトバンク・ビジョン・ファンドなど他の既存株主が拠出する。OYOの時価総額は合計100億ドル(約1兆700億円)に達する。
「ソフトバンク1社の資本が入りすぎている」
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長。OYOとWeWorkの両方に出資している。
REUTERS/Issei Kato
OYOは急成長中の格安ホテル予約プラットフォームで、フランチャイズベースで運営を行っている。経営不振のホテルをフランチャイズ化し、資金提供を行って独自の基準を満たすリフォームや無料Wi-Fiなどを整備した上で、同社のプラットフォームを通じて予約を受け付ける。ホテルのオーナーには空室率と収益の改善を保証している。
同社のサービスはすでに日本や中国を含めた80カ国以上に広がり、予約プラットフォーム掲載数は50万室以上。直近(2019年8月)の売上高は前年比3.8倍を記録し、従業員数は2万人超に達する。これまでに20億ドル以上を調達している。
同じくソフトバンクが出資するコワーキングオフィス大手WeWork(ウィーワーク)のアダム・ニューマンCEOが、数々のスキャンダル発覚から辞任。同社の新規株式公開(IPO)も延期されるなど、ソフトバンクの投資先に対してメディアや投資家たちから疑問が投げかけられていることから、OYOにも火の粉がおよんでいる。
WeWorkの経営体制を厳しく批判しているニューヨーク大学のスコット・ギャロウェイ教授は、次のように批判する。
「WeWorkと同じように、OYOも不動産投資信託(REIT)の一種であり、そう考えるとソフトバンク1社の資本が入りすぎている」
(翻訳・編集:川村力)